伝説の歌姫ドリー・パートン、アカデミー賞関連授賞式を欠席へ

カントリー音楽界の伝説的シンガーであり、俳優、そして慈善活動家としても広く知られるドリー・パートンが、第16回ガバナーズ賞(現地時間11月16日開催)においてアカデミー理事会より授与される「ジーン・ハーショルト人道賞(友愛賞とも)」の受賞者に選ばれた。しかし、パートンはハリウッドでの授賞式には出席しないことが明らかになった。なお、欠席理由は健康上の問題ではなく、日程の都合によるものであると代理人が説明した。
健康上の問題と試練の一年
テネシー州在住の79歳のパートンは、今週初めに「健康上の問題」により、今年ラスベガスで予定されていた6公演を延期すると発表した。チケットは2時間足らずで完売しており、ファンにとっては残念な知らせとなった。さらに、パートンにとって今年は試練の年でもある。長年連れ添った夫のカール・ディーンが3月に亡くなったのだ。
欠席者の前例と今年の受賞者
ガバナーズ賞において、これまでも出席できなかった受賞者は少なくない。ジョン・キャリー、ジャン=リュック・ゴダール、ジェームズ・アール・ジョーンズ、ピエロ・トージ、デビー・レイノルズ、そして昨年は逝去直後のクインシー・ジョーンズもその例である。
パートン不在でも、彼女の功績は称えられることだろう。今年は名優でプロデューサーのトム・クルーズ、俳優・振付家・プロデューサーのデビー・アレン、美術監督のウィン・トーマスに名誉オスカーが授与される予定だ。
映画界に残した功績
パートンは世界でもっとも人気のあるカントリー歌手の一人であり、映画界においても確かな功績を残してきた。1980年の『9時から5時まで』や1982年の『テキサス1の赤いバラ』での演技は記憶に残るものであり、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。また、主題歌“9 to 5”や、2005年の映画『トランスアメリカ』の“Travelin’ Thru”はアカデミー賞歌曲賞にもノミネートされている。しかし、パートンの最大の遺産は、音楽でも映画でもなく、その慈善活動にあるであろう。
教育支援と「イマジネーション・ライブラリー」
読み書きを学ばなかった父を持つパートンは、子どもたちに本を届ける活動に数百万ドルを投じてきた。パートンが1988年に設立した「ドリーウッド財団」と、1995年に立ち上げた「イマジネーション・ライブラリー」を通じ、これまでに2億8500万冊以上の本が無料で配布されてきた。現在では、アメリカ全50州に加え、カナダ、イギリス、オーストラリア、アイルランドでも毎月数百万冊の本が未就学児に届けられている。
社会への貢献と医療研究支援
さらに、パートンはLGBTQコミュニティへの積極的な支持者であり、医療研究の重要な後援者でもある。2020年にヴァンダービルト大学医療センターへ100万ドル(約1億4,700万円※)を寄付し、モデルナのCOVID-19ワクチン開発初期を支えた。また、2022年には小児感染症研究に100万ドルを追加寄付している。
※2025年10月1日時点の為替レートで換算
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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