『アプレンティス』でドナルド・トランプ役を演じたセバスチャン・スタン、オスカー候補に
映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』で若き日のドナルド・トランプ役を演じたセバスチャン・スタンが、2025年の米アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
10月にブライアークリフ・エンターテインメントによって公開された『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』。興行収入はふるわなかったものの、 弁護士ロイ・コーンを演じたジェレミー・ストロングが助演男優賞にノミネートされるなど、米アカデミー賞で2部門にノミネート。また、同作は今年のゴールデングローブ賞でも、スタンとストロングの両名がノミネートされた。(ゴールデングローブ賞ではどちらの俳優も同部門で受賞しなかったが、スタンはコメディ映画『A Different Man』で主演男優賞を受賞。)
アリ・アッバシ監督は、ガブリエル・シャーマンの脚本を基に『アプレンティス』を手掛けた。同作は、トランプが不動産ビジネスを立ち上げ、1980年代にコーンの助けを借りてニューヨークで権力を握るまでを描いたものだ。他に、イヴァナ・トランプ役のマリア・バカロワ、トランプの父フレッド・トランプ・シニア役のマーティン・ドノヴァンが出演。
同作は、5月にカンヌ映画祭でプレミア上映された際に好評を博したが、その後物議を醸した。トランプの弁護士は映画製作者に使用停止命令書を提出し、映画の今後のマーケティングや配給について訴訟を起こすと警告した。9月、『アプレンティスのプロデューサーであるキネマティクスは、映画の株式を売却した。同社はトランプの友人で元ワシントン・コマンダーズのオーナーであるダニエル・スナイダーの支援を受けており、同氏は映画の中でトランプが当時の妻イヴァナをレイプするシーンに異議を唱えたと言われている。
結果、米国の大手配給会社や配信会社はいずれも『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』の 配給を見送った。同作は10月11日に劇場公開されたが、これはトランプ氏がカマラ・ハリス氏を破って米国大統領として2期目を獲得することになる選挙の1カ月前のことだった。
スタンは、主演男優賞をエイドリアン・ブロディ(『ブルータリスト』)、ティモシー・シャラメ(『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』)、コールマン・ドミンゴ(『シンシン/SING SING』) とレイフ・ファインズ(『教皇選挙』)と競っている。
選挙の2日前に収録された米『ハリウッド・リポーター』のPodcast『Awards Chatter』に出演したスタンは、自分の映画がトランプについてのメッセージを伝える正しい方法だと信じた理由を話した。
「僕がここで、もう30,000時間くらい聞いたような話を君たちにすることはできるけど、それでは意味がないと思うんだ。大事なことは、彼と2時間一緒に過ごして彼が何を考えているのかを知り、この映画の終わりに自分に問うことだ。この人を信頼できるか?この人が下す決断は自分のためなのか、それとも彼自身のためなのか?とね」と語った。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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