山田裕貴『ベートーヴェン捏造』での怪演を脚本のバカリズムが絶賛「いいキモさ」
俳優の山田裕貴が主演の映画『ベートーヴェン捏造』の製作報告会見が6日、東京・西池袋の自由学園明日館講堂で行われた。
ベートーヴェンを敬愛する秘書のシンドラーが、パブリックイメージをでっち上げようと奔走する物語。歴史ノンフィクション「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」をお笑いタレントのバカリズムが脚色。山田がシンドラーを演じ、古田新太がベートーヴェンに扮する。
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山田は役づくりについて、「小中学生が思っている天才というイメージしかなく、もしかしたらこんな人だったのかもしれないというのをつくっちゃうのが僕。準備としてはベートーヴェンの曲を日々流して自分の中に音楽を刻んだ。実際の会話帳というものが残っていたので、当時のメモを見て想像を膨らませた」と説明。「古田さんがベートーヴェンの格好をしているだけで面白かった。あの雰囲気は出そうと思って出せるものではない。その姿がいとおしく、シンドラーとして真っすぐ生きてみようと思った」と感謝した。
一方の古田は、「ドイツ人をやるのは初めてだし、1700年代に生きているヤツのことなんて誰も知らないから、楽しくてやりやすかった」と余裕の表情。クラシック好きだといい、「交響曲を発明した人だからね。貴族の意見も聞かないし、きっと変わり者だったんだろうなと思う」と想像した。
バカリズムは、「ドイツ人の話を日本人がやること自体間違っている」としつつ、執筆に当たっては「原作の面白さを損なわないよう、ファンに叩かれないよう、リスペクトを込めてビクビクしながら書いた」と解説。俳優の2人に対しては、「完全に人間として何かが欠落している。特に山田くんは、さわやかな好青年が時間がたつにつれて異常性が加速していく。いいキモさだった」と独特の褒め言葉を送った。
撮影も全編日本で行われ、山田は「80%はLEDパネルの中で、ランニングマシンの上で走っているだけの時もあった」と苦笑。それでも、「人間の歴史がどうであったのか、一言ではまとめられないが、史実に基づいて作っています」と自信のほどを語った。
劇中は随所にベートーヴェンの曲が流れ、メインテーマ曲「ピアノ・ソナタ第23番『情熱』第3楽章」をピアニストの清塚信也が演奏していることも発表された。
『ベートーヴェン捏造』は、9月12日に全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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