人気コミック脚本家マーク・ミラー、13歳当時の幻企画が43年越しに復活
マーク・ミラーが13歳のとき、初めてのコミック企画を出版社に送った。それは『Conquered(コンカード)』と題された作品で、ホワイトハウスを襲うドラゴンの絵が添えられていた。スコットランド出身の少年が放ったシンプルなアイデアは「ポータル(異世界への扉)が開き、そこからファンタジーの怪物たちがあふれ出し、アメリカを征服する」というものだった。
当時、DCコミックスの編集者ジュリアス・シュワルツは丁寧な断りの手紙を返信した。しかし、それから43年の歳月を経たいま、実写映画化された『キック・アス』や『キングスマン』などで名を馳せたミラーの手によって、『Conquered』はついに現実のものとなるのである。
Kickstarterで始動する新たな挑戦
ミラーはクラウドファンディング「Kickstarter」で、全4巻構成の本作の第1巻に向けたキャンペーンを開始した。アーティストは、ミラー作品『ネメシス:ローグズ・ギャラリー(原題:Nemesis: Rogues’ Gallery)』やトッド・マクファーレンの『スポーン』シリーズで知られるヴァレリオ・ジャンジョルダーノである。彼は2025年初頭から密かに制作を進めており、ファンタジー生物との全面戦争に覆われた世界を描き切るべく、キャリア最大の挑戦に臨んでいるのだ。
「本作は『インデペンデンス・デイ』(1996年)と『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011~2019年)の融合だ。ニューヨークの真ん中にポータルが開き、ドラゴンや蛮族の大軍がなだれ込み、アメリカを壊滅させ、国を完全に叩き潰す。そして次なる標的は世界全体だ」と、ミラーは発表映像の中で語る。
現実感を重視したファンタジー戦記
ドラゴンやオーク、蛮族といった存在が登場する一方で、物語は地に足のついたものとして描かれる予定である。クラウドファンディングは10月末まで行われ、作品は「サイド・ハッスル・コミックス」から刊行される。
『Conquered』は、2017年にNetflixがミラーの会社「ミラーワールド」を買収して以降に展開してきたNetflixでの仕事とは切り離された企画であり、『ジュピターズ・レガシー』(2021年)や『The Chosen One 選ばれし者』(2019年)といった映像化作品群とも一線を画す企画である。今年初め、ミラーは『キック・アス』で組んだ盟友ジョン・ロミータ・Jr.とともに新作『サイキック・サム(原題:Psychic Sam)』のKickstarterを始動させ、10万ドル以上の支援を集めて話題を呼んだ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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