ロブ・ライナーの息子ニック容疑者、過去に暴走行為や家族問題について告白 ――「コカインによる心臓発作」も経験
映画監督のロブ・ライナー夫妻を殺害したとして逮捕された息子のニック・ライナー容疑者が、過去に飲酒・薬物にまつわる自身の問題や、家族の反応について語っていたことが明らかになった。
▼2018年に明かしていた薬物依存と家庭内トラブル
ニック・ライナー容疑者は2018年、依存症をテーマにした米ポッドキャスト番組『Dopey』に出演し、コカインなどの興奮剤で「ハイになっていた」状態で暴走し、自身が閉じこもっていた家族の敷地内にあるゲストハウスを破壊したことがあると認めている。
「ゲストハウスにあったものは、ほとんど全部壊してしまった」と明かしたニック容疑者によると、暴走の直前には、両親から「敷地を出て行け」という最後通告を突きつけられていたという。自身は最後通告に至った出来事の詳細はほとんど覚えておらず、ただその時は「完全におかしくなっていた」と付け加えた。
▼回復と再発を繰り返した過去 ―― 家族の介入中に起きた緊急事態
ニック容疑者は同番組内で回復と再発を繰り返す波乱万丈の道のりを率直に語っており、本人によると過去に約20か所もの施設に入所した経験があるという。依存症や家族関係といったテーマは、ニック容疑者が共同脚本を手がけ、父ロブ・ライナーが監督を務めた2014年の映画『ビーイング・チャーリー』でも描かれている。
ポッドキャスト番組出演の約1年半前には「再びドラッグや他のものに手を出していた」時期があり、結果的に「コカインによる心臓発作」を起こしたとも明かしている。体調急変は、家族が自身に治療を受けさせようと介入していた最中に起き、飛行機の中で意識を失ったという。その後、デトックス施設で治療を受け、さらにメイン州の回復者向け共同生活施設に移った。
▼回復施設での生活と帰郷への強い願望
「ただ家から離れたくなかったし、家に戻りたかっただけなんだ。マリファナを吸ったり、少し薬を飲んだり、好き勝手にしていた、あの昔の生活に戻りたかった。メイン州でそれを始めたら、うまくやれないってわかってた。1回でも吸ったり、1錠でも薬を飲んだら、すぐ治療に送られるって知ってたから。実際、そこで多くの若い連中がそうなるのを見てきた。だから、ある意味で賢くやったんだ。家に帰れるまで、必要な期間だけシラフでい続けた」
再び家に戻れることにワクワクしていたとも語り、兄のジェイクも同じタイミングで故郷に戻ってきたことを「かなり良かった」と振り返っている。番組の最後にリスナーへのメッセージを求められると、ニック容疑者は「特に言うことはない。みんな、使うなら使えばいいし、使わないなら使わないで、まあ、好きにしてくれ」と語った。
現地時間12月14日、映画『スタンド・バイ・ミー』や『恋人たちの予感』、『ミザリー』といった名作を手がけたロブ・ライナー監督と妻が米ロサンゼルスの自宅で死亡しているのが発見された。捜査関係者によれば、2人の遺体には「刃物によるものと一致する裂傷」が確認されているという。ロス市警は事件翌日、ロブ・ライナー夫妻の殺害容疑で息子のニック容疑者を逮捕したと発表した。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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