『ストレンジャー・シングス』は終わらない? スピンオフアニメ『1985年の冒険』をショーン・レヴィが語る! 「これはただのアニメ版ではない」
※※※ネタバレ注意※※※
本記事には、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』最終話の内容に関する言及が含まれています。
映画『デッドプール&ウルヴァリン』や『フリーガイ』などの監督で知られるショーン・レヴィは、Netflixの大人気ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の始まりから深く関わってきた人物だ。
彼は、物語の発端であるウィル・バイヤーズ失踪の瞬間から現在に至るまで、Netflixのメガヒットシリーズを支えてきた製作総指揮の一人であり、各シーズンで2話ずつ、アップサイドダウンの物語において重要なエピソードを数多く手がけてきた。
最終章となるシーズン5で再びカメラの前に立つにあたり、ショーン・レヴィは『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の制作スケジュールと、もう一つの大作、マーベル映画『デッドプール&ウルヴァリン』(2024年)を同時に進める必要があった。
そこで彼と、シリーズのクリエイター/脚本/監督を務めるダファー兄弟(マットとロス)は、レヴィがシーズン5第6話「カマゾッツからの脱出(Escape From Camazotz)」を監督し、さらに物語全体の最終前話となる第7話「橋(The Bridge)」では、ダファー兄弟と共同監督を務めるという形を選んだ。
第6話では、セイディー・シンク演じるマックスが命がけで逃走する展開が描かれ、レヴィが手がけたシーズン4の「親愛なるビリー(Dear Billy)」と呼応する内容となっている。また第7話は、シリーズ全体でも最大級の労力を要するエピソードであり、その負担を分かち合う狙いもあったという。「これは、私たちが約10年にわたって築いてきたコラボレーションの自然な延長だと感じました」とレヴィは語る。
最終章への反応、そしてその先へ
レヴィは米『ハリウッド・リポーター』に対し、これらのエピソードの重要な見どころを振り返るとともに、ダファー兄弟がシリーズ最終話を見事に着地させたことへの率直な感想も明かしている。
「最終話を観たとき、私は号泣していました。ダファー兄弟とFaceTimeで話していたんですが、今思うと少し恥ずかしいくらいです」
さらに彼は、フランチャイズの今後についても言及。アニメシリーズ 『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』や、最終話でわずかに示唆された実写スピンオフ企画について触れたほか、2027年公開予定の新作でレヴィが監督を務める 『スター・ウォーズ/スターファイター(原題)』 についても次のように語っている。
「もしダファー兄弟が『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で成し遂げたように、“壮大さ”と“親密さ”のバランスを取ることができれば、ファンにも観客にも満足してもらえる、まったく新しいオリジナルの『スター・ウォーズ』体験を作れるはずです」
最終シーズンでの監督分担について
──各シーズンで2話ずつ監督してきましたが、最終シーズンでは第6話を単独で、第7話を共同監督する形になりました。その経緯は?
ショーン・レヴィ:本来は、これまでと同じく第3話と第4話を監督する予定でした。しかし『デッドプール&ウルヴァリン』のスケジュールの関係で、それが不可能になったんです。そこで私はシーズン後半の第6話を担当することになりました。これは普段より物語の後半に関わる形で、とても刺激的でした。
アトランタで撮影に入ってから、ダファー兄弟と『第7話を分担して監督するのはどうだろう?』という話になりました。私はこれまで誰かと共同監督をしたことがありませんでしたし、兄弟も互い以外とはありません。それでも、この方法なら、作品の“血流”の中にもう少し長く関われるし、彼らが控えていた巨大な最終話の脚本・準備に集中するための時間と余力を確保できると思ったんです。
──共同監督は難しくありませんでしたか?
