【THRJ独占インタビュー】コズモ・ジャーヴィスが語る『SHOGUN 将軍』を見るべき理由とは?

Cosmo Jarvis portrait by Elliot Kennedy
Cosmo Jarvis portrait by Elliot Kennedy

国内外で注目の集まる『SHOGUN 将軍』がついに先月ディズニー公式動画配信サービスDisney+(ディズニープラス)「スター」にて独占配信開始となった。

真田広之がハリウッド初主演、プロデューサーを務める本作は、ディズニーが持つ製作会社の一つ「FX」が制作した、壮大なスケールを誇る戦国スペクタクルドラマシリーズ。

元となったのは、徳川家康をはじめとする歴史上の人物からインスパイアされたベストセラー小説『将軍』。

今回、ザ・ハリウッド・リポーター・ジャパンは、全世界から既に大絶賛を受けるこの作品のインタビューシリーズを行う機会に恵まれた。

『SHOGUN 将軍』鉄砲を持つ安針
(c) 2024 Disney and its related entities 
Courtesy of FX Networks

演技派俳優としてハリウッドで活躍するコズモ・ジャーヴィス。

本作では、戦国時代に日本に漂流した英国人、ジョン・ブラックソーン(按針)役を務めた。

出演の経緯や日本との繋がり、真田広之をはじめとした日本人キャストとの共演などについて話を伺った。

この記事では独占インタビュー全容を、THRJ読者の皆様に特別に紹介する。

———— 今回、ジョン・ブラックソーン役を演じることに至った経緯について教えてください。元々、日本との繋がりはありましたか?

いや、何もなかった。日本についてはほとんど知識がなかったんだ。まだ日本に行ったこともない。

盆栽とか、ぼんやりとした日本文化しか知らなかった。

台本を読んで、3回か4回、オーディションを受けたんだ。それで、今回の役をもらった。

———— この役を演じてみて、将来的に日本を訪れてみたいと思いましたか?

もちろん。実は、『SHOGUN 将軍』のジャパンプレミアが3週間後にあって、それが僕の初来日になる予定なんだ。

とても楽しみにしているよ。

———— ジョン・ブラックソーン役を演じるにあたって、日本の歴史、特にブラックソーンのモデルとなったウィリアム・アダムス(三浦按針)について調べましたか?

または、原作小説『SHOGUN』やリチャード・チェンバレン版のドラマ『将軍 SHOGUN』などを見てリサーチしたのでしょうか?

実はオリジナルのドラマシリーズは見てないんだ。

舞台となる1600年代の英国人がどんな環境で暮らしていて、どんなことを知っていたのか、ということについては少し勉強したよ。でも、そういった情報はジェームズ・クラベルの原作本に全て記載されていた。

原作の小説はフィクションだけど、歴史的事実や情報がたくさん詰まっている。とても教育的な視点で描かれているんだよ。

時代背景や当時の航海についてなど、基本的なことは事前に勉強した。でも、日本のことについては敢えて勉強しなかった。

僕の役は何も知らない状態で日本に辿り着くからね。日本に関する知識は制限するのが適していると思ったんだ。

『SHOGUN 将軍』安針、ジョン・ブラックソーン
(c) 2024 Disney and its related entities 
Courtesy of FX Networks

———— 今回の『SHOGUN 将軍』公開によって、西欧の若い世代へ興味や関心の影響はあると思いますか?

もちろん、間違いなくあると思う。

特に当時の日本文化は本当に魅力的で、現在に至ってもアートやポップカルチャーの中に受け継がれている。

それに多くの西欧人が魅了されているんだ。この作品もまた、その一役を買うと思うよ。

———— 日本人の視点から見ても衣装やキャラクターの描写がとても本格的でした。これは主演でありプロデューサーの真田広之さんの尽力があってのことだと思いますが、彼との映画の撮影・製作はいかがでしたか?

