『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』出演のヘイリー・アトウェル―撮影を中断させたホッキョクグマとリクガメについて語る

ヘイリー・アトウェルが5月18日に開催された『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』のプレミアに出席。 写真:Dimitrios Kambouris/Getty
ヘイリー・アトウェルが5月18日に開催された『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』のプレミアに出席。 写真:Dimitrios Kambouris/Getty
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ヘイリー・アトウェル、想定外の動物と対面

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の撮影中、ヘイリー・アトウェルは思わぬ動物との遭遇に見舞われた。北極圏ではホッキョクグマが現れて撮影が中断された。さらに、南アフリカではリクガメの通過を待つことに。アトウェルは「まさか自分がこんなことを言う日が来るとは」と驚きを語った。

世界を駆け巡った過酷な撮影

今作では、ヘイリー・アトウェル演じるグレースがIMFの一員として、悪のAI「エンティティ」に立ち向かう。撮影はスヴァールバル諸島と南アフリカで行われたが、パンデミックとストライキの影響も重なり、困難続きだった。

前作『デッドレコニング』に続き本作も連続して撮影したアトウェルは、シリーズ特有の過酷さを実感。「『M:I』の撮影とは、まるで映画の任務そのもの」と語っている。

本作はクリストファー・マッカリー監督による最終章となる可能性があり、トム・クルーズと共に世界を舞台にした壮大なアクションが描かれる。

米『ハリウッド・リポーター』(THR)とのインタビューで、アトウェルはトム・クルーズが恐怖をどのように活かしているかを語った。


──あなたがすご腕のスリだというのは知っていましたが、ポップコーンキャッチの達人もあるとは知りませんでした。

(笑)ありがとう。いろんな才能があるの。

──命がけのスタントなんていらなかったんですね。トム・クルーズがポップコーンを投げてくれれば。

そうそう!しかもおいしかった!

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』より、グレース役のヘイリー・アトウェル
写真:Paramount Pictures and Skydance
ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』より、グレース役のヘイリー・アトウェル
写真:Paramount Pictures and Skydance
──2部作の契約は2019年からでしたが、まさか2025年まで続くとは思っていなかったのでは?

アクション俳優としてスキルアップできる機会だとわかっていた。厳しいトレーニングになるとも思っていた。監督たちを信頼していたけど、ここまで時間がかかるとは想像していなかった。7作目と8作目ということで、作品のトーンやターゲット層は理解していたし、良いチームに参加できたと確信していた。

──2作品の撮影が重なっていたことも?

撮影順は非線形で、はっきりとは覚えてない。でも常にグレースとしてその瞬間を生きていた。だから「これは何年に撮ったっけ?あれは3年後に撮り直したかも」なんて感じ。観客として完成作を観たとき、自分も旅を追体験したような気持ちになった。

──『M:I』シリーズは常に変化していると以前も話していましたが、完成形を把握できたのは日本プレミアのとき?

本当にそう。とにかく撮影した量が膨大で、登場人物も多く、壮大な物語になっている。シリーズ全体の集大成として構成されていて、チームの絆や自己犠牲といったテーマが深く描かれている。だから感情的にも強いインパクトがあった。観客と一緒に映画館で観られたのが本当に良かった。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』より
ヘイリー・アトウェル(グレース)、サイモン・ペッグ(ベンジー)、ポム・クレメンティエフ(パリス)、グレッグ・ターザン・デイヴィス(デガ)
写真:Paramount Pictures and Skydance
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』より
ヘイリー・アトウェル(グレース)、サイモン・ペッグ(ベンジー)、ポム・クレメンティエフ(パリス)、グレッグ・ターザン・デイヴィス(デガ)
写真:Paramount Pictures and Skydance
──グレースは、イーサンの暴力的な行動に驚いていました。今までも見てきたはずなのに、なぜ今回は?

あのレベルの暴力は初めてだったと思う。彼女はスリだから、逃げたり身を守ったりするのは慣れてるけど、積極的に危害を加えるタイプじゃない。『デッドレコニング』の時点ではイーサンを完全には信頼していなかった。だから、今作で信頼を置いていた相手が必要なら暴力もいとわない人だったと知って、動揺したんだと思う。

──北極での犬ぞり体験は?