ショーン・レヴィ:もし3人が同時に現場に立って、すべての判断や演出を共有していたら、慣れるまで大変だったと思います。でも今回は“作業量の分担”という形でした。兄弟が半分のシーンを、私が残り半分を監督しましたし、撮影前の段階でしっかりとすり合わせを行っていました。だから、とても自然に進んだんです。
このやり方を気に入った理由の一つも、やはり、約10年にわたるコラボレーションの延長線上にあると感じられたからですね。

ショーン・レヴィが語る最終章の裏側──「あの溶ける部屋は悪夢だった」
──シリーズ初期から深く関わってきましたが、最終シーズンの脚本の中で「これはぜひ自分で撮りたい」と心を掴まれた要素はありましたか?
ショーン・レヴィ:ええ、まちがいなくありました。第6話について最初に聞いたとき、“溶け落ちる部屋での狂気のようなプロポーズ未遂シーン”(チャーリー・ヒートンとナタリア・ダイアーの場面)を知って、同僚たちに思わずこう言ったのを覚えています。『なんてこった。誰か気の毒な奴が、この悪夢みたいなシーンをどうにかしなきゃならないぞ』って(笑)。
というのも、あの設定はVFXでごまかせる類のものじゃない。実際に物理的に成立させなければならず、それはほぼ不可能に近い。そして、それを演出する“気の毒な奴”が自分だと分かった瞬間、これは相当な仕事になると覚悟しました。
実際、『デッドプール&ウルヴァリン』の編集作業をしながら、数か月にわたってこの“溶けるスライム”の構造を考え続けていました。壁や天井から流れ落ちる物質を受け止めるため、プール状のセット内に部屋をどう構築するか、そして全体の絵コンテを切る作業を同時進行で行っていたんです。
こういう複雑なシークエンスは、現場に行って即興で何とかなるものではありません。事前準備こそが成功のカギ。その点に多くのエネルギーを注ぎましたし、第6話と第7話の病院やランドリールームのシーンも、同様に大きな焦点でした。
ジョナサンとナンシーの長尺シーン、ダスティンとスティーブの、階段とクローゼットでの美しい感情表現、エディの槍が置かれた場面も含めて。そして何より、第6話のラスト。再びマックスと“赤い虚無”に戻り、命がけで走る展開は、『親愛なるビリー(Dear Billy)』の記憶が撮影現場に強くよみがえる瞬間でした。
マックスの目覚め、そして忘れられない瞬間

──第7話冒頭、マックスが目を覚ますシーンも撮影しましたか?
ショーン・レヴィ:ええ。あれは一生忘れません。病院のランドリールームでデモドッグとのアクションをすべて撮り終え、次に撮ったのがマックスの目覚め、第7話の冒頭でした。
脚本の段階ですでに美しいシーンでしたが、ケイレブとセイディーが持ち込んだ感情の深さは想像を超えていました。テイクは2回、もしかしたら1回だけだったかもしれません。あまりに完璧で、ケイレブのクローズアップでは、のどがつまって『カット』と言えなかったほどです。
──そのシーンのテーブルリードには立ち会っていましたか?
ショーン・レヴィ:いいえ。あの時は『デッドプール&ウルヴァリン』のプレスツアー中でした。ただ、評判は聞いていましたし、実際の撮影では、2人は完全に“次のレベル”に到達していました。あの薄暗いランドリールームにいた全員が、決して忘れない瞬間です。
ウィルのカミングアウト・シーンについて
──第7話でのウィル(演:ノア・シュナップ)のカミングアウト・シーンには?
ショーン・レヴィ:あのシーンはダファー兄弟が演出しました。ただ、撮影前にノアとは何度かリハーサルをしています。彼は何か月も前からあのシーンに集中して準備していましたし、とても誠実なテーマに触れる場面です。長いモノローグなので、最初から感情を“10”にしてしまうと行き場がなくなる。その“感情の調整”について話し合いました。
兄弟の演出は見事でしたが、私が予想していなかったのは、聞き手たちの反応の強さです。完成版を観たとき、ノアのすばらしさだけでなく、チャーリー、セイディー、マヤらが、ウィルとして、そしてノアの友人として、あまりにも誠実に寄り添っていた。その“二重のリアリティ”が、スピーチそのものと同じくらい感情的なリアクションショットを生んでいました。

10年を振り返って、そして最終話を観客として
──10年前、ここまでの存在になると想像していましたか?
