大好調の『モアナ2』、著作権侵害訴訟に発展 ─ アニメーターがアイデア盗用を再主張
アカデミー賞ノミネート発表まであと1週間余りとなったところで、ディズニーが映画『モアナと伝説の海』とその続編『モアナと伝説の海2』が著作権侵害の疑いで訴えられた。
アニメーターのバック・ウッドール氏は、自身が執筆したアニメ映画『Bucky』の脚本やアイデアが、ディズニーによって盗用されたと主張している。『モアナ』と『Bucky』は、いずれも古代ポリネシアの村を舞台にしており、両親に反抗する若者が危険な航海に出て村を救おうとする物語である。また、動物の姿をした霊的な存在に遭遇する点でも類似している。
この訴訟の背景には、ウッドール氏が以前に起こした『モアナ』に関する同様の著作権訴訟がある。その訴訟では、時効が経過しているとして棄却されたが、『モアナ2』の公開を契機に新たな訴訟が可能となったのである。
前回の訴訟において、裁判所は「両作品が実質的に似ているかどうかは陪審員が判断するべき問題である」とし、ディズニーが『Bucky』の著作物を開発前に見た可能性が排除できないことも認めた。
ウッドール氏の主張によれば、『モアナ』や『モアナ2』には、『Bucky』の重要な要素が多く反映されているという。たとえば、ポリネシアの文化における「霊的な先祖が動物として現れる」というテーマ、カメとの出会いで始まる冒険、象徴的なネックレス、巨大な釣り針やタトゥーを持つ半神、山に隠された巨大な存在といった要素が挙げられている。
また、『モアナ2』についても、「古代の島を探す冒険」「呪いを解く使命」など、両作品には顕著な共通点があるとされる。さらに、主人公たちが「危険な海の渦に飲み込まれる」場面が『Bucky』の独自の要素と一致するとしている。
ウッドール氏は、『モアナ』の総収益の2.5%、または100億ドル相当の損害賠償と、著作権侵害のさらなる継続を禁止する裁判所命令を求めている。
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『モアナ2』は、アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされる可能性があるが、初興収2億2,420万ドルを記録し、史上最大の5日間オープニングに向けて数々の記録を打ち立てた。オリジナル版は全世界で少なくとも6億8,700万ドルの興行収入を記録した。
一方でディズニーは、両作品が似ているという主張を否定している。
監督のロン・クレメンツ氏は、「モアナは『Bucky』に触発されたものではなく、訴訟が提起されるまでその存在を知らなかった」と法廷で証言している。
ディズニーは、映画制作の独自性を示すため、『モアナ』のアイデアや開発に関する資料、ストーリー案、調査記録、旅日記、脚本などの文書を提出している。
なお、『Bucky』の脚本は全米脚本家協会(WGA)に登録されており、米国著作権局によって著作権保護を受けている。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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