『SHOGUN 将軍』はアメリカ人にとって「面白くない」 80年版の監督が持論

島田陽子、リチャード・チェンバレン、『将軍 SHŌGUN』写真:Courtesy of Everett Collection
島田陽子、リチャード・チェンバレン、『将軍 SHŌGUN』写真:Courtesy of Everett Collection
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真田広之主演のFXドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』のシーズン1は、ゴールデングローブ賞など、2025年に入っても賞レースでの成功を続けている。しかし、過去の映像化作品に関わった重要人物の一人は、新作の魅力を理解できないようだ。

1980年9月にNBCで放送されたミニシリーズ『将軍 SHŌGUN』を監督したジェリー・ロンドンは、米『ハリウッド・リポーター』に対し、80年版は西洋の視聴者にも理解しやすい作品を目指していたが、新作はその点が欠けていると指摘。「新しい『SHOGUN』はアメリカの視聴者にとって面白くない」と語る。


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ジェームズ・クラベルによる1975年の小説を原作とする80年版は、リチャード・チェンバレンが英国人航海士ジョン・ブラックソーンを演じ、武将・虎永(三船敏郎)との政治的駆け引きや、日本文化を教える鞠子(島田陽子)との恋愛に直面する物語だった。批評家からは高く評価され、エミー賞やゴールデングローブ賞でも賞を獲得した。

「私の『将軍』はブラックソーンと鞠子のラブストーリーを中心に描いていたが、新作は日本の歴史を基にしており、主に虎永に焦点が当てられている。非常に専門的な内容で、アメリカの視聴者にとって理解しづらい。多くの視聴者と話したが、『内容が分からなくて途中で見るのをやめた』と言う人が多かった。新作の製作者たちは、アメリカの視聴者を意識していないのだろう」

原作者ジェームズ・クラベル、ジェリー・ロンドン監督、脚本家のエリック・バーコヴィッチ 写真:Courtesy of Everett Collection

「彼らは、基本的に日本向けに作ったのだ。それは嬉しかった。自分の作品をコピーされたくなかったから。私は素晴らしい仕事をしたと思っているし、多くの賞も獲得した。しかし、私が話した人は皆、新作について『内容が理解できない。何の話なのか?』と言っていた。私は全編を観たが、見続けるのが非常に難しかった。エミー賞を総なめにしたのは、競争相手となるような大作がなかったからだ。競争がほとんどなかった」

エミー賞の投票者たちが新たな『SHOGUN』に感銘を受けたことは間違いない。すでにシーズン2の制作も決定している本作は単一シーズンで最多となる18冠を達成し、史上初めて最優秀ドラマシリーズ賞を受賞した日本語作品となった。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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