新生『スーパーマン』に元スーパーマンが思うこととは?──ディーン・ケインが語る“変化”

1990年代のテレビドラマ『LOIS&CLARK/新スーパーマン』でスーパーマンを演じた俳優ディーン・ケインが、ジェームズ・ガン監督による新作映画『スーパーマン』に対し、「政治的すぎる」「現代の価値観に寄せすぎているのではないか」と批判の声を上げた。
きっかけは、ガン監督が英紙『The Times』のインタビューで語った言葉だった。ガンは新作について「スーパーマンは移民の物語であり、人間としての親切さを描いている」と発言。また、映画のマーケティングでは、従来のスローガン「真実・正義・アメリカン・ウェイ」に代えて、「真実・正義・人間の道(the human way)」という表現が使われているとも報じられている。
これに対しケインは、米ニュースサイトTMZの取材で「スーパーマンは“真実・正義・アメリカン・ウェイ”を象徴する存在であり、それを削るのは間違いだ」と主張。「移民をテーマにしたいなら新しいキャラクターを作ればいい」と語り、既存のキャラクターの意味を変えることに疑問を呈した。
また、FOXニュースの司会者が「今のスーパーマンのマントには“MS-13”と書くべきだ」と冗談めかして語ったことに触れ、「彼はいい政治的指摘をしている」と同調。「アメリカは移民に寛容だが、ルールは必要。すべての人を無制限に受け入れることはできない」と移民政策にも踏み込んだコメントを残した。
さらにケインは、「スーパーマンが移民であることは今さら言うまでもない。だって彼は“宇宙人”なんだから」とし、ガン監督の強調は不要だと語った。
ただし、ケインは現時点で映画を鑑賞しておらず、批評家たちは新作を「過度に政治的ではない」「観客に親しみやすい内容」と評価している。米紙『USA Today』は、「ガン監督は政治的な要素を押しつけることなく、親切さこそが最大の力だというメッセージを伝えている」と述べている。
ガン自身も「この映画は、他人の善意を信じることが難しくなった現代に、“善良であること”の価値を描く物語」と説明。「世界を変えようとは思わないが、これを観て少しでも優しくなってくれる人がいれば嬉しい」と語っている。
映画『スーパーマン』は本日より全米で劇場公開。主演はデヴィッド・コレンスウェット。ロイス・レイン役をレイチェル・ブロズナハン、宿敵レックス・ルーサーをニコラス・ホルトが演じる。DCスタジオによる新たなユニバースの幕開けとして注目されている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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