『死霊館 最後の儀式』マイケル・チャベス監督、豪華カメオ出演の経緯とシリーズ完結の心境を明かす「これが理想の幕引き」
※本記事は映画『死霊館 最後の儀式』のネタバレを含みます。
『死霊館』シリーズ4作目にして最終作と銘打たれた『死霊館 最後の儀式』は、全世界で約5億ドル(約739億円)というシリーズ最高の興行収入を記録した。
同作は、パトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガ演じる心霊研究家のウォーレン夫妻から次世代へ、バトンを渡す作品だった印象を受ける。同作は、夫妻の娘ジュディ(演:ミア・トムリンソン)とその恋人トニー・スペラ(演:ベン・ハーディ)の結婚式のシーンで幕を閉じた。この結婚式にはシリーズおなじみの顔ぶれが数多く登場する。
例えば、シリーズ第1作『死霊館』(2013年)のキャロリン・ペロン(演:リリ・テイラー)とシンディ・ペロン(演:マッケンジー・フォイ)が再登場したほか、第1作で監督を務めたジェームズ・ワン(『死霊館 最後の儀式』では脚本・製作として参加)もカメオ出演している。
『死霊館 最後の儀式』で監督を務めたマイケル・チャベスは米『ハリウッド・リポーター』のインタビューで、同作の裏話や「死霊館ユニバース」10作目が製作される可能性を語った。
『死霊館』は本当に完結?チャベス監督が決断の理由を語る
――『死霊館 最後の儀式』は全世界で約5億ドルという大ヒットを記録を達成しましたが、本当にシリーズ最後の作品になるのですか?
本当に完結です。もう『死霊館』シリーズの映画は制作しません(笑)。
――そもそも、どのような経緯で完結という決断に至ったのでしょうか?
「私たちの理想通りの幕引きを迎えたい」という思いから決断しました。私は『エルム街の悪夢』シリーズが大好きですが、あの作品は限界まで引き延ばされた印象でした。だから『死霊館 最後の儀式』は、シリーズの締めくくりにふさわしく、全てをまとめる最終章にしたいと思ったのです。
今回、私が何度も参考にした作品の一つが『LOGAN/ローガン』でした。あらゆる悪役がウルヴァリンに襲いかかるといった、よくある壮大なスケールの映画ではないところが気に入っています。この作品は、ウルヴァリン史上最も「個人的」な物語で、とても美しい最終章になっています。
――シリーズの今後は現時点で未定と報じられていますが、どのような形にせよ、もしシリーズが続けば参加したいと思いますか?
今後がどうなるかは分かりません。本当にすばらしいシリーズで、その一部になれたことを光栄に思います。ですから、また呼んでいただけたら嬉しいです。
――ジュディ役のミア・トムリンソンとトニー役のベン・ハーディは、シリーズの将来も見据えてキャスティングしたのでしょうか?
2人を選んだ理由は、とにかく最高の俳優を集めたかったからです。よくニュー・ライン・シネマのスタッフが「続編を作りたいなら、にかく最高の映画を作り、続編が観たいと観客に思わせること」と言うんです。ですから、可能な限り最高の俳優をキャスティングしました。

豪華カメオ出演の経緯が明らかに――「シリーズ全員に出てほしかった」
――『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021年)はコロナ禍の影響により劇場とストリーミング配信で同時公開となりましたが、興行収入は非常に好調でした。当時、劇場独占公開だったらどうなっていただろうと考えましたか?
いえ、全く考えません。このシリーズの制作は以前から大変だった上、コロナ禍の影響で(注:再撮影が延期され)公開自体が危ぶまれる状況でした。そんな中でのヒットは信じがたく、心の底から安心しました。パンデミックは映画業界に大きな影響を与え、今でも余波を感じていますが、あの状況下ではすばらしい成績だったと思います。
――『死霊館のシスター 呪いの秘密』(2023年)について、以前「修道女アイリーン(演:タイッサ・ファーミガ)の幻覚の中でロレイン(演:ヴェラ・ファーミガ)の目が光ったのは、2人の血が繋がっている証拠だ」とおっしゃっていました。あの時点で『死霊館 最後の儀式』で2人を結び付けようと考えていたのですか?
『死霊館のシスター 呪いの秘密』のストーリー上では、あの演出が限界でした。『死霊館 最後の儀式』はエドとロレイン、娘のジュディとの関係に焦点を当てていたので、長い間離れていた親戚であるアイリーンはストーリーに合わなかったのです。もしアイリーンを登場させるとなれば、話が広がりすぎてしまいます。
タイッサに『結婚式に少しだけカメオ出演してほしい』と連絡したのですが、スケジュールの都合で実現しませんでした。しかし、いずれはファーミガ家の全員と仕事をしたいと思っています(注:タイッサはヴェラの妹)。

――第1作『死霊館』に出演したジョーイ・キングやロン・リヴィングストンにもカメオ出演をオファーしましたか?
彼女たちにも相談しましたが、私たちはイギリスで撮影しており、スケジュールが合わず叶いませんでした。正直に言うと、あの結婚式のシーンにはこれまで『死霊館』シリーズに出演した全員を登場させたかったんです。
インスピレーションの源は「写真」
――チャベスさんの長編デビュー作『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(2019年)の続編が制作されるという連絡は受けましたか?
はい。続編の関係者は全員知り合いなので、非常にワクワクしています。
――数年前、チャベスさんは「映画からのインスピレーションにあまり頼らず、写真など他の情報源を頼るようにしている」とおっしゃっていました。今でも同じ考えですか?
はい。映画だけではなく、現実の世界を参考にしているんです。あまり有名ではない写真家からもすばらしいインスピレーションを受けることがあるので、私は写真を参考にしようと意識しています。特に「ShotDeck」というサイトを利用しています。さまざまな名作映画の画像が掲載されており、アイデアを得るのに最適です。『死霊館のシスター 呪いの秘密』は1950年代のストリート写真からインスパイアされています。
この業界の人はみんな映画好きなので、「あの映画みたいだ」とリアクションするのは自然なことです。しかし写真資料によって、映画製作がよりブラッシュアップされたと実感しています。
『死霊館 最後の儀式』は現在、全国の劇場で公開中だ。
※為替レートは2025年10月28日時点の数値で換算しています。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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