カニエ・ウェスト、安藤忠雄設計の豪邸改装で裁判 元作業員に約2,200万円の支払い命令
ラッパーで実業家のカニエ・ウェスト(Ye)が、米カリフォルニア州マリブの豪邸改装を巡る労働訴訟で、元作業員に14万ドル(約2,200万円)の支払いを命じられた。ロサンゼルス上級裁判所の陪審は、双方の主張の一部を認める「一部認容の判決」を下した。
裁判は約2週間にわたり審理され、陪審は作業中に負った負傷に関する損害を認めた一方、不当解雇などの主張については認定しなかった。
マリブ豪邸改装を巡る裁判
今回の裁判は、ウェストが購入したマリブの豪邸の改装工事を巡る労働トラブルが発端となった。
訴えを起こしたトニー・サクソンは、自身を「バンを所有する便利屋のような存在」と説明していたが、ウェストの依頼で物件の改装作業に従事。工事中に負傷し、医療費などを含め約170万ドル(約2億7,000万円)の損害賠償を求めていた。
陪審は、サクソンの医療費などとして10万ドル(約1,600万円)、過去の精神的苦痛に対する補償として4万ドル(約640万円)を認定。合計14万ドル(約2,200万円)の支払いを命じた。
一方で、将来の苦痛に対する補償や懲罰的損害賠償は認められず、サクソンが不当に解雇されたとの主張も退けられた。また陪審は、ウェスト側に「悪意や抑圧、詐欺行為」はなかったと判断した。
安藤忠雄設計の豪邸、改装は頓挫
問題となった邸宅は、日本の建築家・安藤忠雄が設計したことで知られるマリブの高級住宅。
延べ床面積約4,000平方フィート(約370平方メートル)、4ベッドルームを備える物件だが、改装工事は途中で頓挫。建物は「コンクリートの骨組み」の状態となり、現在は窓やドア、電気設備、配管などがない状態とされている。
ウェストはこの住宅を自給自足型の「オフグリッド住宅」に改装する構想を持っていたとされ、階段を滑り台に置き換えるといった独特の設計案も検討されていたという。
サクソンは訴訟の中で、工事の安全性に懸念を示した後に解雇されたと主張していた。
裁判はなお継続へ
ウェスト側の代理人ミロ・ヤノプルスは声明で、「陪審は原告の主張の大半を退けた」と強調。未払い賃金や残業代、報復行為などの請求は認められなかったと指摘した。
一方、サクソン側の弁護士は賠償額について「期待より少ない」としながらも、陪審がサクソンを従業員として認めた点を評価。弁護士費用などを含めれば最終的な判決額は100万ドル(約1億6,000万円)を超える可能性があるとしている。
この問題を巡る法廷闘争は、今後も続く見通しだ。ウェストは別の訴訟で、サクソンが2024年にこの物件に設定した「メカニックズ・リーエン(工事代金の担保権)」が不当だったとして提訴。
この権利設定や弁護士側の広報活動が物件売却を妨げたと主張しており、マリブの豪邸を巡る争いは今後も法廷で続くことになりそうだ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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