制作8か月の結晶──ティム・バートンが語る『ウェンズデー』S2のストップモーション制作秘話

Netflixで配信中のドラマ『ウェンズデー』シーズン2の第1話では、ストップモーションアニメで描かれる回想シーンが印象的だ。このシーンについて監督のティム・バートンら製作陣が語った。
約90秒のこのシーンは、心臓の弱い少年が自分のためにゼンマイ仕掛けの心臓を発明し、やがてその発明によって破滅していく様をモノクロで描く。
この手法はバートンがディズニーのアニメーター時代に制作した初期短編『ヴィンセント』(1982年)や、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1993年)、『ティム・バートンのコープスブライド』(2005年)を想起させる。
バートンはこのシーンについて「最高だった」と米『ハリウッド・リポーター』に語った。「こういうドラマはいろいろなやり方で自由に遊ぶことができて、私にとって特別な経験だった。(この回想シーンは)原点に立ち返り、『ヴィンセント』の制作時を思い出して作った。人形のデザインも私が担当したんだ。他のアニメーターたちには『アニメーションが滑らかすぎる。そうじゃなく、学生時代に戻ったつもりで、キャリアの初期にやっていたような方法でやろう』と言い続けたよ」
バートンの監督デビュー作『ヴィンセント』は約6分間の短編アニメ。すでにバートンの個性が色濃く表れており、後の数々の長編アニメで見られる特徴的な要素を垣間見ることができる。
製作総指揮のアルフレッド・ガフとマイルズ・ミラーによれば、当初は実写の回想にナレーションを付ける案だったが、のちにストップモーションに変更したという。
しかし、「このドラマは特別なことをする絶好の機会だと考え、ストップモーションへの挑戦を決めた」とミラーは明かした。「とてもティムらしいアイデアだし、ほとんどのドラマでは時間と予算の問題でこんな贅沢はできない。ティムもこのアイデアを気に入ってくれた」
制作チームは、ティム・バートン作品にも参加してきたストップモーションスタジオ Mackinnon & Saunders(マッキノン&サンダース)に協力を依頼した。
このシーンは完成まで8か月を要したという。「セットはすべて手作りで、人形も一コマずつ動かして撮影した。信じられないほど時間がかかった。しかし、細部へのこだわりや、一つ一つのショットに込められた愛情と丁寧さがしっかりと表れていて、この第1話と物語の格をさらに高めている。本当に美しく、誇りに思う」とミラーは語った。
バートンは以前、AIによる作風模倣について「(それは)ロボットが人間の人間性や魂を奪うようなものだ」と批判している。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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