【言葉遊びが波紋】アメリカンイーグル×シドニー・スウィーニー広告に賛否、論争の背景を解説

シドニー・スウィーニー、アメリカンイーグルのキャンペーンより THR.com
シドニー・スウィーニー、アメリカンイーグルのキャンペーンより THR.com
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米アパレルブランドのアメリカンイーグルは、バイラルとなったシドニー・スウィーニーのキャンペーンをめぐる反発に対して対応した。このキャンペーンは、ホワイトハウスから米司会者スティーヴン・コルベアまで、さまざまな著名人が言及し、長期にわたるオンライン論争へと発展していた。

Sydney Sweeney Has Great Jeans(シドニー・スウィーニーはすばらしいジーンズを持っている)」というコピーは、そして常にそうであったように、ジーンズそのものについて語ったものである。
彼女のジーンズ。彼女の物語。私たちは、すべての人が自分の方法で自信を持ってアメリカンイーグルのジーンズを着こなすことを、今後も称賛し続ける。すばらしいジーンズはだれにでも似合うのだ」と、アメリカンイーグルは金曜日にInstagramに投稿した。

この論争の中心にあるのは、シドニー・スウィーニーが「遺伝子(genes)は親から子へと受け継がれ、しばしば髪の色、性格、さらには目の色といった特徴を決定する。私のジーンズ(jeans)は青い」と発言するクリップである。

このセリフは、「great genes(優れた遺伝子)」と「great jeans(すばらしいジーンズ)」の言葉遊びが、単なる無害で遊び心のある言葉遊びなのか、それとも広告に隠された意図があるのか、数えきれないほどのオンライン批評家が意見を交わす激しい議論を引き起こした。

※この「ジーンズ」は“jeans”であり、遺伝子“genes”との掛詞(パロディ)として用いられている。

シドニー・スウィーニー 写真:Alberto E. Rodriguez/Getty Images for CinemaCon
シドニー・スウィーニー 写真:Alberto E. Rodriguez/Getty Images for CinemaCon

スウィーニーが金髪で青い目をしていることから、一部のユーザーは、この広告が優生学を促進するために作られた、あるいはナチスのプロパガンダへのさりげない言及であると主張している。

これに対し、アメリカンイーグルは長年にわたり広告で多様性を重視しており、現在はユダヤ人のCEOが率いているという事実がある。TikTokのある女性ユーザーは、「これは、近年見聞きしたなかでもっとも露骨で明白な人種的ドッグホイッスルの一つである」と主張し、この件に関する動画を複数投稿しており、そのうちの1本は140万回再生されている。

一方で、この反発を、「インターネットに過剰に浸った世代が、存在しない侮辱を探し求めて引き起こした見せかけの憤慨」であるとして、無意味だと一蹴する声も無数に上がっている。

TikTokユーザーのラキーシャ・ヘバートが投稿した動画のコメント欄には、「このヘイトは本当にうんざりだ」との声があり、彼女自身も「みんな、シドニー・スウィーニーが白人で、金髪で、青い目をしていて、見た目が良いというだけで怒ってるのね。私はもうDEI(多様性・公平性・包摂)のことにはうんざりだ」と述べている。

シドニー・スウィーニー、アメリカンイーグルの2025年秋キャンペーンより Courtesy of American Eagle
シドニー・スウィーニー、アメリカンイーグルの2025年秋キャンペーンより Courtesy of American Eagle

スウィーニーはこの議論に対して何もコメントしていない。

スウィーニーはいまもなおハリウッドでもっとも引く手あまたなスターの一人である。『ユーフォリア/EUPHORIA』(2019年~)でブレイクしたのち、『ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル』(2021年~)、グレン・パウエルとの共演作『恋するプリテンダー』(2023年)、さらに『マダム・ウェブ』(2024年)や『エデン(原題:Eden)』(2024年)などに出演した。『リアリティ』(2023年)および『IMMACULATE 聖なる胎動』(2024年)での演技は絶賛され、最近ではジュリアン・ムーアと共演した『エコー・バレー』(2025年)に主演している。

今後は、ホールジーと共演する『アメリカーナ』、アマンダ・セイフライドとの『ハウスメイド(原題:The Housemaid)』、そしてボクサーのクリスティ・マーチンを演じる『クリスティ(原題:Christy)』が控えている。

(左から)シドニー・スウィーニー、クリスティ・マーチン 写真:Ed Mulholland/Getty Images
(左から)シドニー・スウィーニー、クリスティ・マーチン 写真:Ed Mulholland/Getty Images

スウィーニーはブランド案件にも精力的に取り組んでおり、アメリカンイーグルのキャンペーンのように物議を醸すものもある。今夏初めには、ドクター・スクワッチとのコラボで、自身の入浴に使った実際のバスウォーターを石けんの成分として販売した。

また、アルマーニビューティ、ミュウミュウ、ラネージュ、ヘイ デュード、バイ、バスキン・ロビンス、フォードとも契約している。報道によれば、ジェフ・ベゾスとローレン・サンチェスの支援のもとでランジェリーブランドの立ち上げも進めているという。

アメリカンイーグルの一件が影響したと見られる動きとして、バスキン・ロビンスはスウィーニーが登場するTikTok投稿のコメント欄を閉鎖している。

シドニー・スウィーニー、アメリカンイーグルの2025年秋キャンペーンより Courtesy of American Eagle
シドニー・スウィーニー、アメリカンイーグルの2025年秋キャンペーンより Courtesy of American Eagle

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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