コリーン・フーヴァー、小説『It Ends With Us』の映画化について語る

Colleen Hoover
コリーン・フーヴァー 写真:Cindy Ord/Getty Images
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コリーン・フーヴァーにとって、約10年前に書いた自身の物語(小説『It Ends With Us』)が映画化されるのは、彼女の想像を超える出来事だった。

ジャスティン・バルドーニ監督によるこの映画は、ブレイク・ライヴリーがリリー役を演じ、バルドーニがライル役、ブランドン・スケルナーがアトラス役を演じている。映画は彼女の2016年のベストセラーを原作としており、後にTikTokで話題になった。物語は、トラウマを抱えた幼少期を乗り越え、新たな人生を歩むリリーを描いている。しかし、脳外科医ライルと恋愛関係になると、彼の中に両親の虐待的な関係を思い出させる側面が見え、リリーは前に進むために自身の強さに頼らなければならなかった。

小説を映画化する過程について、フーヴァーは「圧倒される」こともあったとしているが、完成品を目にした時は「夢のよう」だったと言う。著者として、いくつかのシーンでは感情が高ぶる瞬間もあったそうだ。

「すべての感情が入り混じっています」と彼女は今月初めにThe Hollywood Reporterのインタビューで語っている(このインタビューが行われたのは、バルドーニとライヴリーの間に不和があるとの噂が広まる前のことです)。「本と映画はまったく別物として捉えていますが、それでも、この本を映画に凝縮するという作業を彼らが非常にうまくやってくれたと思いますし、このアダプテーションにはとても満足しています」

この小説と映画は、家庭内暴力の描写や、登場人物が映画では年齢を上げられていることなど、いくつかの批判にも直面した。

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しかし、フーヴァーは、実際にはこの映画が小説の中で自分が犯したと思っていた過ちを修正する機会を与えてくれたと指摘。本を書いた当時、20代のキャラクターに焦点を当てるようプレッシャーを感じていたため、それが流行だったと説明している。

「映画は、私が本で犯したと感じた過ちを修正する方法だったと感じています。特に、彼らの10代と大人の時代を比較する場合、より多くの時間が経過し、成熟するための時間が必要です。だから、映画の方がうまくいっていると思います」とフーヴァは語る。

以下では、映画をめぐるファンの議論に対する反応、ライヴリーやバルドーニとの仕事の様子、最も感情的になったシーン、そして観客が映画版から何を感じ取ってほしいかなどについて語っている。

──── 振り返ってみて、最初に思い浮かぶお気に入りの現場での瞬間はありますか?

撮影初日、現場に足を踏み入れた瞬間が一番印象に残っています。これを映画にするために関わっている多くの人々を目にして、本当に圧倒されました。皆それぞれ自分の仕事を持っていて、約200人もの人々が忙しく動き回っていました。それを実際に目にするまで、これがどれほど大規模なプロジェクトなのか理解していなかったと思います。

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──── ファンがどの俳優にキャラクターを演じてほしいかについて、ネット上で多くの議論があったことは知っています。キャスティングにはどの程度関与していましたか?

誰の手柄も奪うつもりはありません。私はキャスティングにはそれほど関与していませんでした。実際、彼らが「ブレイクがリリーを演じることになった」と私に伝えに来てくれたんです。私はブレイク・ライヴリーの大ファンなので、大興奮しました。でも、もし実現しなかったらどうしようと思って、興奮を抑えました。そして、他の人たちの反応を見て、Facebookではほとんどが私と同じ年齢の読者で、彼らは皆ブレイク・ライヴリーに大興奮していました。一方で、Z世代の人々は20代前半の俳優を望んでいたので、そこには多くの意見のやり取りがありました。

──── 以前、原作では登場人物の年齢設定が間違っていたと感じたので、登場人物をもっと年上にしたいというのを読んだのですが、映画化でそれを修正できたと知って、どう思いましたか?

それを修正できたことにとても満足しています。本を書いた時期には「ニューアダルト」というジャンルが大きな人気を誇っていて、キャラクターは20代前半、大学生の年齢でした。それを書くように契約されていたので、その時期に書いたすべての小説の登場人物は皆、20代前半から後半でした。なので、この小説を書いているときも、彼らの年齢について少し違和感を感じていて、「もう少し年齢を上げればよかったのに」と思っていましたが、それを変えることはできませんでした。ですから、この映画は、私が小説で犯したと感じた過ちを修正する方法だと感じました。特に、10代と大人の時代を比較すると、間にもっと時間が必要で、成熟する時間が求められます。だからこそ、映画の方がうまくいっていると思います。

──── 著者として、自分の物語が新しい媒体で描かれるのを見て、何か新たな発見はありましたか?

どうでしょうかね。ただ、この過程を本当に楽しんでいて、ずっと驚かされてきました。最初は、変更に対してもっと居心地が悪く感じたり、小説を守りたいという気持ちが強くなるのではと思っていたんですが、とても協力的な進行だったので、変更が必要なことをすべて理解でき、必要な変更には賛成できました。だからこそ、もし何か発見があるとすれば、それはこの過程をどれだけ楽しんだか、そして何に対してもほとんど抵抗感を感じなかったことに驚いたということでしょうか。

──── ライヴリーがリリーを一番リアルに演じるために、どのような会話を交わしましたか?