本当に貴重な経験だった。

彼はとても素敵な人だ。それ以上に、吉井虎長役としてもプロデューサーとしても、最高の作品を作ろうという意思を徹底的に貫いていた。

彼の熱意は全ての側面にあって、細心の注意が作品の全体に行き渡っている。

俳優としての共演では、雄大な雰囲気を作り上げることができた。

彼が一つ一つのシーンで、最大限の可能性を引き出しているのがわかると思うよ。

———— 共演シーンが多かったと思われる、アンナ・サワイさんとの撮影はいかがでしたか?

素晴らしかったよ。彼女はとても愛らしい人だ。

彼女とは共にシーンを念入りに作り上げ、リハーサルすることでお互いのモチベーションになっていた。

二人のストーリーの中で、役の動機の筋が通るよう、想像上の可能性について深く掘り下げていったんだ。

全てにおいて良い経験だった。彼女の経験が豊富なのも直ぐにわかったよ。

———— ご自身は『レディ・マクベス』(2020) や『説得』(2022) など、多くの時代劇作品へご出演をなさっていますが、これは好みなのでしょうか? これまでに経験してきた時代劇作品と日本の歴史物で、出演する上での違いを教えてください。

とても興味深い質問だね。

『SHOGUN 将軍』は大昔の時代が舞台になっている。1600年代は、経験した作品の中で最も古い時代だ。

また、作品の規模が今までに出演したどの歴史物作品より大きかった。

各登場人物における多くの挑戦や、彼らが辿る運命など、目を見張る要素がたくさんあった。

それに、登場人物の数や、その複雑な関係性も、他とは全く違っていた。

———— ご自身の意見でズバリ、「日本人がこの作品を見るべき理由」はなんでしょうか?

少しふざけた回答をすれば「他の人たちが見るべき理由と全く変わらないね」と言いたいな(笑)

真剣に答えれば、原作者が日本の歴史について本当に入念に調べ込んだということだ。実際に起きたことや特に重要だったことをリサーチしてね。

本作はフィクションだけど、当時の日本の歴史や、実在した人物を元にしている。

僕も今まで知らなかった時代だ。僕には未知の世界で、見たことも聞いたこともなかった。

1600年代の日本を生き抜いた人々のドラマを架空の登場人物を通して見るのは、日本の皆さんにとっても面白いと思う。驚くほど興味深くて複雑な歴史だからね。

原作者は日本の歴史を綿密に学んだんだ。もちろん、フィクションの要素が含まれているし、現代に合わせて再構成された作品だ。

でも、彼の研究に作品を通して触れられるのは幸運なことだと思う。

また、今までの技術では当時の日本を映像化するのは難しかった部分もある。今作では、チームの努力と技術進歩によって可能にすることができた。

壮大な映像は世界中の人々、そして中でも日本の人々を魅了すると思う。

———— 先ほど、3週間後に来日するとおっしゃっていました。特に楽しみにしていることや訪れたい場所はありますか?また、将来的に仕事を共にしたい日本の映画監督や俳優はいますか?

なにも考えてなかったな。

もちろんチャンスがあれば日本の映画制作者と一緒に仕事したい。秀逸な才能のある人が多いからね。

でも今回の来日では、色んな場所を見て回ることを楽しみにしている。一度も行ったことがないからね。

日本は写真で見たり本で読んだりしたことしかなかった。だから街を歩き回るだけでも楽しいと思うんだ。

———— 最後に、何か日本の皆さんに伝えたいことはありますか?

『SHOGUN 将軍』を是非楽しんでほしいということかな。気に入ってくれると思う。

僕の下手な日本語に関しては、事前に謝っておくよ(笑)

※本取材は2024年1月末に行われたものです。

取材:Hersey Shiga Media デビッド・シュナイダー/David Schneider

記事・翻訳:The Hollywood Reporter Japan 山口 京香/Kai Yamaguchi

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