山﨑賢人&土屋太鳳が語る『今際の国のアリス』シーズン3──世界的人気と“トラウマ”への向き合い方

(左から)土屋太鳳、山﨑賢人、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』シーズン3より 写真:Netflix
(左から)土屋太鳳、山﨑賢人、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』シーズン3より 写真:Netflix
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シリーズは、謎と死が支配する〈ボーダーランド〉へ再び戻る。大ヒットを記録した日本発のSFシリーズ『今際の国のアリス』シーズン3が、9月25日(木)に配信が開始された。

作品概要と視聴実績

本作は麻生羽呂の人気漫画を実写化した作品であり、Netflix史上最も視聴された日本タイトルとして知られている。2022年12月にシーズン2が公開されて以降、わずか4週間で累計2億時間以上の視聴時間を叩き出したという。

さらに、『今際の国のアリス』は90か国以上でNetflixのトップ10入りを果たし、日本国外でも確固たるファン層を築いた。漫画原作作品や、いわゆる「デスゲーム」を題材にした作品への世界的な需要の高さを裏付ける結果である。

Netflixシリーズ『今際の国のアリス』より 写真:Netflix
Netflixシリーズ『今際の国のアリス』より 写真:Netflix

東京ローンチイベントの模様

『今際の国のアリス』がNetflix Japanにとっていかに重要な作品であるかを示すように、同社は今月初め、東京でシーズン3のローンチイベントを開催した。

会場にはグッズや体験型ゲームを揃えたポップアップショップが設けられ、さらに豪華なプレミアイベントさながらの催しも行われた(ただし映像の上映はなかった)。観客はシーズン3出演者によるライブQ&Aに耳を傾けることができたのだ。

来場者はファンやジャーナリストに加え、インフルエンサーのKawaii Coco、そして意外にもAEW所属のプロレススーパースター、ケニー・オメガなど、多彩な顔ぶれであった。日本と深い縁を持ち日本語も堪能なオメガは、米『ハリウッド・リポーター』の短いインタビューで、『今際の国のアリス』が自身の“いちばんのお気に入り”だと語った。

『今際の国のアリス』シーズン3の東京ローンチイベントにて 写真:Netflix
『今際の国のアリス』シーズン3の東京ローンチイベントにて 写真:Netflix

監督・主演の続投

ファンにとって嬉しい知らせは、『今際の国のアリス』シーズン3の監督兼共同脚本を再び務めるのが佐藤信介であるという点だ。主演の山﨑賢人土屋太鳳(それぞれアリスとウサギを演じる)も続投する。さらに、東京でのローンチイベントで新キャスト陣も発表された。

今回新たに加わるのは、磯村勇斗、三吉彩花、毎熊克哉、大倉孝二、須藤理彩、池内博之、玉城ティナ、醍醐虎汰朗、玄理、桐生さくら、三河悠冴、岩永ジョーイ、池田朱那、そして賀来賢人という豪華な顔ぶれである。

シーズン3のあらすじ

シーズン3は、ウサギとアリスが〈ボーダーランド〉の東京から「脱出」し、病院で目を覚ます場面から物語が再開する。2人は次第に、自分たちが渋谷に隕石が衝突した際の生存者であったことを知る。しかし重要なのは、彼らの〈ボーダーランド〉やゲームに関する記憶が完全に失われている点である。

公式のログラインには「ウサギが、死後の世界に取り憑かれた謎の学者に拉致され意識を失った後、アリスは彼女を救うため、再び危険な〈ボーダーランド〉へと舞い戻る。新たなプレイヤーたちと手を組み、彼らは未踏の“ジョーカー”ステージに挑み、元の世界に戻る道を必死に探さなければならない」と書かれている。