正直なところ、彼女が撮影を始める前に彼女と会話することはありませんでした。撮影が始まった後に私たちはお互いを知るようになり、彼女には本当に才能と能力があると感じました。彼女がリリーのキャラクターをよりよく演じるために私が何かアドバイスを与えられたかどうかはわかりません。それほど彼女は素晴らしい仕事をしてくれました。

──── 撮影中、特にバルドーニが監督として、またライル役を演じるにあたって、どのくらいコミュニケーションを取っていましたか?

私たちはかなり頻繁にコミュニケーションを取っていました。彼はスケジュールや撮影の進行状況など、すべてのことについて私を常に最新の情報でフォローしてくれて、とても良かったです。そして、彼らが脚本を手に入れたとき、読者を巻き込むことを望んでいました。読者の意見を得ることは、おそらく彼が下した最良の決断だったと思います。この映画を誰よりも愛してほしいのは、まさにこの小説を今の姿にしてくれた読者だからです。この作品全体が素晴らしくて、心血を注いでくれたすべての人に本当に感謝しています。

──── 作品の宣伝をしながら、家庭内暴力の描写をめぐる批判にどう対処していますか?また、批判に対して何か反応はありますか?

特に対処はしていません。読者には、自分が読んだ本について自由に感じてもらいたいと思っています。その点にあまり深入りしたくはありません。これは難しいテーマであり、そういった内容を読むのが好きでないのであれば、おそらくこの小説や映画は合わないでしょう。個人的には、この小説がどれだけ支持を得て成功したかを見て、それに焦点を当てています。この小説を愛し、この映画がその価値を正当に評価されることを望む読者に、私はエネルギーを注いでいます。

──── 映画を実際に観たとき、予想していなかったけれど個人的に心を打たれた特定の瞬間はありましたか?

アリッサとリリーの関係です。本でも大好きだったのですが、ジェニー・スレイトが本当に大好きで、彼女とライヴリーがこの二人のキャラクターを見事に演じてくれたので、二人の絆が映画でしっかりと感じられました。二人が一緒に泣いているシーンでは、私もとても感情が揺さぶられました。

──── 著者としての視点から、長年共にしてきた自分の書いた物語が映像として映し出されるのを見て、どんな気持ちですか?

とても非現実的な感じがします。いろんな感情が入り混じっていますね。小説と映画を全く別のものとして捉えられるのですが、同時に、この本を見事に映画化してくれたので、この映画化作品にはとても満足しており、読者の皆さんがこれを見られることにとてもワクワクしています。

──── ライヴリーが演じるリリーの衣装についても、ネット上で多くのファンのコメントがありましたよね。数週間前に衣装デザイナーのエリック・ダマンさんとも話しましたが、この衣装に関する議論について、あなたの反応も伺いたいです。

正直なところ、楽しんでいました。というのも、ファンが小説に対してこれほど情熱を持っているということは、ある意味では褒め言葉だと感じたからです。実際、小説の中で彼女が何を着ているかなんて描写していないと思います。私はあまり細かい描写をするタイプの作家ではなく、そういった細部は私が読むときにもあまり重要ではありません。だから、たくさんの人が「リリーが着るものじゃない」と言っているのを見て、ちょっと面白かったですね。私自身が彼女を作り出したのに、彼女が何を着るべきかなんて私もわかりません(笑)。その情熱は素晴らしいと思う反面、ちょっと笑ってしまう部分もありました。でも、ブレイクはファッションアイコンであり、彼女が何をしているか理解していたので、現場でその衣装や彼女が着ている服を見たとき、キャラクターにもっと命を吹き込んでくれると思いましたし、結果として完璧に仕上がったと思います。

──── 映画の宣伝で花が非常に重要な要素になっていますが、それはリリーの花屋が本と映画の大きな部分を占めているからです。これがすべて現実のものとなったのを見て、どんな気持ちですか?

何か予定されたイベントに行くたびに、「みんな、これをいつの間にやったの?」と驚かされます。まったく信じられない感じです。映画館で他の映画を観に行ったときにも、自分の映画のために用意された花の小道具を見かけて、本当に圧倒されました。小道具チームは本当に素晴らしい仕事をしてくれたし、この映画のマーケティングもとにかくすごいと感じています。これに多大な労力とエネルギーを注いでくれたすべての人に、ただただ感謝しています。

──── 映画の中のリリーの花屋は、書いたときに想像していたものよりもずっと素晴らしかったですか?

想像以上に良かったです。小道具部門の複数の人たちのアイデアや想像力が加わり、小説に書いた内容にさらに命を吹き込んでくれたと思います。前にも言ったように、私はあまり詳細に描写するタイプの作家ではないので、他の人たちの想像力が具現化されたのを見ることができて、とても素晴らしいと思いました。現実でそれを見たときには圧倒されて、また涙が出た瞬間でした。

──── 小説のファンや、映画を見て新たにファンになるかもしれない人たちに対して、この映画からどんなことを感じ取ってほしいですか?

正直に言うと、希望を感じて帰ってもらえればと思います。この映画が小説と同じように人々を助けることを願っています。小説を読んだ後に人生で前向きな決断をしたという多くのポジティブなメッセージを受け取りましたので、映画でも同じような影響があることを期待しています。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら

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