グッチ、新作コレクションをショートフィルムで公開 デミ・ムーア主演『The Tiger』公開

グッチは、2026年春夏コレクションの発表に際し、従来のランウェイショーではなくショートフィルムを公開した。作品のタイトルは『The Tiger(原題)』で、主演はデミ・ムーア。監督は映画『her/世界でひとつの彼女』(2013)で知られるスパイク・ジョーンズと、『ベイビーガール』(2024)のハリナ・レインが務めた。エドワード・ノートン、エリオット・ペイジ、キキ・パーマー、ジュリアン・ニコルソン、ケンダル・ジェンナーら豪華キャストも出演している。
フィルムはミラノとニューヨークで同時プレミア上映され、元バレンシアガのクリエイティブ・ディレクターであるデムナ・ヴァザリアがグッチで初めて手掛けたコレクション「La Famiglia(ラ・ファミリア)」の世界観を映像で提示した。ブランドはあわせてデジタルルックブックも公開している。
物語は、ムーア演じるグッチのトップ兼「カリフォルニア議長」の誕生日祝いを描く。家族やゲストを迎えた晩餐の席は、用意された飲み物に薬が仕込まれていたことで一転。ノートンが自身の分身と遭遇したり、ゲストがブランド服のままプールに飛び込んだりと、超現実的な光景が連続する。最終的にムーアがテーブルを爆破する場面もあり、富と権力を風刺的に描いている。
デムナは声明で「私は登場人物を“架空の家族”として描き、その断片が集まって物語となるようにした。初のショーは来年2月に予定しているため、この物語を映画で伝えたいと考えた」と語っている。
今回の挑戦は単なるコレクションの紹介にとどまらず、ファッションと映像表現を融合させた試みとして注目される。近年、イヴ・サンローランが『エミリア・ペレス』などの映画をプロデュースし、映画祭で高い評価を得たように、ラグジュアリーブランドが映画を通じて文化的存在感を強める動きは広がっている。
ニコルソンは「初めての体験だったが、スパイクとハリナの監督、そしてグッチという象徴的なブランドが組み合わさることで、ファッションと映画が夢のように融合した」と語り、その現場を「(フェデリコ・)フェリーニの映画のようだった」と振り返った。
パンデミック期にランウェイショーの在り方が見直された流れを経て、グッチは今回も“常識外れ”の形でファッションを提示した。映像という形を通じ、ブランドの物語性とアート性をより強く印象づける狙いがうかがえる。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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