2025年パームスプリングス国際映画祭:審査員賞を発表

ブラジル映画『I'm Still Here(英題)』パームスプリングス国際映画祭にて受賞
ブラジル映画『I'm Still Here(英題)』Courtesy of Venice Film Festival
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2025年1月2日から13日にかけて開催されたパームスプリングス国際映画祭では、71か国以上から集まった165本の映画が上映された。そして1月13日(日)、審査員賞の受賞作品と受賞者が発表された。
本記事では、主要な受賞作品と審査員のコメントを紹介。

『I’m Still Here』『No Other Land』、そしてゾーイ・サルダナが、FIPRESCI賞を含む複数のカテゴリーで受賞

FIPRESCI賞 国際長編映画部門

I’m Still Here』(ブラジル)監督:ウォルター・サレス
審査員コメント
「『I’m Still Here』は、専制政治の脅威に直面しながら家族と尊厳を守る母親の視点を通して、その恐怖を見事に描写している。メロドラマに陥ることなく、暴力の深刻さを丹念かつ説得力ある詳細で伝えたウォルター・サレス監督の手腕に敬意を表する。」

FIPRESCI賞 国際脚本部門

Vermiglio』(イタリア)監督:マウラ・デルペロ
審査員コメント
「戦時ドラマの常識を覆し、洗練された時代劇の枠組みの中で複雑な女性キャラクターの視点から物語を展開した脚本家兼監督マウラ・デルペロに、この賞を授与する。」

FIPRESCI賞 国際映画部門 女優賞

ゾーイ・サルダナ – 『エミリア・ペレス』(フランス)監督:ジャック・オーディアール
審査員コメント
「ゾーイ・サルダナは、『エミリア・ペレス』で見せた力強く複雑な演技により、卓越した表現力を発揮した。歌や踊りから道徳的に曖昧なキャラクターの解釈まで、多彩な演技の幅を見せた彼女に敬意を表する。」

FIPRESCI賞 国際映画部門 男優賞

モ・チャラ、モグライ・バップ、DJプロヴァイ – 『Kneecap』(アイルランド)監督:リッチ・ペピアット
審査員コメント
「『Kneecap』の3人の俳優は、ミュージシャンとしての才能と俳優としての自然な演技を融合させ、新鮮で力強いエネルギーをもたらした。」

最優秀ドキュメンタリー賞

・『No Other Land』(パレスチナ)監督:ユヴァル・アブラハム、バセル・アドラ、ハムダン・バラール、ラケル・スゾー
・特別表彰:『Blue Road – The Edna O’Brien Story』(アイルランド/英国)監督:シネード・オシェイ
審査員コメント
「『No Other Land』は、イスラエル国防軍や入植者からの脅威に直面する西岸地区のパレスチナ人村民の生活を深く掘り下げた力作である。」

新しい声・新しい視点賞

・『The New Year That Never Came』(ルーマニア)監督:ボグダン・ムレシャヌ
・特別表彰:『Don’t Let’s Go to the Dogs Tonight』(南アフリカ)監督:エンベス・デイヴィッツ

審査員コメント:「『The New Year That Never Came』では、チャウシェスク独裁政権とその崩壊が国民一人ひとりに与えた影響を探求するために、ブラックユーモアを駆使した手法を賞賛します。また、『Don’t Let’s Go the Dogs Tonight』でボボを見事に演じたレクシー・ヴェンターにも特別賞を贈りたいと思います。彼女の存在と心の知性は、ジンバブエが脱植民地化の時期に入ったときに直面した経験を子供の視点で表現している。」

イベロアメリカ賞

・『Sujo』(メキシコ)監督:アストリッド・ロンデロ、フェルナンダ・ヴァラデス
・特別表彰『Manas』(ブラジル/ポルトガル)監督:マリアンナ・ブレンナンド

審査員コメント:「メキシコの小さな町で圧倒的な暴力と貧困から逃れようと奮闘する少年をエレガントで繊細に描いた『Sujo』を満場一致で選出。暗く詩的であり、人道的な物語の結末を迎えるこの作品は、現代のメキシコ映画界における映画製作者デュオ、アストリッド・ロンデロとフェルナンダ・ヴァラデスの新星としての地位を確固たるものにした。」

砂漠の視点賞

・『Checkpoint Zoo』(米国/ウクライナ)監督:ジョシュア・ゼマン
・特別表彰『Desert Angel』(米国)監督:ヴィンセント・デリュカ

審査員コメント:「『Checkpoint Zoo』はロシア侵攻初期の混乱期にソーシャル メディアの投稿を通じて世界中の観客の心を捉えた、地元のウクライナ人の小グループを通じてコミュニティの精神を体現している。あらゆる困難と多大な個人的犠牲にもかかわらず、動物救出活動において、ありそうでなかったボランティアのグループがコミュニティを団結させ、世界中に希望をもたらした。」

ヤングシネアスト賞

『Tatami』(ジョージア/イスラエル/イラン)監督:ザール・アミール・エブラヒミ、ガイ・ナティヴ
・特別表彰:『Superboys of Malegaon』(インド/米国)監督:リーマ・カグティ

審査員コメント:「『Tatami』はユニークなビジュアルを詰め込んだ「ノンフィクション」のフィクションであり、視聴者に外国の政治的意識をもたらすものであり、「あらゆる決断が個人の人生に影響を与えること、そして立ち直る力」を表現している作品である」

※本記事は英語の記事から抄訳・編集しました。

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