ダニエル・デイ=ルイス、引退から8年ぶりの復帰作『アネモネ』で息子と挑む家族ドラマ

『アネモネ(原題:Anemone)』写真:THR.com
『アネモネ(原題:Anemone)』写真:THR.com
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ダニエル・デイ=ルイスが、新作映画『アネモネ(原題:Anemone)』のファーストルック写真で“引退”から姿を現した。

本作は、米映画製作・配給会社フォーカス・フィーチャーズによって、9月26日から10月13日(現地時間)まで開催されるニューヨーク映画祭でワールドプレミアを迎える。3度のアカデミー賞受賞を誇るデイ=ルイスにとって、8年ぶりの復帰作となる。

監督を務めるのは、デイ=ルイスの息子であり、本作が長編映画監督デビューとなるローナン・デイ=ルイス。脚本は父子の共同執筆である。

ローナン・デイ=ルイス(左)とダニエル・デイ=ルイス 写真: Dimitrios Kambouris/Getty Images
(左)ローナン・デイ=ルイス、(右)ダニエル・デイ=ルイス 写真: Dimitrios Kambouris/Getty Images

公式説明によれば、『アネモネ(原題:Anemone)』は「政治的・個人的な暴力という、相容れない負の遺産によって壊れた人生を描く、没入感あふれる家族ドラマ」である。

舞台はイングランド北部。物語は、郊外の自宅から森へと旅に出る中年の男(演:ショーン・ビーン)を追う。彼はそこで、長年疎遠だった隠遁生活を送る兄(演:デイ=ルイス)と再会する。複雑で謎めいた過去によって結びつけられた兄弟は、時に温かくも緊張感に満ちた関係を築いている。しかし、その関係は数十年前の衝撃的な出来事によって永遠に変えられてしまっていた。

ショーン・ビーン 写真:Jerod Harris/Getty Images
ショーン・ビーン 写真:Jerod Harris/Getty Images

説明はさらに続く。
「本作は感情の奔流であり、この監督デビュー作は細部においても大きな構成においても自信に満ち、あらゆる困難を乗り越えて家族の救済へ至る道筋を描き出す。揺るぎない主演の演技に加え、サマンサ・モートンとサミュエル・ボトムリーの際立った助演、そして撮影監督のベン・フォーデスマンによる圧倒的に表情豊かなワイドスクリーン撮影が際立っている」

『アネモネ(原題:Anemone)』は、デイ=ルイスにとって2017年の『ファントム・スレッド』以来となる長編映画出演作である。同作の公開前に、デイ=ルイスは引退を表明する声明を発表していた。

「私は今後、俳優としての活動を行わない。長年にわたり共に仕事をしてきた全ての仲間や観客に心から感謝している。これは私的な決断であり、この件について本人および代理人からこれ以上のコメントはない」

『ファントム・スレッド』(2017年)写真:Laurie Sparham/Focus Features
『ファントム・スレッド』(2017年)写真:Laurie Sparham/Focus Features

デイ=ルイスは過去に『W』誌のインタビューで詳しく語っていた。

「声明を出すなんて、自分らしくないとわかっていた。でも、ここで線を引きたかった。もう別の企画に巻き込まれたくなかったんだ。これまでずっと『演技はやめるべきだ』と口にしてきたけれど、なぜか今回は違った。その“やめたい”という衝動が心に根付き、やがて抑えられないものになった。どうしてもそうしなければならなかった……。“アーティスト”なんて使い古された言葉はあまり使いたくないが、芸術家としての責任のようなものが自分の上にのしかかっていた。自分がやっていることの価値を信じたい。作品はときに生き生きとし、抗いがたい魅力を持つこともある。そして観客がそれを信じてくれるなら、それで十分なはずだ。だが、最近はそうではなくなってしまった」

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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