タランティーノのNワード使用に再び批判 ロザンナ・アークエット「人種差別的で不気味」
映画『パルプ・フィクション』に出演した俳優ロザンナ・アークエットが、クエンティン・タランティーノ監督作品におけるNワードの使用を強く批判した。英紙『The Times』のインタビューでアークエットは、同作を「象徴的ですばらしい映画」と評価しつつも、監督が作品内でこの言葉を使い続けていることに強い違和感を示した。
ロザンナ・アークエット、タランティーノ作品のNワード使用を批判
アークエットはインタビューの中で、『パルプ・フィクション』について「多くの面で象徴的ですばらしい作品」と評価。その一方で、タランティーノ作品で頻繁に使われるNワードに対しては否定的な立場を示した。
彼女は「私はこの言葉の使用にはもううんざりしている。大嫌いだ」と語り、「タランティーノがこの言葉を使うことを許されている“特別扱い”のような状況があると思う」と指摘した。さらに「それは芸術ではない。単に人種差別的で不気味なだけだ」と批判している。
アークエットは『パルプ・フィクション』で、エリック・ストルツ演じるランスの妻役を演じていた。
『ジャンゴ 繋がれざる者』をめぐる議論
タランティーノ作品におけるNワードの使用は、これまでも度々議論の対象となってきた。特に2012年公開の『ジャンゴ 繋がれざる者』では、その表現が大きな論争を呼んだ。
同作は奴隷として生きる黒人男性ジャンゴの復讐を描いた作品で、主演はジェイミー・フォックス。作中では黒人・白人双方の登場人物によってNワードが110回以上使用されているとされる。
この表現については、映画『マルコムX』の監督として知られるスパイク・リーも2012年に批判。米音楽誌『Vibe』のインタビューで「私の祖先に対する侮辱だ」と語り、タランティーノの作品における“過度なNワードの使用”に問題意識を示した。
リーは当時、「彼がその言葉を使うべきではないと言っているわけではない。私自身も自分の映画で使ったことがある。しかし、彼の使い方には問題があると思う」とコメントしている。
タランティーノ監督は批判に反論
一方、タランティーノ監督はこれらの批判に対し、自身の創作姿勢を貫く姿勢を示している。
2013年のゴールデングローブ賞授賞式で『ジャンゴ 繋がれざる者』の脚本賞を受賞した際、記者からの批判について問われた監督は、「登場人物に関して言葉を和らげたり、事実を歪めたりすることはしない」と説明した。
また映画公開前のインタビューでは、「これまで私に向けられた社会的批判が、脚本の言葉や物語の内容を変えたことは一度もない」と語り、「自分の作品を心から信じている。それが私の仕事であり、批判は無視する」と述べている。
なお『ジャンゴ 繋がれざる者』は第85回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、クリストフ・ヴァルツが助演男優賞を受賞。タランティーノ監督も脚本賞を獲得し、自身2度目のオスカー受賞を果たした。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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