ゆりやんレトリィバァ主演「極悪女王」9・19世界配信

Netflixシリーズ「極悪女王」の完成報告会が12日、東京・後楽園飯店で行われ、出演のゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽、白石和彌総監督が出席した。

1980年代の女子プロレスブームを“最恐ヒール”として牽引したダンプ松本の半生を、最大のライバルだったクラッシュギャルズ（長与千種、ライオネス飛鳥）らとの激闘を交えて描く。ダンプ役に抜てきされたゆりやんは、完全に役になり切って取材陣をにらみつけるようにして入場。ひな壇の椅子を投げ飛ばす暴れっぷりで、「見ねえと、息の根を止めてやるぞ」と息巻いた。

米国進出を目指し、今年12月に活動の拠点をロサンゼルスに移すことが決まっており、オーディションの知らせを受け「最初は、これで米国で売れるという私利私欲だけだった」と素直な思いを吐露。しかし、役を射止めた後は「こんなにありがたいことはない。全力で取り組もう」と、当時ダイエットで110キロから45キロ落としていた体重を再び40キロ増やした。現在は再び30キロの減量に成功しているが、「まだ10キロ残っているやん。放っておけ。言うな」と芸人らしくボケた。

長与役に決まった唐田は、「長与さんのことを調べて知っていくうちに、この人を演じたいと思い役を獲ろうとオーディションに挑んだ」と笑顔。ダンプとの髪切りデスマッチで丸刈りにしなければいけないことは分かっていたものの、「長与千種という人間の魅力に魅かれ、伝えたいという気持ちの方が強かった。髪は生えますから」と女優魂を見せた。

剛力も、飛鳥役に対し「20代の最後でいろいろな環境の変化もあって、新しい、やったことのない役に挑戦したかった。世の中に剛力＝プロレスラーのイメージはないだろうと思った」と説明。ジャイアントスイングなどの大技も吹き替えなしで演じ、「見せたことのない姿を見せられるワクワクと、この作品に参加する高揚感が強くて気持ちがブレることはありませんでした」と充実した表情で語った。

白石監督は3人の思いを受け、「オーディションの時の顔を思い出した。結果、皆が人生の大きな一部を作品にささげてくれた。あの出会い一つ一つが出発点だったと思いグッとくた」と感無量の面持ち。もともとプロレスファンで、「80年代の全女（全日本女子プロレス）は魂を削って試合をしていた。何も隠すことのない、全てをさらけ出した戦いを見せたかった。たくさんのエキストラ（延べ2万人以上）にも集まってもらい、自然と湧き上がる熱狂にも引っ張られた。一人一人の熱量が凝縮された全5話が爆発してほしい」と力強く語った。

ヒット祈願で、ダンプの得意技だった竹刀打ちで験担ぎを行い志願した2人のメディアが体験。すると白石監督が「僕もやりたい」と名乗りを上げ、ゆりやんも「監督がいなければ、私たちはどうなっていたか。ありがとう」と涙を浮かべながら背中に渾身の一発を打ち込んだ。白石監督も「痛かった。でも、気合が伝わってきた」と満足げだった。