DC映画『クレイフェイス』トム・リース・ハリーズ、ボディホラーの難役を勝ち取るまでの過酷なオーディション
DCスタジオの新作映画『クレイフェイス』で主演を務めるトム・リース・ハリーズは、主人公マット・ヘイゲン役を獲得するまでに、約3カ月にわたるオーディションと2回の長時間のスクリーンテストに臨んだ。ジェームズ・ワトキンス監督は、ボディホラーという特殊なジャンルで物語を背負う俳優を見極めるため、徹底的に演技を確かめたという。
ジェームズ・ワトキンス監督、トム・リース・ハリーズの可能性を見極めるため徹底的にオーディション
ワトキンス監督は、米ロサンゼルスのハリウッド・リージョン・シアターで開催されたワールドプレミアで、ハリーズを主演に起用するまでの経緯を語った。
複数の俳優を候補に挙げるなか、ハリーズには特別な魅力を感じたという。しかし、監督はハリーズの持つ可能性をさらに引き出そうと、時間をかけて役柄への理解を深めていった。
「彼には何か特別なものがあると感じましたが、それをもっと掘り下げたかった。そこで、時間をかけて一緒に探っていきました」とワトキンス監督は振り返る。
さらに、「これほど何度もオーディションをした俳優は、これまでいなかったと思います」と明かした。
監督にとって、オーディションは単に俳優の演技力を確かめる場ではなかった。ハリーズとともにキャラクターへの理解を深め、物語の中心となる人物をどのように描くべきかを探るプロセスでもあった。
トム・リース・ハリーズ、3カ月のオーディションを前向きに受け止める
一方、ハリーズ自身は長期にわたるオーディションを前向きに受け止めていた。
選考は約3カ月に及び、ワトキンス監督との長時間にわたるスクリーンテストも2回行われたという。
「このジャンルではまだ経験が浅かったので、監督が時間をかけて一緒に取り組んでくれたことはありがたかったです。撮影に入る前に、役について十分に試行錯誤する時間を持てましたから」とハリーズは語った。
本作でハリーズが演じるのは、ギャングのボスが関与した襲撃によって顔に深刻な損傷を負ったハリウッド俳優のマット・ヘイゲン。元の容姿を取り戻すために最先端の治療を受けるが、治療の影響で現実を認識する力が揺らぎ始め、復讐へと駆り立てられていく。
主人公が変貌していく過程で、観客が彼の苦悩や葛藤に共感できるかどうかも、作品の重要なポイントとなる。
ハリーズは、映画やテレビシリーズで経験を積んできた俳優だ。今回は、身体的な変化と複雑な感情の両方を表現する難しい役どころに挑んでいる。
共演のナオミ・アッキーも主演俳優の演技を称賛
マット・ヘイゲンの実験的な治療に関わる科学者ケイトリン・コアを演じるナオミ・アッキーも、ハリーズの仕事ぶりを高く評価した。
「彼は本当にすばらしいです。努力家ですし、現場には大きな熱意を持ってやって来る。それでいて、軽やかさもあります」とアッキーは語る。
さらに、ハリーズが演じる役の難しさについて、次のように説明した。
「彼は何度も姿を変え、変身を繰り返さなければなりません。その間ずっと感情の流れを保ち、観客に彼を好きになってもらい、彼の成功を願ってもらう必要があります。それを、細部まで丁寧に気を配りながら、見事にやり遂げていました」
アッキーは、ロバート・パティンソン主演の映画『ミッキー17』でも共演経験がある。
マット・ヘイゲンの悲劇を描く『クレイフェイス』
プロデューサーのリン・ハリスは、本作の核にあるのは、怪物へと変貌する人物を単純な悪役として描くのではなく、彼の視点からその悲劇を見つめることだと説明する。ハリスは、マット・リーヴスとともに本作をプロデュースしている。
「マット・ヘイゲンの視点から物語を描き、あるひとりの人間に対して共感を抱けるようにすることが狙いでした。彼はごく普通の人間ですが、人生を永遠に変えてしまう、取り返しのつかない選択をしてしまう。その物語を、非常に地に足のついた感情表現で描くことは、私にとってもマットにとっても刺激的な挑戦でした」とハリスは語った。
本作は、マイク・フラナガンが企画を提案し、脚本の初稿を執筆した作品だ。その後、ホセイン・アミニが脚本を改稿し、ワトキンス監督がメガホンを取ることになった。
ハリーズも、ワトキンス監督が作品に加わったことで、物語の本質が明確になったと感じている。
「ワトキンス監督はすばらしい視点を持ち込んでくれました。私たちと同じように、現実味があり、感情に訴えかける、キャラクターを中心とした物語として捉えていました。彼は、このキャラクターが抱える悲劇の核心を理解していたのだと思います」とハリーズは話した。
ワトキンス監督が語る『クレイフェイス』の見どころ
ワトキンス監督は、本作について、ホラーだけでなく、人間ドラマやユーモアも盛り込んだ作品だと説明する。
「ジェットコースターのような体験になるでしょう。ホラー要素も、心に響く部分も、ユーモアもたっぷりあります。あらゆる要素が詰まった作品です」と監督は語った。
また、監督が目指したのは、単に観客を驚かせるだけのホラーではないという。
「私は、人の心に深く入り込むホラーが好きです。ジャンプスケアや機械的な仕掛けだけに頼るものではなく、共感できる恐怖を描いた作品が好きなのです」
そのうえで、身体が自分の思いどおりにならなくなることへの恐怖こそ、誰もが共感できる題材だと指摘した。
「自分の身体に何が起こるのか。あるいは、身体が自分の思いどおりにならなくなるのではないか。そうした恐怖ほど、身近なものはないのではないでしょうか」
最後に、ハリーズは撮影で最も苦労したシーンについても言及。映画の終盤、粘着質の物質にまみれて横たわる場面が特に大変だったと明かした。
「本当に大変でした。体力的にも限界に近かったです。でも、その経験が演技に生かされていたらうれしいですね」と振り返った。
DCスタジオの新作映画『クレイフェイス』は、2026年10月23日に全米公開される予定だ(日本公開は10月30日)。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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