吉永小百合『てっぺんの向こうにあなたがいる』公開に安堵「前日は毎回胸がドキドキ」
 
		俳優の吉永小百合が31日、主演映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』の初日舞台挨拶を東京・TOHOシネマズ新宿で行った。
女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した田部井淳子さんの半生と、苦楽を共にした家族の物語。偉業から50年の節目で、全国363館で公開された。

吉永は共演の佐藤浩市、天海祐希、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずき、阪本順治監督とともに登壇。この日の東京は雨模様で、「大変な思いをして来ていただき、とてもうれしい。昔は初日の挨拶などはなく、こういう舞台に立つようになってから毎回、前日は胸がドキドキしています」と、満席の会場に安堵の笑みを浮かべた。
吉永の夫役を演じた佐藤は、「何度がご一緒したことはあるが、まさか夫婦を演じる日が来るとは思ってもみなかった。亡き(父の)三國(連太郎さん)も思っていなかったでしょう」と照れながらもうれしそう。『最高の人生の見つけ方』(2019年)以来の共演となった天海は、「偉大な女性を偉大な女性が演じる。私が憧れの人を見るまな差しを撮ってもらった映画です」と喜びを語った。

タイトルに関連して「自身にとって、てっぺんの向こうにあるもの」というお題に対し、佐藤は「てっぺん」と重ね「45年この世界でやってきて、そこそこ登ったと思って景色を見るとその先にてっぺんがある。いくら歩めど頂きに行けないのがこの世界」と強調。天海も「自分」と記し、「どこまで行っても自分との闘い。いかに自分に才能がないかにぶつかる」と自らに言い聞かせるように語った。
2人の回答に吉永は、「本当にそうです。毎回ダメだと思って、次はよくなるだろうという思いがあるから続けられる」と同意。自身は「観客の皆さま」としたため、「全国で初日に見てくださっていると思うとありがたい。若い方が見てもとても楽しい映画ですし、私世代もこれからも生きていこうと思える映画です」とアピール。映画出演124本目でも、常に映画ファンに支えられてきたという大俳優の矜持をのぞかせた。

取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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