夢と恋に揺れるZ世代『スター・トレック:スター・フリート・アカデミー』が描く、新たな宇宙の物語とは?

『スター・トレック:スター・フリート・アカデミー(原題:Star Trek: Starfleet Academy)』
『スター・トレック:スター・フリート・アカデミー(原題:Star Trek: Starfleet Academy)』
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『スター・トレック:スター・フリート・アカデミー(原題:Star Trek: Starfleet Academy)』の予告編が公開され、従来の『スター・トレック』シリーズとは異なる、新たな雰囲気をまとっている。

若き士官候補生たちが主役に――Z世代キャストが挑む初の実写版

本作は、初の試みである20代前半の若者のキャラクターに焦点を当てた『スター・トレック』作品である。『スター・フリート・アカデミー』では、主にZ世代のキャストが、初の宇宙任務に向けて訓練を受けるサンフランシスコの士官候補生クラスを演じている。

このドラマには、アカデミーの学長を演じるホリー・ハンターと、繰り返し登場するエイリアンの悪役を演じるポール・ジアマッティも出演している。

土曜日にサンディエゴ・コミコンで初公開された予告編は、ハンターのキャラクターがクラスに向けた歓迎スピーチを語るナレーションで始まる。

従来の“軍隊的トレックからの脱却

彼女は、「我々の最も偉大な士官たちを形作った技術」を学ぶことになる、と述べている。しかし、この映像でより興味深く、そして長年の『スター・トレック』ファンの間で議論になるであろう点がある。

それは、若いキャストたちが友情を育み、時にロマンスを交え、ダンスを楽しみ、夜空を見つめて将来を思い描く。

本作は、すでにシーズン2への更新が決定している。第二次世界大戦後の時代に始まり、何十年にもわたって任務を帯びた軍隊風のチームに焦点を当ててきた従来のシリーズとは、かなり異なる雰囲気を持っている。

『スター・トレック』のクルーたちは、多くの規則に従い、階級制度に従って行動し、彼らの会話の多くは問題解決にかんするものであり、対人関係における感情は後回しにされていた。

『スター・トレック:ディスカバリー』 Ben Mark Holzberg/CBS

『アカデミー』が描くのは、夢・恋・居場所の物語

このような厳格さは、2017年の『スター・トレック ディスカバリー』を皮切りに、近年ではかなり緩和されてきている。しかし、『スター・トレック:スター・フリート・アカデミー』は、さらに一歩進んで、個人の充足感、恋愛、そして帰属意識に、より強く焦点を当てているようである。

ハンター演じる学長は、士官候補生たちに「限界を超えた夢を描くように」と促しており、ドラマの公式説明では、候補生たちは「希望と楽観という共通の夢を追いかけるために集まり」、「芽生える友情、激しいライバル関係、初めての恋や、新たな敵との対峙にも直面する」とされている。

この「より夢を、より少ない義務を」という焦点は、『スター・トレック』の世界を新しい世代に適応させるために、志を高め、過去の「アイ・サー(了解しました、艦長)」的な要素から舵を切る、賢明な計算なのかもしれない。

あるいは、Z世代に対するメディア上の仮定を反映しており、『トレック』のファンが好む要素から逸れている可能性もある。

公平に言えば、たとえ1990年代の『スター・トレック』が士官候補生を題材にしたドラマであったとしても、同様のアイデアのいくつかは取り入れられていた可能性が高い。

『スター・トレック:スター・フリート・アカデミー』が、シリーズ全体の中で“もし全員がウェスリー・クラッシャーだったら?”というような挑戦的な印象を与える作品となるかどうかは、今後明らかになるであろう。

この予告編は、Paramount+の『スター・トレック』シリーズにとって、移行期ともいえるタイミングで登場したように感じられる。というのも、『スター・トレック:ディスカバリー』(2017~2024年)、『スター・トレック:ピカード』(2020~2023年)、アニメシリーズの『スター・トレック:ローワー・デッキ』(2020~2025年)および『スター・トレック:プロディジー(原題:Star Trek: Prodigy)』(2021~2023年)がすべて終了したからである。

今年2月、Paramount+の『トレック』チームは、ミシェル・ヨー演じる『スター・トレック:ディスカバリー』のキャラクターを主人公に据えたストリーミング映画『スター・トレック:セクション31』を公開した。しかし、評価や視聴者の反応はいずれも芳しくなかった。

そして先月、Paramount+は、人気の看板作品『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』がシーズン3に入ったばかりであるにもかかわらず、シーズン5をもって終了することを発表した。

パイク船長を演じるアンソン・マウント『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』より 画像:THR.comより
パイク船長を演じるアンソン・マウント『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』より 画像:THR.comより

他にも進行中の企画は存在しているが、現時点では、『スター・トレック:スター・フリート・アカデミー』は、Paramount+にとって『トレック』シリーズの未来、つまり“次の世代”を担う期待作であることは間違いない。

本作には、ロバート・ピカードがドクター役として再登場し、『オーファン・ブラック~暴走遺伝子』(2013~2017年)のタチアナ・マズラニーがシーズン1に特別ゲストとして繰り返し登場する。

イーサン・ペック(スポック役)、アンソン・マウント(パイク役)、レベッカ・ローミン(ウーナ役) 『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』より (写真:Screengrab/Paramount+)
イーサン・ペック(スポック役)、アンソン・マウント(パイク役)、レベッカ・ローミン(ウーナ役) 『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』より (写真:Screengrab/Paramount+)

また、主要キャストには、サンドロ・ロスタ、ケリス・ブルックス、ベラ・シェパード、ジョージ・ホーキンス、カリム・ダイアン、ゾーイ・ステイナーが名を連ねている。

アレックス・カーツマンとノガ・ランダウが共同統括責任者および製作総指揮を務め、その他の製作総指揮にはガイア・ヴィオロ、アーロン・バイアーズ、オラトゥンデ・オスンサンミ、ジェニー・ルメット、ロッド・ロッデンベリー、トレヴァー・ロス、フランク・シラクーサ、ジョン・ウェバーが名を連ねている。

『スター・トレック:スター・フリート・アカデミー』は、2026年初頭に配信される予定である。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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