ハミルトンも脚本に参加:映画『F1/エフワン』がF1カナダGPでお披露目

『トップガン マーヴェリック』の名コンビ、ジェリー・ブラッカイマーとジョセフ・コシンスキー ©︎Hersey Shiga Media/Shiga Sports Japan
『トップガン マーヴェリック』の名コンビ、ジェリー・ブラッカイマーとジョセフ・コシンスキー ©︎Hersey Shiga Media/Shiga Sports Japan
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2025年F1カナダGP決勝戦に向けて、F1がモントリオールに轟音を響かせる中、フォーミュラ1を取り巻く話題は、サーキット上でもスクリーン上でも盛り上がりを見せている。

土曜日の予選セッションを控えたタイミングで、F1関係者とエンターテインメント系記者が特別記者会見に集まり、新作映画『F1/エフワン』プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーと、ジョセフ・コシンスキー監督が本作について語った。

トップガン マーヴェリック』などの大作で知られるこのコンビは、リアリティとストーリーテリングへの強いこだわりを強調した。「単なるレーシング映画を作りたかったわけではない。F1の複雑さとドラマを尊重したストーリーを伝えたかったのです」とコシンスキー監督は強調した。

本作品は、7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトン選手(現フェラーリ所属)が脚本執筆プロセスに参加、エンジン音に関するところまで徹底的にこだわったという点も見逃せない。アドバイザーとしての彼の役割について、ブラッカイマーは、「技術的な観点からドライバーの精神的負担まで、映画のリアリズムを形作る上でかけがえのないものだった」と説明している。

右2人)ジェリー・ブラッカイマーとジョセフ・コシンスキーF1カナダGPにて ©︎Hersey Shiga Media/Shiga Sports Japan
右2人)ジェリー・ブラッカイマーとジョセフ・コシンスキーF1カナダGPにて ©︎Hersey Shiga Media/Shiga Sports Japan

続編やスピンオフの可能性について問われると、ブラッカイマーは一言、「興行収入が教えてくれるでしょう」と答えた。

木曜夜のジャーナリスト向け限定試写会を前に、F1記者団からの期待評価は分かれていたものの、概ね敬意を示すものだった。試写を終えたジャーナリストは全員一致で、映画の息をのむような特殊効果と、F1の超リアルな描写を称賛した。

一方、映画の技術的な深さが一般観客に伝わりにくいのではないかという疑問を抱く声もあった。あるベテランジャーナリストは冗談めきながら、「タイヤ劣化の予備知識が必要な初のレーシング映画かもしれない」と述べた。

一部、気が散る瞬間を指摘したジャーナリストもいた。具体的には、F1のCEOステファノ・ドメニカリとメルセデスのチーム代表トト・ヴォルフのカメオ出演である。試写会へ参加した一部のジャーナリストからは、メルセデスチームの出演がファン向けのサービスシーンだった可能性もあるが、演技力に限界があり、作品のストーリーに大きな貢献はしていなかったため、カットしておいた方が良かったかもしれないのではないかと指摘する声もあった。

左)F1カナダGPを訪れた俳優のベン・スティラー ©︎Hersey Shiga Media/Shiga Sports Japan
左)F1カナダGPを訪れた俳優のベン・スティラー ©︎Hersey Shiga Media/Shiga Sports Japan

様々な意見がある中、大多数の意見が一致していたのが、「この映画は新しいF1ファンを引き寄せる作品となり得る可能性があり、特にF1人気が急上昇している北米において効果的」というものだ。

F1の商業的な勢いは、今週初めに発表されたF1とネスレ社の新たなグローバルパートナーシップによって強調された。2025年10月に開催されるメキシコグランプリからの開始が予定されており、同社の代表商品“キットカット”がF1の公式チョコレートとなる。
この提携のタイミングは、“キットカット”の90周年記念とF1の75周年記念に合わせて設定された。このパートナーシップは2026年のF1シーズンまで世界的に継続される予定だ。

この契約はファンの間で、ある憶測を再燃させた。以前“キットカット”のキャンペーンに起用されていたセルジオ・ペレス選手が2024年末にレッドブル・レーシングを離れたからだ。このタイミングで、両社のパートナーシップがペレス選手の母国メキシコで開始されることで、ペレス選手がF1へのグリッド復帰を発表する可能性があるのではないかという期待が渦巻いている。
今のところ正式な発表はないので、“キットカット”を食べながら、ビッグニュースの発表までの時間を甘くするしかないだろう。

F1とグローバルパートナーシップを結んだネスレ社、“キットカット”がF1の公式チョコレートに ©︎Hersey Shiga Media/Shiga Sports Japan
F1とグローバルパートナーシップを結んだネスレ社、“キットカット”がF1の公式チョコレートに ©︎Hersey Shiga Media/Shiga Sports Japan

F1カナダGP開催地であるモントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットのパドックでは、有名人やスポーツ関係者で賑わっていた。チームやファンと交流を楽しんでいた。俳優のベン・スティラーがグリッドツアーをしている姿が目撃され、数名のナショナルホッケーリーグ(NHL)のスター選手も登場し、F1がカナダの文化的景観での足場を固め続けていることを示していた。

決勝が開催される日曜日のレースでは、再び劇的な対決が期待できる。ジョージ・ラッセル選手(メルセデス)、マックス・フェルスタッペン選手(レッドブル)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がターン1への突入を先導する予定で、F1カナダGPで再び壮観なレースとなる可能性を約束している。

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