刺激的で力強くて、非現実的で素晴らしい体験だった。ホッキョクグマが現れて撮影を止めたことなんて、自分の口から出るとは思ってなかった。氷上での信頼関係が重要だったから、夜はみんなでカードをしたり一緒に食事をして、チームの絆を深めた。

──他の映画ならホッキョクグマの話で驚くけど、『M:I』なら日常の一コマですね。

(笑)本当に!南アフリカでも、山道でリクガメが横断していて、車を止めて通り過ぎるのを待った。まさに『M:I』の日常!


『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』より
ポム・クレメンティエフ、グレッグ・ターザン・デイヴィス、トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヘイリー・アトウェル
写真:Courtesy of Paramount Pictures and Skydance
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』より
ポム・クレメンティエフ、グレッグ・ターザン・デイヴィス、トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヘイリー・アトウェル
写真:Courtesy of Paramount Pictures and Skydance
──『デッドレコニング』では手錠をかけたままローマをドライブしていましたが、今作では水中でイーサンを蘇生させる場面が。どれが一番大変でしたか?

PADIのダイビング資格を取ったから、それを活かせたのが嬉しかった。水中では冷静でいることが重要。パニックになると危険だから、意識的にリラックスした状態を保つ。それが瞑想のようで気に入っていたし、新しいスキルとして今後にも活かせる経験だった。

──トムは「映画を作るのは自分の一部」と話していましたが、なぜそこまで命を懸けるのでしょう?

彼はアクロバット飛行ができるほどの優れたパイロットだし、スピードが好き。子どもの頃から常に何かに飛び乗ったり飛び降りたり、自分を試してきたタイプ。生まれつき冒険心にあふれた人で、それを映画で体現して観客と共有している。彼にとって自然な生き方なんだと思う。

──スタントの前に、彼が本当に怖がっている瞬間を見たことは?

ある。彼は何かに挑むたびに恐怖を感じている。でもそれに屈しない。そこが本当に尊敬できる。恐怖を感じるのが人間で、それを受け入れながらも行動する彼の姿勢はとても人間らしくて力強い。

──グレースの本名について、作中では「Mar Fr」の文字が映りましたが、実際の名前は?

私も知らない(笑)。「グレース」と名付けられたのは『デッドレコニング』の途中なの。トムとマッカリー監督が現場での私の姿やトレーニングの様子を見て「グレース」と名付けてくれた。それがとても嬉しかった。

──『M:I』第1作から登場していたビル・ドンロー役のロルフ・サクソンさんとの共演は?

彼は舞台経験も豊富で素晴らしい俳優。同じく舞台出身の私とはすぐに打ち解けた。彼の演技には静かな強さと温かさがあって、観客も再登場を喜んでくれるはず。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』より
ヘイリー・アトウェル(グレース)と、ルーシー・トゥルガルジュク(タピーサ)が登場するシーン
写真:Paramount Pictures and Skydance
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』より
ヘイリー・アトウェル(グレース)と、ルーシー・トゥルガルジュク(タピーサ)が登場するシーン
写真:Paramount Pictures and Skydance
──ルーシー・トゥルガルジュクとの共演も印象的でした。

彼女とは北極で絆を築いた。劇中では言葉が通じない設定だから、価値観の共有と信頼をどう見せるかを一緒に作り上げた。彼女は賢くて優しくて、静かな力を持つ人。共演できて本当にありがたかった。

──グレースの物語はこれで終わりでしょうか?

それは観客に委ねたい。この映画は壮大なスペクタクルであり、過去の全シリーズの集大成。ぜひ大スクリーンで観て判断してほしい。

──何十年後、揺れるロッキングチェアで最初に孫に話す思い出は?

やっぱりホッキョクグマの日かな。あの環境にいられたことは、シリーズに参加していなければ経験できなかった。自然の偉大さに心打たれた。

──ペギー・カーターとの再会の可能性は?

何度も同じキャラを演じることは稀で、いつも光栄に思っている。彼女は自分の価値を理解しているキャラクターで、そういう価値観を象徴しているから、名前を挙げてもらえるだけで嬉しい。


『ファイナル・レコニング』は、2025年5月23日より世界各国で劇場公開予定である。シリーズの集大成として、ヘイリー・アトウェルの新たな挑戦と成長を描いている。彼女の演技と努力が、作品に新たな深みを加えている。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら

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