『Eephus』:野球の「瞑想的」な魅力を描いた哀歌

Cannes Hidden Gem: 'Eephus' Covers Baseball
『Eephus』より 写真:OMNES FILMS
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カーソン・ランド監督の長編デビュー作『Eephus』は、ニューイングランドの社会人野球チームに所属する年配の男性たちが、愛着のあるホームグラウンドで最後の試合を行う物語だ。

映画監督のカーソン・ランドは、カンヌ国際映画祭の監督週間で初公開された『Eephus』で監督デビューを果たした。Film Constellationが全世界配給を行うこの作品は、ニューイングランドの社会人野球チームが、フィールドの取り壊し前の最後の試合を行う様子を追っている。ランド監督の手法は、主人公の変容ではなく、野球のリズムに着目している点で、典型的な野球映画とは一線を画している。自身の野球経験からインスピレーションを得たランド監督は、この競技を特徴づける瞑想的なペースと突然の動きを捉えることを目指し、物語の中で年老いた男性たちの危機の瞬間を映し出している。

この映画は、マサチューセッツ州ダグラスにある歴史を感じさせる木製のブリーチャーを備えた老朽化した野球場を舞台に、全編が撮影されている。キャスティングはリモートで行われ、ニューイングランドの地元色を重視した。キャストには、元レッドソックスの投手ビル・”スペースマン”・リーや、長年レッドソックスのラジオアナウンサーを務めたジョー・キャスティリオーネらが名を連ねている。ランド監督のビジュアルスタイルは、ジョン・フォードのウェスタン映画の影響を受けており、1日を通して継続性を保つためにマスターショットと自然光を活用している。野球を舞台にしているにもかかわらず、ランド監督は『Eephus』がある時代と場所を舞台にしたヒューマニストのキャラクター・スタディであり、すべての観客にとってアクセスしやすいものだと強調している。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。

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