Netflixシリーズ『今際の国のアリス』より 写真:Netflix
Netflixシリーズ『今際の国のアリス』より 写真:Netflix

山﨑賢人と土屋太鳳が明かす作品への思い

東京でのローンチイベントを前に、米『ハリウッド・リポーター』は山﨑賢人と土屋太鳳にインタビューを行った。世界的な人気が高まる本作について、これまでとは大きく異なる展開を迎えるシーズン3への思い、そしてシリーズの大きなテーマである“トラウマ”とどう向き合ったかについて語った。


――まずは『今際の国のアリス』が世界中で大きな反響を呼んでいることについてお聞きしたいと思います。日本だけでなく海外の方々にも広く楽しまれているようですが、この国際的な成功をどのように受け止めていますか。

山﨑賢人:最初は驚きましたが、世界中のファンにこの作品を受け入れてもらえたことをとてもうれしく思っています。実はシーズン1の頃から、グローバルな視聴者に届ける作品をつくろうという決意を持っていました。その思いがシーズン3まで続いていることを、本当に誇らしく感じています。

土屋太鳳:世界中でこの作品が愛されていることは、本当に言葉にできないほど感動的です。〈ボーダーランド〉で描かれるテーマは、自分の暮らす社会や学校、あるいは私たちの演劇の世界の中にも通じるものがあると思います。生き残ることは私たちの人生の一部であり、その意味でこの作品は普遍的だと思います。だからこそ世界中の視聴者に共感していただけたのだと思います。

Netflixシリーズ『今際の国のアリス』シーズン3のキャスト 写真:Netflix
Netflixシリーズ『今際の国のアリス』シーズン3のキャスト 写真:Netflix

――作品そのものがとても過酷で、キャラクターたちは深いトラウマを抱えていますし、自殺や死、うつといった重いテーマも多く描かれています。俳優としてこのような感情的に厳しい世界に入り込むのは、大きな負担になることもあったのではないでしょうか。

山﨑賢人:本当にそうです。作品のテーマが心に重くのしかかり、数多くの試練がありましたが、それを乗り越えるために全力を尽くしました。その結果、世界中の視聴者の心を動かせる作品に携わることができたという自信につながったのです。そしてシーズン3まで続けられたことが、大きな励みとなっています。苦しい時期をどうにか乗り越えることができて、本当に良かったと思っています。

土屋太鳳:その重いテーマに向き合うのは確かに大きな挑戦であり、難しさでもありました。長い間、暗い場所に身を置き、ストイックに演じ続けると、心だけでなく体にも影響が及ぶことがあります。だからこそ現場では、意識的に笑うようにしていました。本当に笑いがたえない現場で、ずっと賢人さんやスタッフと会話を交わしていたのです。そのおかげで、この作品はただ残酷なだけではなく、愛情を感じさせてくれるものにもなったと思います。

Netflixシリーズ『今際の国のアリス』より 写真:Netflix
Netflixシリーズ『今際の国のアリス』より 写真:Netflix

――『今際の国のアリス』に戻ってきたことについてお聞きします。お二人はすでに5年以上この作品と共に歩んできましたが、改めて参加することをどのように感じていますか。そして今後についてですが、もしシーズン4やスピンオフの可能性があるとしたら、挑戦してみたいと思いますか。

山﨑賢人:私自身、この作品のファンでもあります。そのため、世界中の視聴者に愛されている作品をシーズン3として再びつくることには少しプレッシャーもありました。しかし、すばらしいチームとともに撮影に臨めたことで、現場では喜びに満ちていました。もちろん、この作品が今後どのような形で続いていくにしても、ぜひ参加したいと思っています。

土屋太鳳:シーズン2が終わったとき、これで物語を締めくくるのにふさわしいと思っていたので、シーズン3のお話をいただいたときは正直驚きました。先のことを考えると、まだご覧になっていない方もいらっしゃいますが、今シーズンではウサギが妊娠していて、将来的には子どもが登場することになります。主人公2人だけでなく、その子どもが〈元の世界〉へ戻る姿を描くことができれば、より家族的な物語になるはずです。それはとても面白い展開になるのではないかと思います。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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