ニコール・キッドマン、亡き母に捧げる受賞スピーチで涙する
『ベイビーガール』で主演を務めたニコール・キッドマン、パームスプリングス国際映画祭の開幕を飾る国際スター賞を受賞。本賞は亡き母に捧げるとし、両親への追悼を述べた。
「私のキャリアのすべては母と父のためのものだった。今はもう2人とも居ない。」と語り、「まだ喪の過程にいる」と語った。
最新映画『ベイビーガール』主演のキッドマンは現地時間金曜夜、パームスプリングス国際映画祭の映画賞授賞式において、昨秋に他界した母ジャネル・アン・キッドマンに賞を捧げるとし、舞台上で涙を流した。
パームスプリングス国際映画祭の華々しい開幕を飾る国際スター賞を受賞したキッドマンは、休暇期間を故郷のオーストラリアで過ごしたばかりだと述べた。「クリスマスに帰省した。両親を亡くし、今は『ああ、これで状況が変わったのだ』という心境にいる。両親は私に強靭さと愛と、前に進み続ける力を与えてくれた。」
『ベイビーガール』のハリナ・レイン監督を「この作品に心と魂を注ぎ込んだ素晴らしい映画作家」と賞賛した後、キッドマンは昨年9月のベネチア国際映画祭で母の死により主演女優賞を受け取れなかったことに触れた。
「ベネチアに到着して電話を受けた時、母はもう逝ってしまっていた。(そこで)ハリナに『私の代わりに登壇してほしい』と頼んだ。」」とキッドマンは回想した。
ハリナ・レイン監督はキッドマンの代理として登壇し、彼女の言葉を伝えた。
「私は衝撃を受けており、家族のもとへ向かわなければならないが、この賞は母のためのものです。皆様に母の名を伝えられることに、この上ない感謝の気持ちでいっぱいです。人生と芸術の交差は心を打ち砕くものであり、私の心は打ち砕かれています。」と。
パームスプリングス国際映画祭でキッドマンは、自身で登壇する機会を得たことについて語った。
「今、私は舞台に立っている。ここに戻ってきた。母への思いを伝える機会を与えてくれて感謝している。私のキャリアのすべては母と父のためのものだった。今はもう二人とも居ない。私は仕事を続け、世界に貢献し続けたい。泣いてしまってごめんなさい。」と目に涙を浮かべながら語った。「泣くつもりはなかったが、今、母の存在を感じている。これは母のためのものです。」と続けた。
キッドマンの涙のスピーチは、ジェイミー・リー・カーティスによる力強い賛辞の後に訪れた。
アカデミー賞受賞者であるカーティスは、現在共演中のAmazonシリーズ『Scarpetta(原題:スカーペッタ/検屍官)』で姉妹役を演じるキッドマンを祝福するためにパームスプリングスに姿を見せた。
カーティスは、アリステア・マクラウドの小説『No Great Mischief(邦題:「彼方なる歌に耳を澄ませよ」)』から引用した「誰でも、愛されるとよりよい人間になる。」という一節を中心に据え、巧みに感情的なスピーチを展開した。
「ニコール・キッドマンは愛されていた。それは亡くなった彼女の美しい母ジャネルによって、最も明確に示されていた」とカーティスは述べ、夫のキース・アーバン、子供たち、ペット、多くの共演者、そして「彼女の偉大な仕事を評価する」ファンの皆が彼女を愛していると付け加えた。
カーティスは、夫で映画制作者のクリストファー・ゲストとキース・アーバンと共にキッドマンの「素敵で控えめな家」で時を過ごした日に、彼女をより深く知ることが出来たと語った。
彼らはフットボールの試合を観戦し、笑い、泣き、子供たちについて、希望や夢について、ストーリーテリングや映画についてなど、多くを語り合ったという。
「その瞬間に、なぜ彼女が我々の持つ最高のスターであるかを理解した」とカーティスは称賛した。「ニコール・キッドマンの中心にあるのは愛である。…愛こそが彼女の秘訣なのだ。それがすべての中心にある。」カーティスは、キッドマンが『Scarpetta(スカーペッタ/検屍官)』でも行っているように、アーティスト、俳優、スタッフの仕事を創出するために疲れを知らずに働く姿勢を称賛し続けた。
「ニコールの仕事と人生のすべてを細かく見ていくと、それはただ愛に帰結する。家族への愛、芸術への愛、コミュニティへの愛、自己への愛だ。これに尽きる。」とカーティスは付け加えた。
授賞式は、パームスプリングス国際映画祭の毎年恒例の華やかな開幕を飾るものである。
パームスプリングス・コンベンションセンターで開催されたこのイベントでは、『ブルータリスト』主演のエイドリアン・ブロディ(デザートパーム功績賞・男優賞)、『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』のティモシー・シャラメ(会長賞)、『リアル・ペイン~心の旅~』のキーラン・カルキン(ブレイクスルー賞・男優賞)、『Sing Sing』のコールマン・ドミンゴ(スポットライト賞・男優賞)、『ウィキッド ふたりの魔女』のアリアナ・グランデ(新人賞)、『マリア(原題)』のアンジェリーナ・ジョリー(デザートパーム功績賞・女優賞)、『ベイビーガール』のニコール・キッドマン(国際スター賞)、『ANORA アノーラ』のミッキー・マディソン(ブレイクスルー賞・女優賞)、『デューン 砂の惑星 PART2』の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ(ビジョナリー賞)、『教皇選挙』のキャスト(アンサンブル賞)、そして『Emilia Perez(原題)』(ヴァンガード賞)の出演者セレーナ・ゴメス、ゾーイ・サルダナ、エドガー・ラミレス、カーラ・ソフィア・ガスコン、そして監督のジャック・オーディアールを含む受賞者たちに賞が贈られた。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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