トランプ支持者チャーリー・カーク氏、演説中に銃撃され死亡|トランプ大統領が追悼声明

米保守派団体「ターニングポイントUSA」を創設し、共和党内で強い影響力を持った活動家チャーリー・カーク氏が、ユタ州ユタ・バレー大学で演説中に銃撃され命を落とした。享年31歳であった。
事件は現地時間9月10日、同大学キャンパスで発生した。AP通信によると、カーク氏は演説開始から約20分後、米国の銃乱射事件について語っていた最中に首を撃たれ、死亡が確認された。
ドナルド・トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「偉大で伝説的な存在であったチャーリー・カークが亡くなった。彼ほどアメリカの若者を理解していた人物はいない」と追悼の言葉を発表した。さらに「彼はすべての人に愛され、尊敬されていた。美しい妻エリカと家族に心から哀悼の意を表する」と述べた。
容疑者の特定は依然として進んでいない。当初、2人が別々に拘束されたが、いずれも無関係と判断され釈放された。FBIのカシュ・パテル長官は「関心人物」とされた2人目も取り調べ後に解放されたことを確認した。
カーク氏は18歳のとき、イリノイ州の自宅ガレージを拠点に「ターニングポイントUSA」を立ち上げた。ドナルド・トランプ流の保守政治に情熱を注ぎ、同団体を全米1,000以上の高校・大学支部を持つ巨大組織へと成長させた。
彼のリーダーシップのもと、団体は自由市場資本主義や小さな政府を掲げる一方、人種やジェンダーといった文化戦争の最前線にも積極的に飛び込んだ。挑発的なポスターや対立的な動画、高度な演出を施したカンファレンスを通じてメッセージを拡散した。支持者は「リベラル色の強いキャンパスで保守派学生に声を与えた」と称賛したが、反対派からは「社会を分断している」と批判を浴びた。
20代前半にはカリスマ的な存在感で保守系メディアから注目を集め、Foxニュースの常連として、トランプ政権の移民規制政策を擁護した。2019年にはポッドキャスト兼ラジオ番組「The Charlie Kirk Show」を開始し、Appleポッドキャストで最もダウンロードされる政治番組のひとつとなった。2020年には著書『MAGAドクトリン(原題:The MAGA Doctrine)』を出版し、若い世代に向けてトランプ政策を解説する立場を確立した。
また、インスタグラムやYouTube、TikTokなどのアルゴリズムを駆使し、リベラル派との論戦動画などで数百万回再生を記録。デジタルメディアを拠点とする「新世代保守」の象徴的存在であった。2020年からはセーラム・ラジオ・ネットワークでラジオ版「The Charlie Kirk Show」を担当し、2025年にはFoxニュースの週末番組「Fox & Friends」のゲストホストも務めた。
彼のデジタル主導型の活動は、2024年大統領選でトランプ陣営が従来のメディアを避け、インフルエンサーやポッドキャスターを積極的に起用する流れを後押ししたとされる。
カーク氏は妻で実業家・ポッドキャスターのエリカ・フランツァ(元ミス・アリゾナUSA)、そして2人の幼い子どもを残してこの世を去った。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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