今見るべき海外ドラマ10選|米ドラマでは物足りない人におすすめ!各国の歴史・サスペンス・コメディ傑作を厳選
今年、世界ではさまざまなジャンルから多くの傑作海外ドラマが生まれている。本記事では、オーストラリアの奥地を舞台にした骨太な刑事ドラマ、ベルギーの近未来ディストピア作品、イギリスの風変わりなコメディなど、マニア必見のドラマ作品10選を紹介する。
1. 『アナトミー・オブ・ア・モーメント』

スペインにおける激動の民主化移行期を、非常に精緻な手法で描き出したのが、歴史ドラマ『アナトミー・オブ・ア・モーメント(原題:Anatomy of a Moment)』だ。
本作は、スペイン社会をファシズムへ逆行する危機に陥れた、1981年のクーデター未遂事件を題材としている。本シリーズは、民主主義がいかにもろい均衡の上に成り立っているかを、力強く、かつ切実に描き出している。
ハビエル・セルカスのベストセラーを原作とし、アルベルト・ロドリゲス監督がメガホンを取った本作は、Movistar Plus+が制作・配信を手がけた。このクーデターの首謀者の一人とされるアドルフォ・スアレス首相を、『ペーパー・ハウス』(2017年)で知られるアルバロ・モルテが演じた。
2. 『バーデン・オブ・ジャスティス』

スウェーデンの司法制度を軸に据えたドラマ『バーデン・オブ・ジャスティス(原題:Burden of Justice)』は、法廷における極限の緊張感と、北欧スリラー特有の不安感を融合させた現代的なドラマだ。
物語の舞台は、麻薬王や富裕層の性犯罪者の弁護を引き受けている、ストックホルムの高級法律事務所「マッソン&マルコヴィッチ」。新たな法律によって、正義と便宜性の境界が曖昧になっていく中、変化を余儀なくされる弁護士たちの姿を追っている。
『イージーマネー:新たな時代』(2021年~)などを手がけた脚本家イェンス・ラピドゥスによる本作は、安易な答えを避け、倫理的にグレーな世界へと踏み込んでいく。国際販売はDR Salesが担当している。
3. 『ディア・キラー・ナニーズ』

コロンビア発の『ディア・キラー・ナニーズ(原題:Dear Killer Nannies)』は、麻薬王パブロ・エスコバルの物語を、彼の息子の視点から新たに描いている。
エスコバルの息子は、父親が雇った殺し屋たちが「乳母」として仕えるという特殊な環境の中、裕福な環境で育てられた。本作は、暴力と犯罪の歴史として知られる物語を、より身近に感じられる視点から捉え直している。
本作はエスコバルの回顧録を基に制作され、Netflixの大ヒット作『El marginal』(2016年)のショーランナー、セバスティアン・オルテガが共同で手がけた。販売はウォルト・ディズニー・カンパニーが担当し、ディズニープラスおよびHuluで配信されている。
4. 『ダストフォール』

オーストラリア発の『ダストフォール(原題:Dustfall)』は、ノワール犯罪ドラマの要素を持つ作品である。物語は、クイーンズランド州のサトウキビ畑で、記憶喪失の若い女性が裸で血まみれの状態で発見される場面から始まる。
捜査に関わる刑事ティグ・ポラードを、『THE LAST OF US』(2023年~)や『マインドハンター』(2017年~)のアナ・トーヴが演じる。彼女は、事件の背後に潜むより深く暗い真実へと迫りながら、自身の過去のトラウマと向き合っていく。
本作は、性的暴力と搾取がさまざまな形で及ぼす影響を、より広い視点から掘り下げている。オーストラリアのABC、BBC、ドイツのZDFの共同制作で、国際販売はフェデレーション・インターナショナルが担当している。
5. 『スモール・プロフェッツ』

『スモール・プロフェッツ(原題:Small Prophets)』は、『Detectorists』(2014年~)の監督・脚本を手がけたマッケンジー・クルックの新作コメディ。本作は日常の中に潜む不思議をすくい上げ、「お仕事コメディ」の要素と、悲しみや驚きといった感情が交差する、哀愁を帯びたユーモアが魅力となっている。
ピアース・クイグリー演じる主人公マイケル・スリープは、7年前のクリスマスイブに恋人クレアが失踪して以来、惰性で生き続けている。ホームセンターで働きながら、作り話で客をからかうのが日常となったマイケル。いつかクレアが戻ってくることを願いながら、荒れ放題の庭のある静まり返った家で日々を過ごしている。
そんな中、風変わりで認知症の父親ブライアン(演:マイケル・ペイリン)が、普通ではあり得ない解決策を持ちかけたことで、マイケルは思い切って一歩を踏み出す。そこから物語は、奇妙でありながらどこか神秘的で、まったく予想のつかない展開へと転がっていく。本作はBBCが制作し、スフィア・アバカスが世界販売を担当している。
6. 『ザ・ベスト・イミグラント』