ショーン・レヴィ:正直に言って、何が始まろうとしているのか誰もわかっていませんでした。ただ、いいものを作れると信じて集まっただけ。ヒットするかも分からなかったし、現象やフランチャイズになるなんて、想像もしていませんでした。
でも、それがよかった。計算ではなく、純粋な創作意欲がこの作品を生んだ。最終シーズンで、これほど大切なエピソードを作れたことは、私たち全員にとって特別です。最終15分には、登場人物の感情だけでなく、10年近く一緒に歩んできた私たち自身の感情も確かに映っています。
──最終話はファンとして観られましたか?
ショーン・レヴィ:もちろんです。『スター・ウォーズ/スターファイター』撮影中に、ロンドンで観ました。あまりに胸を打たれて、テキストやボイスメモでは足りず、ダファー兄弟にFaceTimeしました。私は号泣状態。今思うと少し恥ずかしいですが、誇張ではありません。あの瞬間、私は完全に“観客”であり、ファンでした。本当に圧倒されました。

『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』、そしてその先へ
フランチャイズは次に、アニメシリーズ『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』へと続く。それ以外にも、(実写スピンオフ企画など)ダファー兄弟が示唆している展開がある。
ショーン・レヴィ:私自身も多くの企画を控えていますが、何よりも優先されるのは『ストレンジャー・シングス未知の世界』。この作品が必要とする限り、どんな形でも関わり続けます。
──『ストレンジャー・シングス: 1985年の冒険』について教えてください。
ショーン・レヴィ:とてもワクワクしています。これは、みなさんがこれまで観て愛してきた作品の薄めた延長線上ではありません。まったく異なるトーンとビジュアルスタイルの作品になります。私たちが“母体(マザーシップ)”と呼んでいるオリジナルシリーズでは描かれてこなかった、神話や時間軸の空白を埋める物語が描かれます。
ダファー兄弟は、80~90年代の家族向けアニメやカートゥーンのあるスタイルを強く愛していて、この作品はその精神のもとに作られています。つまり、これは『ストレンジャー・シングスをアニメにしたもの』ではなく、独自のトーンとスタイルを持った作品なのです。
そして『スター・ウォーズ/スターファイター』へ
──最近では、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は次の『スター・ウォーズ』になるのではないか、という見出しも目にします。両方の世界に関わっている立場として、『スター・ウォーズ/スターファイター』について何か明かせることはありますか?
ショーン・レヴィ:『ストレンジャー・シングス』を通して学んだことがあるとすれば、それはフランチャイズに対する期待の大きさに気圧されてしまうことはあり得るということです。でも、そこに意識を向けすぎると、自分の進むべき道を見失ってしまう。私は、物語の核となるキャラクターやテーマ、そして画面上の人間関係に根ざすことの重要性を学びました。
確かに、『ストレンジャー・シングス』と同じように、スペクタクルやスケール感はあります。そしてもちろん、『スター・ウォーズ/スターファイター』は、私のキャリアの中でもこれまでにないレベルの壮大さとスケール、そして冒険性を備えています。
ただ、『ストレンジャー・シングス』と同様に、物語の中心にはあくまで“人間的なスケールの、キャラクターに根ざした物語”がある。もし私が、ダファー兄弟が『ストレンジャー・シングス』で成し遂げてきたように、“壮大さ”と“親密さ”のバランスを取ることができれば、ファンにも観客にも本当に満足してもらえる、新しくオリジナルな『スター・ウォーズ』の冒険を描けると思っています
──ダファー兄弟の次の展開にも関わりますか?
ショーン・レヴィ:もちろんです。10年かけて築いた兄弟のような関係がありますから。『ストレンジャー・シングス 』が進むなら、私も進む。それが私たちの在り方です。
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の最終シーズンとなるシーズン5は全話Netflixで配信中。
【動画】『ストレンジャー・シングス 未知の世界 5』最終話予告編 – Netflix
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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