『バレリーナ:The World of John Wick』レビュー:アナ・デ・アルマス主演、夏の痛快アクション大作

キアヌ・リーブス主演の大人気シリーズ『ジョン・ウィック』のスピンオフとなる、新作『バレリーナ:The World of John Wick』。アナ・デ・アルマス(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』)が主役を務める本作では、シリーズの特徴である緻密なアクションと殺し屋の美学をそのままに、新たな物語が描かれる。
主人公は、ロシア系犯罪組織「ルスカ・ロマ」で暗殺者として育てられたイヴ・マカロ(演:アナ・デ・アルマス)。彼女は、幼い頃に父を殺された過去を持ち、その復讐のために動き出す。物語は、イヴが真相を追いながら、多数の刺客と死闘を繰り広げるというシンプルながらも迫力満点の展開だ。
さらに、シリーズの主人公ジョン・ウィック(演:キアヌ・リーブス)も登場し、短時間ながらもファンを喜ばせるアクションを披露。ジョンとイヴの共通点として、背中にラテン語のタトゥーを彫っている点や、ディレクター(演:アンジェリカ・ヒューストン)に育てられた過去を持つ点が挙げられる。
本作の魅力は、アナ・デ・アルマスの体当たりの演技にある。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で見せたアクションの片鱗を、本作でようやく全開に。素手の格闘から銃撃戦、アイスピックや火炎放射器まで多彩な武器を駆使し、激しい戦いを繰り広げる。アルマスは実際に多くのスタントを自らこなし、臨場感と説得力を生み出している。
舞台はニューヨークやプラハ、オーストリア・ハルシュタットなど多彩で、特に中盤以降は「殺し屋の隠居村」ともいえる不気味なロケーションが舞台となる。ストーリーはややシンプルであるが、シリーズ特有のネオンがきらめくクラブ、カルト的な設定、そして無数の刺客との戦いが次々に繰り広げられるテンポ感で、最後まで引き込まれる。
さらに、シリーズではおなじみのウィンストン(演:イアン・マクシェーン)や、コンシェルジュのシャロン(演:故ランス・レディック)も登場。ファンにはうれしい要素がちりばめられている。一方で、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』などで見られた複雑な設定は控えめとなっており、よりアクションに特化したつくりになっているのも特徴だ。
『ジョン・ウィック』が「過去から逃れようとする男の物語」だとすれば、『バレリーナ:The World of John Wick』は「その過去を受け入れ、自ら進んで闇を生きる女性の物語」と言えるだろう。
ブルース・ウィリス主演の『ダイ・ハード4.0』などで知られるレン・ワイズマンがメガホンをとった本作は、アクション映画としての完成度が高く、特にアナ・デ・アルマスの魅力が際立つ。夏にぴったりの、スタイリッシュで爽快なエンタメ作品に仕上がっている。
【作品情報】
タイトル:『バレリーナ:The World of John Wick』
公開日:8月22日(金)全国公開
※本記事は要約・抄訳です。オリジナル記事(英語)はこちら。
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