アルフォンソ・キュアロンとケイト・ブランシェット、ベニスでApple TV+の大作シリーズ『ディスクレーマー 夏の沈黙』を初公開

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5度のアカデミー賞受賞歴を持つアルフォンソ・キュアロンが、莫大な予算がかかったストリーミング・シリーズデビュー作『ディスクレーマー 夏の沈黙』をついに公開した。7話のサイコスリラーで、オスカー受賞者のブランシェットとケヴィン・クラインが主演し、自分の深い秘密が暴露されるのを防ごうと奔走する女性の物語を描く。

同じくオスカー受賞者のケイト・ブランシェットとケヴィン・クラインが出演するこのサイコスリラーは、水曜日のイタリアのヴェネツィア国際映画祭で初のプレス向け上映が行われた。 その後、木曜日には監督とキャストたちがメディアを前に番組の制作やテーマについて語った。

全7章で構成されるアップル・スタジオのシリーズは、ルネ・ナイトの同名ベストセラー小説を原作としている。 サシャ・バロン・コーエン、コディ・スミット=マクフィー、レスリー・マンヴィル、ルイス・パートリッジ、レイラ・ジョージ、ホイヨン、そしてナレーター役のインディラ・ヴァルマがアンサンブル・キャストとして出演。

「この本を読んで、すぐに映画にしたいと思ったが、当時はどうやって映画にすればいいのかわからなかった」とキュアロンは語り、ナイトの本をシリーズ化した経緯を説明した。 「何年も経ってから、これはもっと長い形式でもいけるんじゃないかと思いついたんだ。 ファスベンダーからデヴィッド・リンチ、キエシロフスキまで、素晴らしいアーティストたちがこの形式で上手くやってきているからね。 それが出発点だったんだ。」

『ディスクレーマー 夏の沈黙』の公式にはこうある:高名なジャーナリスト、キャサリン・レイヴンズクロフト(ブランシェット)は、他人の悪事や犯罪を暴くことで名声を築いた。 ある日、無名の作家から小説を受け取ったキャサリンは、自分がその小説の主人公となり、自分の最も暗い秘密を暴いていることに気づき愕然とする。 作家の正体を暴こうと奔走するキャサリンは、自分の人生や夫ロバート(バロン・コーエン)や息子ニコラス(スミット=マクフィー)との関係が壊れる前に、自分の過去と向き合うことを余儀なくされる。

キュアロンは、この作品制作にあたっては始めからブランシェットを念頭に置いていたと語った。 「脚本を書いているときケイトはすでにそこにいた。 というのも、彼女が私の心の中にいるうえで、私がこの作品全体を考えてきたからね。」

「私は、隠してきたトラウマを抱えた女性を演じているから、抑圧された記憶や、向き合わずに避けてきたものにはどんなことが起きるのかを考えたの。それはとても辛いことであり同時に魅力的だと感じたわ」ブランシェットは語った。

このシリーズで英国人役を演じるケヴィン・クラインを起用したのは、ブランシェットのアイデアだった。「彼女は『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(クラインがアカデミー助演男優賞を受賞した1988年のヒット作)の話をしていたら突然「ケヴィン!」と言ったんだ。」キュアロンは振り返った。

クラインは、キュアロン監督に「信じられないほど良い仕事を任された」と感じ、『ローマ』の監督であるキュアロンが「それぞれの瞬間をどのように見ているのか、とても丁寧に説明してくれた」と述べた。

キュアロンは、映画的なアプローチでこのシリーズを制作したと語った。 「私はテレビの演出の仕方を知らない。 おそらく今の段階では、テレビのやり方を学ぶには遅すぎる。だから全体を通して、映画と何か違うことをやっているという感覚はなかった。 すべて映画としてやっていて、 映画のように作ったんだ。」

そのため、キャストやスタッフにとっては楽ではなかっただろうと監督は認め、彼のアプローチが長く過酷な時間を作り、撮影はほぼ丸1年に及んだことを指摘した。 キュアロン監督は、「7本の映画を作るようなものだった。あまりにも長い間、登場人物の中に閉じこもっていたので、俳優たちには本当に同情する」と語った。

このシリーズは、木曜日の夜にヴェネツィアでレッドカーペット・プレミアが行われ、ブランシェットは”裸で”上映会に出席するつもりだとジョークを飛ばした。 『ディスクレーマー 夏の沈黙』は、キュアロンがアップル・スタジオと包括的な契約を結んだ最初の番組となる。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/山中 彩果

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