パラマウントのワーナー買収で“巨大テレビスタジオ”誕生か――大手2社の合併でハリウッドに激震
現地時間2月27日(金)、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの取締役会はパラマウント・スカイダンスによる入札を正式に承認し、パラマウントによるワーナー買収が実質的に成立した。この大型スタジオ2社の合併は、テレビ業界に大きな影響をもたらすと予想されている。
パラマウントによるワーナー買収でテレビスタジオ業界が激変
パラマウントは、「合併後も両スタジオをそれぞれ独立して運営し、外部との取引を継続する」と公式声明で述べた。この声明でテレビスタジオの具体的な運営計画には触れていないものの、最近の経緯を見ると「大改革」が予定されていることが伺える。
ワーナー・ブラザース・テレビジョン・グループの各制作部門とパラマウントは、現在放送中または公開を控えている作品を合わせ、100本以上を制作している(共同制作を含む)。さらに現在、25~30本のプロジェクトが進行中だ。
2社の合併によって、パラマウントは数多くの人気IPを保有することになる。ここには、『スター・トレック』(1966年~)、『スポンジ・ボブ』(1999年~)、『G.I.ジョー』シリーズ(2009年~)といった自社IPに加え、ワーナー系のDCスタジオ作品、新ドラマシリーズが2027年に放送予定の『ハリー・ポッター』シリーズ(2001年~)なども含まれる。

自社放送ネットワークを持たないワーナー・ブラザース・テレビジョンは近年、他社への番組販売で最大級のシェアを誇っている。
同スタジオは、HBOとストリーミングサービスのMax(旧:HBO Max)に加え、Netflix、Apple TV、Hulu、プライムビデオというほとんどの大手ストリーミングサービスで放送中・制作中のシリーズを保有している。さらにパラマウントとの合併後、CBSも傘下に加わることになる。
合併による課題も――パラマウントは人員削減と再編を予定?
ワーナーとパラマウントの合併成立に向けては、アメリカとヨーロッパの各規制当局の承認を得なければならない。もし合併が成立した場合、統合後のテレビスタジオ部門は巨大化し、他のスタジオを凌駕するだろう。
ただし、その道のりは単純ではない。まず、パラマウントはこの取引によって数百億ドル規模の負債を抱えることになる。同スタジオは2025年のスカイダンスとの合併後、1,000人以上の従業員を解雇(レイオフ)している。スカイダンスより遥かに大規模なワーナーとの合併となれば、さらなる人員削減とコスト削減に乗り出す可能性がある。
類似のケースとして、2019年のディズニーによる21世紀フォックス買収が挙げられる。この買収後、両スタジオのテレビスタジオ部門は複数回の組織再編を経て、2024年に20th テレビジョンの1社に統合された。
パラマウントはさらに複雑な経緯を辿っている。スカイダンスとの合併を見据えた2024年8月、同スタジオはコスト削減のためにパラマウント・テレビジョン・スタジオズ(PTVS)を閉鎖した。そしてその1年後、スカイダンスとの取引成立が間近に迫る中で、PTVSを復活させ、スカイダンス・テレビジョンの作品を統合した。
こうした経緯を経ているパラマウントは、ワーナーの買収にあたり慎重を期す必要がある。両スタジオのテレビ部門は、今後しばらく見通しが不透明な中で事業を続けることになるだろう。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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