第79回毎日映画コンクール贈呈式『正体』で主演俳優賞の横浜流星「志高く映画界を盛り上げたい」
第79回毎日映画コンクールの贈呈式が13日、東京・めぐろパーシモンホールで行われた。作品賞に当たる日本映画大賞は三宅唱監督の『夜明けのすべて』が受賞。監督賞、日本映画ファン賞と合わせ3冠となった。
三宅監督は23年『ケイコ目を澄ませて』に続く連続での大賞。「作っただけでも幸せなのに、褒めていただいたことを改めてありがたいと思う。一回獲るとそうそう呼んでもらえないと思っていたので幸せに思っています」と喜びをかみしめた。既に新作の撮影に入っており、「スタッフ、キャストとともにいい現場といい作品を両立させられるように仕事をしていきたい」と意欲を語った。
今回からジェンダーレスの観点から俳優賞の男女区分を廃止し、主演俳優賞は『正体』の横浜流星、『あんのこと』、『ナミビアの砂漠』の河合優実が受賞。横浜は「藤井道人監督と出会って10年、何者でもない二人が走ってきた集大成。たくさんの人に届き、愛してもらったことが幸せ。これからも妥協せず、志高く映画人として映画界を盛り上げていけるよう精進します」と誓った。
河合はNHK朝のテレビ小説「あんぱん」の撮影のため欠席し、ビデオで「私自身にとって凄く大切な2作品で賞をいただきましたこと、凄く光栄に思っています。こういう形で映画の名前が未来に残っていくことを凄くうれしい」と喜びのメッセージを寄せた。トロフィは『ナミビアの砂漠』の山中瑤子監督が代理で受け取り、「河合さんの本質を見つめる力、誠実さ、細やかさが素晴らしい。光が降り注ぐ中で影を見つめることのできる唯一無二の女優さんです」と称えた。
助演俳優賞は『一月の声に歓びを刻め』のカルーセル麻紀が受賞し、「私が3歳の時にできた賞。調べてみたらほとんどの(受賞)作品を見ていた。長生きして良かった」と満面の笑み。トロフィをしげしげと見つめ、「これを位牌にしようと思います」とおどけ、場内の爆笑を誘った。
池松壮亮も『ぼくのお日さま』で助演俳優賞に輝き、落ち着いた表情ながら「感動しています。喜びが押し寄せております。これでも」とコメント。共演の越山敬達がスポニチグランプリ新人賞を獲得し「敬達、おめでとう。これからも真っすぐに感受性高く、何事も一生懸命なままでいてほしい」とエールを送った。
その越山は映画初主演での戴冠に、「学ぶことと経験することがたくさんあって、今も素晴らしい経験をしている」と感激の面持ち。「この賞に恥じぬよう、この舞台に戻ってこられるように頑張ります」と宣言した。
第79回毎日映画コンクール
日本映画大賞:『夜明けのすべて』
外国映画ベストワン賞:『オッペンハイマー』
主演俳優賞:河合優実『あんのこと』『ナミビアの砂漠』
助演俳優賞:池松壮亮『ぼくのお日さま』
カルーセル麻紀 『一月の声に歓びを刻め』
スポニチグランプリ新人賞:越山敬達『ぼくのお日さま』
監督賞:三宅唱『夜明けのすべて』
脚本賞:濱口竜介『悪は存在しない』
撮影賞:池田直矢『十一人の賊軍』
美術賞:林田裕至『箱男』
音楽賞:石橋英子『悪は存在しない』
録音賞:浦田和治『十一人の賊軍』
ドキュメンタリー映画賞:『映画 〇月〇日、区長になる女。』
大藤信郎賞:『私は、私と、私が、私を、』
TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・日本映画部門:『夜明けのすべて』
外国映画部門:『インサイド・ヘッド2』
記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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