『イカゲーム3』ジュニ役チョ・ユリが語る、壮絶な展開への思い「涙が止まらなかった」理想の結末にも言及【インタビュー】

[本記事は、Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン3のネタバレを含みます。]
Netflixの世界的大ヒットシリーズ『イカゲーム』は、「より良い未来のためには犠牲が必要である」というテーマを描いた物語である。そして最終的に、完結編となるシーズン3の最終話において、主人公が命を落とすことにより、ファン・ドンヒョク監督はそのメッセージを明確に伝えた。
シーズン3の最終話「人間は…」では、主人公ギフン(演:イ・ジョンジェ)が自らを犠牲にして、すでに死亡したプレイヤーのジュニ(演:チョ・ユリ)の赤ちゃんを救う展開が描かれた。ジュニは、足を骨折しゲームに参加できない状況のなか、自ら高所から身を投げ、ギフンに赤ちゃんを託していた。
最後のゲームでは、赤ちゃんの父親であるミョンギ(演:イム・シワン)と、ギフンの2人が対決。結果的にギフンが勝利したものの、赤ちゃんが「プレイヤー」と見なされたことで、ギフンか赤ちゃんのどちらかしか生き残れないという状況に陥る。ギフンは最終的に自ら死を選び、赤ちゃんが「勝者」として生き残ることになった。
米『ハリウッド・リポーター』はこのたび、本作で身重ながらも過酷なデスゲームに挑む女性・ジュニを熱演したチョ・ユリにインタビューを敢行。アイドルグループ・IZ*ONEの元メンバーで、K-POP界で華々しいキャリアを積んできたチョ・ユリが、ジュニの運命に対する複雑な思いや、『イカゲーム』の理想の結末について語ってくれた。
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―――あなたはK-POPスターとして活躍されていましたが、『イカゲーム』のオファーはどのように来ましたか?
オーディションの依頼が来たんです。オーディションのプロセスはかなり長くて、ジュニという役のために3〜4か月ほど準備をしました。その結果、この役に起用していただくことができました。
―――ジュニというキャラクターに惹かれた理由、そしてなぜこの役に挑みたいと思ったのですか?
実は最初は、この役がどんな人物なのか、具体的にはまったく知りませんでした。キャラクターに関する情報も、ほとんど与えられていなかったんです。オーディションの段階では、ファン監督から「彼女はジュニという名前で、妊娠している」ということだけを聞いていました。ただ、役が決まってから台本をいただき、そこから初めて物語の背景や感情を埋めていくことができました。
―――ジュニは最終的に自己犠牲を払い、強い意志を持った人物であることが明らかになります。ジュニを深く理解するために、どのような背景設定を自分で考えましたか?
ドラマをご覧いただくとわかるように、ジュニの過去についてはあまり描かれていません。ですので、自分なりに想像して埋めていく必要がありました。ファン監督が一度、「彼女はミョンギに影響されて、YouTuberを目指していたかもしれない」とおっしゃっていたのですが、私はジュニの性格的に、それがうまくいくタイプではないと感じました。
何度かYouTuberになることに挑戦したものの失敗し、妊娠が判明してからはアルバイトなどをしながら生活していたのではないか、と自分なりに想像しました。そしてそのなかで、彼女をゲームに勧誘する人物と出会ったのだと思います。
―――出産シーンは非常に迫力がありましたが、赤ちゃんはCGだったのでしょうか?また、クムジャ役のカン・エシムさん、ヒョンジュ役のパク・ソンフンさんとの撮影はいかがでしたか?
出産シーンでは、エシムさんに本当に助けられました。たくさんアドバイスをくださって、難しいシーンを乗り切ることができました。赤ちゃんに関しては、シリコン製の人形を使って撮影しました。動くタイプの人形と、機械式ロボットの赤ちゃんの2種類があって、その2体をシーンごとに使い分けていました。でも人形だったとはいえ、私にとっては本当にリアルに感じられて、その赤ちゃんを抱いた瞬間、自然と涙が出ました。
―――ジュニが赤ちゃんの未来のために自ら命を絶つ運命を知ったとき、どのように感じましたか?
妊婦がゲームに参加するという設定を聞いたときに、「このシーズン2と3は、どれほど残酷になるのだろう」とまず感じました。ギフンに赤ちゃんを託す場面は、とても感情的に重いシーンでした。ジュニの葛藤や、感情の動きを丁寧に演じようと心がけました。また、赤ちゃんがこのゲームにどう関わってくるのか、とても気になっていました。なぜならその時点では、ジュニの死後の台本を読むことができなかったからです。
―――「大縄跳びゲーム」でのジュニの最後のシーンは、どのような気持ちで演じられましたか?
特にギフンとの最後の会話は、感情的にすごく苦しかったです。気持ちが一気にあふれ出て、爆発しそうになりました。でも監督から「もう少し抑えて演じてほしい」と指示があって、逆にそのほうが難しかったですね。ミョンギとのシーンは、私にとって特別なシーンです。なぜなら、その場面はオーディションの際に演じたものだったからです。
ジュニのセリフのひとつひとつが本当に切なくて、「この足でどうやって…あなたが私を抱えて運ぶってこと?」と尋ねるあの場面では、私自身も心から共感していました。カメラが止まった後も、涙が止まりませんでした。
―――赤ちゃんがプレイヤーとして参加するという展開には、驚きましたか?最終話に向けて、どんな結末を期待していましたか?
赤ちゃんがプレイヤーになると知ったときは、本当に絶望的な気持ちになって、「そんなのは嫌だ」と思いました。涙が出そうになったのを覚えています。私はシーズン3の第5話(最終話のひとつ前)までしか観ていないのですが、もっとも望んでいた結末は、ジュノ刑事が島の場所を突き止めてゲームを終わらせること、そして3人の生存者が残るという展開でした。
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『イカゲーム』シーズン1~3は現在、Netflixで独占配信中。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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