団塚唯我監督『見はらし世代』日本公開に感慨「上映されること自体が奇跡的」
5月の第78回カンヌ映画祭で監督週間に史上最年少で選出された団塚唯我監督の『見はらし世代』の公開記念舞台挨拶が11日、東京・Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下で行われた。
団塚監督は出演の黒崎煌代、遠藤憲一、井川遥、木竜麻生とともに登壇。初の長編映画で、カンヌのほか世界12カ国の映画祭に招待される鮮烈なデビューを飾り、「自主映画をやっていた身としては、上映されること自体が奇跡的。素直にうれしいし、ホッとしています」と感慨に浸った。
4人家族の長男が、離ればなれになったそれぞれの心を取り戻そうと奔走する姿を、渋谷の街の移り変わりとともに描く人間ドラマ。劇場の近くにもロケをした場所が多く、「良かったら歩いてみて、感じる部分があったらいいなと思う」と期待を寄せた。
映画初主演の黒崎は、「撮影が去年の夏と今年の1月で、そこからありがたいことにカンヌやいろいろな映画祭に参加させてもらい、長いようで一瞬だった期間。うれしい気持ちでいっぱい」と満面の笑み。団塚監督に感謝しつつ、「これからの日本映画を引っ張っていくと確信しています」と持ち上げた。
父親役の遠藤は、団塚監督との初対面を「あまりに若くて、ウソだろうと思った」と回想。しかし、撮影では「自分の一番ダメな部分を指摘されて、それが要所要所で全部なるほどと思えた。俺はこうした方がいいと言っちゃうタイプなんだけれど、監督の言われるままにやってみようとなった」と称えた。
母親役の井川も、「監督は凄くシャイで純粋だけれど、それとは裏腹に鋭くて成熟した視点が素晴らしい」と絶賛。「久しぶりに映画に参加して懐かしかったし、呼んでもらってうれしかった」とほほ笑んだ。
長女役の木竜は、満席の観客を見渡し「今見ている景色が素敵なので、また皆で作ってこういう景色が見たい」と提案。すると、団塚監督が「期待していただいているので、新しい映画をいい形で届けたい。また皆と一緒にできるよう、頑張っていきたい」と決意を新たにしていた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
【動画】映画『見はらし世代』本予告
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