テイラー・スウィフト新作映画『ショーガール』、全世界公開を突如中止──理由は不明のまま【独占】

テイラー・スウィフト、アルバム『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール(The Life of a Showgirl)』より 写真:TAS Management
テイラー・スウィフト、アルバム『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール(The Life of a Showgirl)』より 写真:TAS Management
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AMCシアターズ・ディストリビューションとテイラー・スウィフトのチームが、極秘プロジェクト『Taylor Swift: The Official Release Party of a Showgirl(以下、ショーガール)』を9月19日(現地時間)に発表したとき、AMCのプレスリリースでは「最終的に米国外の100か国以上で公開予定」とされていた。だが、どうやらその計画は見送られたようだと米『ハリウッド・リポーター』は報じている。

短期限定上映のはずが、追加の国際公開は中止に

当初の計画では、『ショーガール』は10月3日から5日までの3日間限定で、北米での上映に加え、少なくとも18の国・地域(カナダ、メキシコ、イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、スイス、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど)でも上映される予定だった。

9月19日の発表時点では、他の地域については「10月中に順次上映予定」とされていた。詳細な上映スケジュールと前売り情報は10月3日前後に告知予定とされていたが、その日が過ぎても続報はなく、10月5日のAMCによる「これにて『ショーガール』の上映を終了する」との声明が唯一の更新となった。

関係者によれば、公開中止の影響を受けたのはおもに中南米とアジアの一部地域であるという。メキシコやウルグアイでは予定どおり上映され、特にメキシコでは好成績を収めた。

理由は不明──だが「スウィフト流」の判断か

AMCはこの方針転換の理由についてコメントを控えている。一方で、関係筋によれば、一部地域ではレーティング審査や検閲手続きの遅れがあり、スウィフト側が「次の段階へ進みたかった」との見方もある。上映版が英語のみで、各国語字幕の準備が間に合わなかった点も影響した可能性がある。

テイラー・スウィフト 写真:TAS Rights Management
テイラー・スウィフト 写真:TAS Rights Management

スウィフトは自身のビジネスにおいてもきわめて強いコントロールを持つことで知られており、彼女と仕事ができること自体、スタジオにとっては栄誉だ。その点で、AMCは業界の羨望の的となっている。

「特別上映体験」はそれでも大成功

もっとも、『ショーガール』はこれ以上誇る必要もないほどの記録を打ち立てている。北米ではドウェイン・ジョンソンレオナルド・ディカプリオ主演作をも上回る圧倒的な成績を記録し、週末興行収入は3,410万ドル(約52億円)に達した。

テイラー・スウィフト『The Life of a Showgirl』
テイラー・スウィフト『The Life of a Showgirl』 画像:Amazon Music

この数字は、通常のコンサート映画でもドキュメンタリーでもない「特別上映体験」としては異例のものだ。上映は10月3日に発売されたニューアルバム『The Life of a Showgirl』のリリースと同時期に行われ、音楽ビデオ、舞台裏映像、リリックビデオを組み合わせた89分の映像体験となっている。さらにオープニングとエンディングには、スウィフト自ら監督したシングル“The Fate of Ophelia”の世界初公開ミュージックビデオが上映された。

若い女性層を中心に圧倒的支持

観客の約9割が女性で、チケット購入者の74%が34歳以下。もっとも多い層は18~24歳で全体の31%を占めた(PostTrak調べ)。熱狂的なスウィフティーズの後押しを受け、本作はすでに音楽イベント映画として歴代2位の興行収入を記録している。1位は言うまでもなく、2023年に世界興収1億8,000万ドル超(約274.5億円)を記録した『Taylor Swift: The Eras Tour』だ。

テイラー・スウィフト、『The Eras Tour』パリ公演にて 写真:Getty Images
テイラー・スウィフト、『The Eras Tour』パリ公演にて 写真:Getty Images

同様のアルバムリリース記念上映を行ったアーティストは他にもいるが、コールドプレイのような大物でさえ、国内で100万ドル(約1億5,250万円)を超えることは稀である。

世界興収約76億円──異例のスピード公開

AMCによると、『ショーガール』は海外54市場で1,600万ドル(約24億4,000万円)を稼ぎ、全世界で5,010万ドル(約76億4,100万円)を記録したという。とはいえ、競合他社の一部は「本当に54市場で上映されたのか確認できていない」とし、Comscoreの集計でも、上映が確認された22市場のうち、14市場分の興収データしか公表されていない。

テイラー・スウィフト、アルバム『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール(The Life of a Showgirl)』より 写真:Mert Alas & Marcus Piggott; Courtesy of TAS Management
テイラー・スウィフト、アルバム『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール(The Life of a Showgirl)』より 写真:Mert Alas & Marcus Piggott; Courtesy of TAS Management

AMCとスウィフトの「黄金タッグ」

本作は、2023年の『Taylor Swift: The Eras Tour』に続くAMCとスウィフトの第2弾コラボである。AMCのアダム・アーロンCEOにとって、スウィフトとの提携はまさに大きな功績だ。

発表からわずか14日で全米ボックスオフィス1位に輝いた映画は過去に例がなく、これもまた両者の自信と戦略を物語っている。これほどの結果を得たいま、さらなる展開を急ぐよりも、成功の余韻を味わう方が賢明だったのかもしれない。

※2025年10月10日時点の為替レートで換算

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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