ロブ・ライナー監督殺害事件、息子ニック被告は信託資金約2.4億円を受け取れるか――12月に調停人が判断へ
『スタンド・バイ・ミー』(1986年)などで知られる映画監督のロブ・ライナーと妻ミシェル・ライナーを殺害した容疑で起訴された、息子のニック・ライナー被告。この裁判をめぐっては、両親が残した150万ドル(約2.4億円)の信託財産を引き出せるかどうかが一つの争点となっている。
信託の受託者側の弁護士は「殺人者法」に基づき、ライナー被告は信託資金を受け取ることができないと主張している。同法は、殺害した相手から財産を相続することを禁じるものだ。
今回、ライナー被告の弁護士と信託の受託者側の弁護士が合意し、この信託財産の引き出しについて、調停人が判断することになった。調停は12月に開始される予定だ。
これにより、ライナー被告側が、著名な刑事弁護士アラン・ジャクソン氏を再雇用する可能性が高まった。ジャクソン氏は、ハーヴェイ・ワインスタインの性的暴行事件の裁判やカレン・リードの殺人裁判などを担当したことで知られる。ライナー被告の弁護も担当していたが、被告の資金面の制約によって、同事件から手を引いていた。
ライナー被告の弁護士であるアニタ・ウー氏は、「刑事事件の被告は、自分自身の資金を使い、自ら選んだ弁護士に弁護してもらう憲法上の権利がある」と述べ、「これらの問題は、可能な限り早く解決されるべきだ」と訴えた。
ライナー被告は今年2月、両親殺害の罪について無罪を主張して以来、保釈を認められず勾留されている。ライナー被告は、複数の殺人に関する特別事情付きの第一級殺人罪2件で起訴された。有罪となった場合、最高刑として、仮釈放のない終身刑が科される可能性がある。ロサンゼルス郡地方検事局は、ライナー被告のきょうだいと協議したうえで、死刑を求刑しない方針を明らかにしている。
信託資金の引き出しの判断にあたり、ライナー被告に「殺人者法」が適用されるかどうかについては、いくつかの争点がある。まず、被告がまだ有罪判決を受けていない段階で、同法が適用されるのかという点だ。
また、信託資金の半分にあたる55万8,000ドル(約8,700万円)は、被告が30歳を迎えた2023年に支払われるはずだったため、「その時点でライナー被告個人の財産になっていたのではないか」という点も疑問視されている。残りの半分の資金は、ライナー被告が35歳になった時点で支払われることになっている。
この信託資金は現在、信託資金に関する裁判を含む、訴訟の弁護士費用に充てられている。裁判所に提出された書類によると、受託者側はこれまでに弁護士費用として25万ドル(約3,900万円)以上を支払っている。
ウー氏はこうした状況について、「筋が通らず、誰の利益にもならない」と述べている。
さらに、ライナー被告の弁護団が提出した書類によれば、争いの対象となっている信託資金の少なくとも32万5,000ドル(約5,100万円)は、ライナー被告の祖父で2020年に亡くなったカール・ライナー氏が残した資金だという。そのため、「祖父から受け取った資金はニック個人のものであり、この信託から切り離して引き渡されるべきである」と、弁護団は主張している。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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