『エイリアン:アース』シーズン2はどうなる?シーズン1の衝撃のラストが示す行方とは

FXの話題作『エイリアン:アース』のシーズン1が終了し、現在多くのファンがシーズン2の行方に注目している。特に注目すべきは、最終回がすべての登場人物とゼノモーフをひとつの部屋に集結させるという、まるで舞台劇の終幕のような構成で幕を閉じたことだ。
この独特な終わり方には、ショーランナーのノア・ホーリーの明確な意図があった。複数の物語の筋やジャンルが織り交ざったシーズン1を経て、シーズン2に向けて多くの選択肢を残すことで、今後の展開に柔軟性を持たせている。
今回、米『ハリウッド・リポーター』の単独インタビューで、ノア・ホーリーが『エイリアン:アース』シーズン1の戦略的構成と、今後のシーズン2への展望について詳しく語ってくれた。
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――(クリエイターを務めた)ドラマ『FARGO/ファーゴ』と違って今回は継続する物語なので、最終回ですべての駒を盤上に残した構成になっていますね。シーズン2の展開を決める前に、視聴者の反応を見て判断する意図もあったのでしょうか?
それには芸術性と商業性、両方の側面があります。もちろん私は物語をある方向へ導き、実際に形にしなければなりませんでした。そしてシーズン1全体は、実は“実験”でもあります。――『エイリアン』のテレビシリーズにシーズン2、シーズン3を作るだけの視聴者が本当にいるのかを試すためのね。だから、私は曖昧な賭けなどしていません。シーズン1は完結した物語ではないのです。ひとつの章は幕を閉じましたが、その瞬間ユタニ社の部隊が上陸し、力の均衡が一変します。子どもたちは、この先に何が待つのかまったくわかっていないのです。「私たちが支配者よ」という最後のセリフは確かに高揚感に満ちていますが、その10分後には何が起きているのか――そこにこそリアルタイムの緊迫感があるのです。
さらに“構造”という観点も重要です。私は『FARGO/ファーゴ』で10時間構成の作品を作ることに慣れていましたが、今回はわずか8時間しかありませんでした。墜落現場に2時間半、そこからネバーランドに戻るまでに1時間半、さらに宇宙船のエピソード(第5話)を挟み、残り3話でネバーランドの物語を完結させる――限られた尺でやるべきことが山ほどあったのです。だからこそ、キャラクターやテーマに深みを持たせつつ、物語を築き、未来の展開への伏線を張るという多層的な挑戦になりました。批評家の反応を見てうれしいのは、この難題をどうやら乗り越えられたと感じられる点です。
――カヴァリエ(演:サミュエル・ブレンキン)は、ウェンディ(演:シドニー・チャンドラー)の「私たちが支配者よ」という言葉を、まるで彼女が卒業試験に合格した証のように誇らしく受け止めていますね。
その点に注目していただけて、うれしいです。北カリフォルニアには「ディスラプター(破壊者)」という言葉がありますが、まさにカヴァリエはその体現者です。父親から受け継いだ根深い反権威主義を抱え、巨大な四大企業が支配する世界に飛び込み、わずか6~8年でここまで上り詰めた。周囲が現状維持に固執するなか、彼だけは無政府主義的で、だからこそ“不死”という製品を生み出すことができたのです。
そのうえで、彼の最大の創造物は単なる製品ではなく、「自己を認識する機械」だと気づいた瞬間、心が揺さぶられたのでしょう。もしあなたがピーター・パンで、大人たちの死を願っているのだとしたら――子どもたちがついに支配者となる、この状況は最高の瞬間と言えるはずです。もちろん、この先に何が待っているかは誰にもわかりません。
ウェンディが鏡を掲げ、カヴァリエに“本当の自分”を突きつけたとき、彼は確かに絶望を感じます。けれど同時に、彼女がマッチ箱を手に取り、すべてを焼き尽くす覚悟を見せたことに、深い喜びを抱いているのです。その先で何が起こるのか――私自身、とても楽しみにしています。
――『エイリアン:アース』シーズン2の可能性について、現状を教えてください。以前は「最長で5シーズン」とおっしゃっていましたが、今回は「シーズン2と3」とだけ触れられました。そこに何か変化があったのでしょうか?
どうか、そこまで深読みしないでください。私には明確な終着点があるわけではなく、そこに到達するまでどれくらいかかるかも見えていません。このシリーズに参加し、自分のアイデアを持ち込めること自体が、私にとってはすばらしい遊びなんです。『FARGO/ファーゴ』の時と同じように、「この調子で物語を語らせてもらえる限り、私は語り続けたい」と思っています。
今の私は、『エイリアン』と人類の未来を描き出す、このハイブリッド作品に強い情熱を注いでいます。ですから「シーズンがいくつになるのか」はまだわかりません。ただ、芸術的な目標と商業的な目標、その両方があります。そして幸い、私たちは最高のスタートを切れたと思っています。
だからこそ、「次も作れるのかどうか」と不安を抱えたまま長く待たされないことを心から願っています。あと数か月のうちには、別の仕事を探すべきか、それとも次の制作に取りかかるべきか、何らかの手がかりが得られると期待しています。
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『エイリアン:アース』は、ディズニープラス スターにて独占配信中。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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