DC『レッドフード』打ち切りの理由は、射殺されたカーク氏への投稿問題

DCコミックス『レッドフード』写真:Jeff Spokes/DC Comics
DCコミックス『レッドフード』写真:Jeff Spokes/DC Comics
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DCコミックスは、『レッドフード』コミックシリーズの刊行を打ち切った。理由は、主にライターのグレッチェン・フェルカー=マーティンがソーシャルメディア「Bluesky」に投稿した内容が問題視されたためである。

フェルカー=マーティンは、現地時間9月10日(水)に暗殺者の銃弾によって命を落とした保守活動家チャーリー・カーク氏を揶揄する書き込みを行った。

Blueskyで問題視された発言

投稿には「カークに触れた弾丸が無事でありますように」や「お悔やみ申し上げます、ナチのメス犬」といった過激な文言が並び、瞬く間に拡散されたという。

フェルカー=マーティンはトランスジェンダーであり、一方のカーク氏は反トランス的な言動で知られていた。現在、フェルカー=マーティンのBlueskyアカウントは停止(凍結)されているが、問題の投稿はスクリーンショットの形で拡散し続け、結果としてDCがシリーズの中止を決断した。

DCの公式声明

DCコミックスの広報担当者は、米『ハリウッド・リポーター』に対して次のようにコメントしている。

「DCコミックスにおいて、我々はクリエイターとコミュニティをもっとも大切にしており、個々人が自身の見解を平和的に表現する権利を尊重している。しかしながら、敵意や暴力を助長すると受け取られかねない投稿や発言は、DCの行動規範とは相容れないものである」

打ち切りの背景

亡くなったカーク氏を揶揄した投稿は過去24時間で大きな注目を集めたが、関係者によれば、それは『レッドフード』打ち切りの唯一の理由ではなく、あくまで「最後の一押し」に過ぎなかったという。暴力や敵意を助長する恐れのある発信は、いずれにせよ同社のソーシャルメディア規範に違反するものだからだ。

事件の余波

一方で、カーク氏を銃撃した犯人は現地時間9月11日(木)午後の時点でも依然として捜索中であり、その事件は政治とメディアの世界に激しい波紋を広げている。米ケーブル局コメディ・セントラルは、カーク氏を風刺した『サウスパーク』のエピソードの放送を急きょ中止した。

『レッドフード』第1号の発売と物語

『レッドフード』第1号は、奇しくもカーク氏がユタ・バレー大学で演説中に命を落とした現地時間9月10日(水)に発売されたばかりであった。当初は10月と11月にも続刊が予定されていたシリーズで、かつてはロビンとして知られたジェイソン・トッドがアンチヒーロー「レッドフード」として暗躍する姿を描かれる予定であった。

フェルカー=マーティンのコメント

「汗と血、そして硝煙の焼け跡。砕けた骨とマインドコントロール。内側から腐り果てた街。ジェイソンは謎めいたテレパスを追う中で地獄をさまようことになる。そして私たちもその旅路に引き込まれるのだ。アーティストのジェフ・スポークスとともに、この新しい『レッドフード』を手がけられることに胸が高鳴っている」とライターのフェルカー=マーティンは6月の発表時に語っていた。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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