ビヨンセが狙うアルバム・オブ・ザ・イヤー:グラミー最多受賞記録と挑戦

ビヨンセとグラミー賞
ビヨンセとグラミー賞 Jason Merritt/Getty Images; Frederick M. Brown/Getty Images (2); Dan MacMedan/WireImage
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ビヨンセは、グラミー賞史上最多の32冠と99ノミネートという記録を持つ音楽界の女王。
しかし、いまだに手にしていない栄冠がひとつだけある。それが「アルバム・オブ・ザ・イヤー」
今年、彼女の革新的なアルバム『Cowboy Carter』は11部門でノミネートされ、注目を集めている。この記録は「単一アルバムでの最多ノミネート」として歴史に刻まれた。

ビヨンセの栄光

ビヨンセは、2000年にデスティニーズ・チャイルドとして初めてグラミー賞にノミネートされて以来、音楽業界の第一線で活躍。R&B、ポップ、ラップ、ロックとジャンルを超えた彼女の才能は、数々の賞に輝いてきたが、「アルバム・オブ・ザ・イヤー」だけは獲得できていない。

彼女がグラミー賞の主要3部門(アルバム・オブ・ザ・イヤー、レコード・オブ・ザ・イヤー、ソング・オブ・ザ・イヤー)で受賞したのは、2010年の「Single Ladies」でのソング・オブ・ザ・イヤーのみ。

『Cowboy Carter』:革新的なアルバム

最新アルバム『Cowboy Carter』は、特にカントリーミュージックとアメリカンミュージックに焦点を当て、従来のR&Bやポップの枠を超えた作品。この作品で、ビヨンセはカントリー音楽部門で4つ、アメリカーナ部門で1つのノミネートを受け、音楽ジャンルの垣根を壊した。

ビヨンセのグラミー記録

  • 最多受賞記録: 32冠
  • 最多ノミネート記録: 99回(2025年時点)
  • 主要3部門の受賞歴: ソング・オブ・ザ・イヤー1回(2010年「Single Ladies」)

彼女のノミネートの内訳を見ると、R&B部門だけで36回、さらにビデオ部門での受賞歴にも注目したい。

『Cowboy Carter』と『Renaissance』はミュージックビデオなしでリリースされたが、ビヨンセは大胆で衝撃的なビジュアルで常に人々を楽しませてきた。グラミー投票者もこれに注目し、「Formation」や「Brown Skin Girl」でベスト・ミュージック・ビデオ、「Homecoming」でベスト・ミュージック・フィルムを受賞。後者では『Lemonade』や『Black Is King』などもノミネートされている。

グラミー賞で11部門にノミネートされているビヨンセのアルバム『Cowboy Carter』
グラミー賞で11部門にノミネートされているアルバム『Cowboy Carter』。カントリー分野で4部門、アメリカーナ・パフォーマンス部門で1部門、さらにラップとポップ・パフォーマンス部門でノミネート PHOTOGRAPHER: BLAIR CALDWELL BLAIR CALDWELL/PARKWOOD ENTERTAINMENT LLC.

夫婦共同での成功

ジェイ・Zは、キャリアのグラミー・ノミネート数で妻に次ぎ、89ノミネート中20(24受賞のうち6)がビヨンセとのコラボによるものだ。これには「Crazy in Love」や「Drunk in Love」、ジョイントアルバム『Everything Is Love』が含まれる。

アルバム・オブ・ザ・イヤーの壁

ビヨンセはこれまで5枚のアルバムで「アルバム・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされてきた。そのうち、特に『Lemonade』は2017年のグラミー賞で9部門にノミネート。ロック部門にも顔を出し、ジャック・ホワイトとのコラボ「Don’t Hurt Yourself」でベスト・ロック・パフォーマンスにもノミネート。
彼女は、ロック、ポップ、ラップ、R&Bの各カテゴリーで同時に候補に挙がった初のアーティストとなった。
それほどの注目を集めた『Lemonade』だったが、惜しくも受賞は叶わなかった。
今年こそは、この大きな壁を越えられるのだろうか?

ビヨンセの今後に期待

音楽業界の常識を覆し続けるビヨンセは、今回の『Cowboy Carter』で再び歴史を作る可能性が大いにある。彼女がグラミー最大の栄冠を手にするその日、音楽界は新たな時代を迎えるだろう。

※本記事は米ハリウッド・リポーター誌1月9日号に掲載され、英文記事から抄訳・要約しました。

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