セレーナ・ゴメスが語る、エミー賞初ノミネートへの思い、メリル・ストリープとの共演 ―「本当に幸運」【インタビュー】

セレーナ・ゴメス、『マーダーズ・イン・ビルディング』写真: Patrick Harbron/Hulu
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歌手・俳優として活躍中のセレーナ・ゴメスがこのたび、米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに登場。

今年のカンヌ映画祭では新作『Emilia Pérez(原題)』で最優秀女優賞を受賞、さらにエミー賞ではドラマ『マーダーズ・イン・ビルディング』(Disney+でシーズン1~3配信中)で自身初のエミー賞ノミネートを果たすなど絶好調のゴメス。

「役者の仕事は、つねに私の中心にありました」と明かすゴメスに、『マーダーズ・イン・ビルディング』で演じているメイベルの成長や、メリル・ストリープとの共演、そしてエミー賞への思いなどについて話を聞いた。


―エミー賞への初ノミネートおめでとうございます!共演者の方々とどんな風にお祝いしましたか?

(マーティン・ショートとスティーヴ・マーティンから)お花を受け取りました。私はLAにいて、マーティもスティーヴもそれぞれバラバラのところにいたんです。また会えた時に、お祝いするつもりです。

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このように評価される作品に出演でき、ただただ光栄な思いです。他にもたくさん素晴らしいシリーズがあるので、本当に幸運ですね。自分が選出されるという機会を得られたことは、光栄です。心の中では、すでに受賞したような気分です。

―『マーダーズ・イン・ビルディング』は、毎シーズン新鮮ですね。同じことの繰り返しにならないように、どんな工夫をされていますか?

それは完全に脚本家たちの功績ですね。私は現実主義者なので、心の中では「一体何人の人がこの建物にいて、こんなことが起きているんだろう?」と思ったりもするのですが、彼らは物語の筋を説明するたびに、それぞれのキャラクターが経験することになる重要な変化を示してくれます。

私が演じるメイベルに関しては、本当に成長の余地を与えてくれているんです。これまでの彼女は路頭に迷った感じでしたが、このシーズンでは自分自身や状況をうまくコントロールできています。なので、番組と一緒に成長できていることを誇りに思います。

クリエイターのジョン・ホフマンは、つねに新鮮なアイデアを持っていて、みんなで肉づけしています。しっくりこないことがあれば、一緒に練り直すんです。セリフについて、『こんな感じでもっと面白くできるかな』とスティーヴとマーティにアドバイス求めることもありますよ。まさに大家族という感じで、一緒にいられて凄く幸せです。

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―メイベルはシーズン3で非常に大きな変化を経験します。これまでのシーズンとは準備が異なりましたか?

あらゆるプロセスが違っていました。特に、数々のゲスト俳優陣の登場は本当に楽しかったですね。これまでは、順番にシーンを撮影していたのですが、他の俳優のスケジュールの都合などもあり、今回はバラバラにシーンを撮影しました。

『あれ、私は今7話を撮っているんだっけ?それとも4話の再撮影?』といった感じで、少し戸惑いもありましたが、それを除けば楽しかったです。今までとは違っていて、良かったです。

―メリル・ストリープとの共演についてお聞かせください。お気に入りの共演シーンはありますか?

メリルは「このドラマが大好き」と現場のみんなに言ってくれて、凄く興奮した様子でした。初日は、たしか彼女と言葉を交わさなかったと思います。メリルのことは本当に尊敬しているんです。彼女は、本当に謙虚で、プロ意識が高く優しくて、信じられないほど才能がある人。メリルから学べることは本当にたくさんあります。

お気に入りのシーンは、メリルがステージで歌うところですね。彼女は、アカペラかつ生でパフォーマンスをしたのですが、鳥肌が立つような瞬間で涙してしまいました。私はそのシーンにいなかったのですが、オーディエンスの中に座っていて心から感動していました。メリルが自分の作品に身を捧げる姿は並外れていて、素晴らしかったです。

―シーズン4にはどんなことを期待できますか?

これまでで最もエキサイティングなシーズンになっていると思います。あまりにも楽しかったので、これは自信を持って言えますね。作品が出来ていく様子は、本当に魔法のようでした。私にとって、今までで最もお気に入りのシーズンになるでしょう。

―今年のカンヌでは、映画『Emilia Pérez』で最優秀女優賞を受賞されました。スペイン語の演技は本作が初めてだったそうですね。

はい!本当に素晴らしい経験でした。この役のためにオーディションを受けたのですが、発音コーチとスペイン語に取り組んだり、とにかく半年間全力を尽くしました。オーディションでは、いくつかのセリフを間違うこともあって、ジャック(・オーディアール監督)は、『彼女はメキシコ系アメリカ人の役にした方がいいかも』と提案しました。

私は英語とスペイン語を話す役で、中南米にルーツを持ち、アメリカに暮らしているラティーネクスの人々に凄く近かったので、みんなで話し合いました。みんなでジェシーというキャラクターを作り上げることができたので、本当に感謝しています。

おそらく、映画『スプリング・ブレイカーズ』以来の最高の撮影現場だったと言えます。これまでさまざまな優れた作品に出演できてとても幸運ですが、この2本には思い入れがあるんです。なぜなら、自分が恐れを抱き、挑戦してみたいと思える作品だからです。

『Emilia Pérez』には物凄くワクワクしていて、作品への反応にかなり衝撃を受けています。一方でその反響の大きさは、当然のことだとも思えます。この映画に登場する女性たちは、本当に最高なんです。


※初出は、米『ハリウッド・リポーター』(8月号)。本記事は英語の記事から抄訳・編集しました。翻訳/和田 萌

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