ベルギー発の『ザ・ベスト・イミグラント(原題:The Best Immigrant)』は、移民政策がショーとして消費される近未来を描いた作品だ。
極右政権に支配され独立したフランダース地方は、外国生まれの住民は国外追放の対象となる。しかし、とあるリアリティ番組で優勝すれば居住権を獲得でき、運命を覆すことができる。まるで現実のICE(米移民・関税執行局)と『イカゲーム』(2021年~)を掛け合わせたような世界観だ。
ラウル・フルートハイゼンとクリスティーナ・ポッペが手がけた本シリーズは、ディストピア的な未来を描きながらも、現実と地続きに感じられる生々しさを備えている。命懸けで競い合う移民たち一人ひとりの物語に焦点を当てることで、その緊張感はより切実なものに感じられる。
本作はベルギーの配信プラットフォームStreamzで放映され、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンが世界販売を担当している。
7. 『ザ・フロウズ』

ドイツのレイザー・フィルムと公共放送ZDFが手がけた『ザ・フロウズ(原題:The Flaws)』は、お仕事コメディをよりシュールな領域へと押し広げた作品だ。
本作は、成績の振るわない公務員たちが、ひょんなことから次々と災難に見舞われるドタバタ劇を描いている。官僚主義への痛烈な風刺から始まった物語は、やがてよりフィジカルで不条理な方向へ展開していく。
ドイツのカルト的人気のコメディドラマ『シュトロンベルク(原題:Stromberg)』(2004年~)や『デア・タトールタイニガー(原題:Der Tatortreiniger)』(2011年~)で知られるアルネ・フェルトフーゼン監督は、身体表現やスラップスティックを大胆に取り入れ、現代の労働文化や組織の機能不全を風刺している。
8. 『ゼーズ・セイクリッド・ヴァウズ』

ジョン・バトラー監督によるクライムコメディ『ゼーズ・セイクリッド・ヴァウズ(原題:Those Sacred Vows)』は、テネリフェ島にある貸し別荘のプールに、神父の遺体が浮かんでいる場面から幕を開ける。
その島には1週間前、アイルランド人の一団が結婚式のために訪れていた。合成麻薬でハイになったDJから、のちに死亡する神父まで、登場人物たちはそれぞれ後ろ暗い秘密を抱えている。
本作は、コージーミステリー的な心地よさを装いながら、欺瞞や偽善、裏切りといった人間の本性をえぐり出す、辛辣な社会派コメディとなっている。RTEが制作し、バニジェイ・ライツが世界販売を担当している。
9. 『アンフィルタード』

スペイン発の『アンフィルタード(原題:Unfiltered)』は、デジタルアイデンティティと青春を優しいまなざしで描いた作品だ。ネット上でのペルソナと現実の自分の境界について葛藤する、3人の10代の若者たちを追う。
中でも注目されるのは、トランスジェンダーの少年チャーリーだ。彼はデジタルツールを使って自らの外見を変えようとするが、2つのアイデンティティが衝突し、さまざまな問題が生じていく。
アマヤ・イスキエルド監督は、Z世代とデジタル空間の関係性を、抑制しつつも絶妙なバランスで描き出した。テクノロジーの解放的な面と有害な面を同時に捉え、若者たちのアイデンティティと成長を繊細に描き出している。本作はカタルーニャのストリーミングサービス3CATが制作し、世界販売も担当している。
10. 『バリオラ・ヴェラ』

ポーランド発の『バリオラ・ヴェラ(原題:Variola Vera)』は、1963年にヴロツワフで発生した天然痘の集団感染を題材に、医療ドラマとスパイスリラーを融合させた作品だ。
ウイルス封じ込めのために都市が封鎖される中、機密任務から帰還した諜報員や、感染拡大と闘う医師たち、そして真実を追うジャーナリストなどの物語が、緊密に絡み合っていく。
クバ・チェカイ監督による本作は、実際の映像と俳優の演技を組み合わせた、前衛的な映像表現が特徴だ。単なる時代劇にとどまらず、歴史的危機を現代的な視点から解釈している。本作は、ポーランド国営放送TVPが制作と世界販売を担当している。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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