クリス・コロンバス監督、HBO版ドラマ『ハリー・ポッター』疑問「同じことの繰り返しでは?」

映画『ハリー・ポッター』シリーズの監督を務めたクリス・コロンバスが、HBOによるリメイク版ドラマについて率直な意見を述べた。
ワーナー・ブラザース製作の第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年)と第2作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002年)を手掛け、世界的な映画シリーズの礎を築いたコロンバス監督は、HBOによるJ.K.ローリング原作のドラマ化企画について「関わるつもりはない」と以前から発言してきた。
しかし新たなポッドキャスト番組『The Rest is Entertainment』で、コロンバス監督はさらに踏み込んだコメントを発表。公開されたドラマ版のスチール写真に触れ、ハグリッド(演:ニック・フロスト)が若きハリー(演:ドミニク・マクローリン)をロンドンで案内する場面を見て驚きを示した。
「ネットで見たのだが、ニック・フロストがハグリッドの格好をして新しいハリー・ポッターと一緒に歩いていた。しかも衣装が、我々がデザインしたハグリッドの衣装とまったく同じだった。『一体何の意味があるのか?』と思ったよ。本来ならコスチュームや演出は新しく生まれ変わるはずだと思っていたが、結局“同じものの繰り返し”に見えた」と語った。
一方で、完全に否定するわけではなく「自分がデザインした衣装がそのまま使われているのは光栄だし、嬉しい部分もある。だが同時に既視感にとらわれている気もする」と複雑な胸中を明かした。
コロンバス監督は『嫉妬はない。すでにやりきった』と語り、リメイクに未練はないと強調した。
「やるべきことはやったし、次に進む時期だ。フランチャイズという概念には昔から違和感を持っていた。『グレムリン』や『グーニーズ』でも続編を断ったのは同じ理由だ。『ハリー・ポッター』も自分にとってはそうだ。最初の3作品に関われたことを誇りに思っているし、もう前に進んでいる」と語った。
また、2001年の第1作では原作でホグワーツに登場するイタズラ好きの騒霊ピーブズをCGで撮影していたが、完成度の問題から公開版ではカットされたことも回顧した。
「ピーブズのシーンは撮影したが、CGがどうしても満足のいく仕上がりにならず削除した。だからこそ、HBO版でピーブズをどう描くのか楽しみにしている。(ピーブズを演じた)リック・メイヨールの演技は素晴らしかった」と振り返った。
さらにJ.K.ローリングのトランスジェンダー問題発言についても触れ、「芸術家と作品を切り離して考えることも必要だ。彼女の発言には賛同できないが、とても悲しいことだ」とコメントしている。
HBO版『ハリー・ポッター』は2027年配信予定
HBOによる新作ドラマ『ハリー・ポッター』は、ローリングの7部作小説をそれぞれシーズンごとに忠実に映像化する計画で、2027年に配信予定である。製作陣は「映画では描ききれなかった膨大な原作要素を盛り込み、世代を超えて愛されるファンに新たな体験を届ける」としている。
HBOは声明で次のように発表している。
「本作はJ.K.ローリング原作の小説に忠実なテレビシリーズであり、才能ある新キャストによって新世代のファンを魅了するだろう。これまで25年以上にわたり愛され続けてきた世界観とキャラクターを再び描き出す。映画版は今後もフランチャイズの中核として世界中で視聴可能である」
新ドラマのキャスト一覧と、映画版で同役を演じた俳優との比較も公開されており、ファンの注目を集めている。
『ハリー・ポッターと賢者の石』
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【映画版『ハリー・ポッター』シリーズ】
本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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