テイラー・スウィフト、最新アルバム『The Tortured Poets Department』で失恋を赤裸々に語る
テイラー・スウィフトが金曜、11枚目となるアルバム『The Tortured Poets Department』をリリース。
スウィフトが自身の失恋を赤裸々にした、まるで彼女の日記を読んでいるような本作の内容と考察を紹介しよう。
テイラー・スウィフト、唯一無二の作詞家
「The Smallest Man Who Ever Lived」と題された14曲目。
タイトルではわからない曲の本質を、彼女の綴った歌詞が掘り下げていく。
「私の死を望む誰かに送り込まれたの?/ベッドの下に拳銃を隠して寝ていた?」
「何を企んでいたの?/もしかして、あなたはスパイ?」
「50年後、この秘密は全て明かされる?」
・・・・
「あなたの罪のために死のうとしたの/代わりに、私の内側が死んでしまった」
「あなたは監獄に閉じ込められるべき/なのに罰を与えられない」
・・・・
作詞はテイラー・スウィフトの専門と言って良いだろう。
アルバムを通して、作詞の才能を輝かせるスウィフト。
胸を打つ正直さで失恋の本質を捉え、混乱や感情を生き生きと描いている。
自身の全てをさらけ出した作品
「I Can Do It With a Broken Heart」や「So Long, London」など、複雑な感情を深く掘り下げた曲が、ファンの心に突き刺さることは間違い無いだろう。
新アルバム「The Tortured Poet Department」(訳:悩める詩人たちの部門)は、卓越したストーリー性が特徴だ。
スウィフトの11枚目のアルバムとなる本作では、自身の全てをさらけ出している。
まるで、彼女の日記を1ページずつめくっているような気持ちにさせる作品だ。
彼女は強烈な感情をFワードで表し、泣きながら歌い、失恋によって陥った“鬱”まで歌詞にしている。
また、苦しみを“死”に例えるほどの精神状態を歌った曲も複数ある。
ジョー・アルウィンとの破局、新しい恋と別れ
共同制作者でもあった、元恋人のジョー・アルウィンと、6年間の交際に終止符を打ったスウィフト。
彼との別れがアルバムの中心的なテーマとなっている。
一部の曲では二人の関係の終わりと、それがもたらした痛みや苦しみが示唆されている。
一方で、他の曲では鬱や自己発見のテーマも掘り下げられている。
さらに、冒頭で紹介した「The Smallest Man Who Ever Lived」は、アーウィンとの関係についてではないようだ。
彼との破局後にデートが噂されていたThe 1975のボーカル、マッティー・ヒーリーのことではないか、という見解も多く見られる。
アルバムとストーリーテリング
全31曲を収録したデラックス版「The Tortured Poet Department: The Anthology」では、さらに多くのストーリーが物語られる。
歌詞に生々しい感情が存在するにもかかわらず、彼女のストーリーテリングは魅力的であり、一節ごとにリスナーを彼女の世界に引き込む。
また、フローレンス・ウェルチやポスト・マローンなど、注目すべきコラボレーションも含まれている。
今作には「実験的な要素」が欠けていると感じる人もいるかもしれないが、経験と感情を元にした歌詞を中心に据えることがスウィフトの意図だったのは明らかだ。
テイラー・スウィフトのアーティストとしての進化を示す作品になっていて、 彼女が現代音楽において「最も影響力のある歌手」であることを確固たるものにしている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
編集・翻訳:The Hollywood Reporter Japan 山口 京香 / Kai Yamaguchi
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