【インタビュー】あのピーター・パンが変わり果てた姿に…残虐スラッシャー映画『ネバーランド・ナイトメア』、スコット・チェンバーズ監督にインタビュー! 「窓から忍び込んで子どもを連れ去るって、それだけで怖いでしょう」 原作をホラーで再構築

映画『ネバーランド・ナイトメア』
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11月7日(金)より全国で公開中の映画『ネバーランド・ナイトメア』の、スコット・チェンバーズ監督にインタビューを実施した。

『ネバーランド・ナイトメア』は、児童誘拐・無差別殺人に励む闇落ちピーター・パンによる、スラッシャーホラー。監督は『プー あくまのくまさん』でプロデューサー、『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』では主演クリストファー・ロビン役とプロデューサーを務めたスコット・チェンバース。同作の監督を務めたリース・フレイク=ウォーターフィールドが、本作のプロデュースを担う。

映画『ネバーランド・ナイトメア』
映画『ネバーランド・ナイトメア』

物語の舞台はロンドン。彼氏との新生活を夢見て、移住を計画していた大学生のウェンディ。ある日、弟マイケルが突然、何者かに誘拐されてしまう。そしてその犯人は、かつて世間を震え上がらせた凶悪誘拐犯、ピーター・パンだった。妖精の粉を注射し、街中へ飛び出し、子どもの誘拐と殺人を繰り返すピーター・パン。子どもも、大人も、次々と夢の国“ネバーランド”へと旅立たせていく。弟を救うため、ウェンディはピーターの潜伏先を突き止め、ひとり忍び込む。するとそこには、かつて弟と同じように誘拐され、薬物中毒に陥ったティンカー・ベル、右手にフックをつけた青年が…。弟がネバーランドへ連れ去られてしまう前に、ウェンディはこの悪夢を止められるのか。

誘拐された弟を助けるため奔走するウェンディ役を演じたのは、ミーガン・プラシート。そして、“永遠の少年”ピーター・パンを、マーティン・ポートロックが狂気的な殺人⿁として転生させた。

【動画】映画『ネバーランド・ナイトメア』☠11.7公開☠

今回、ハリウッドリポーター・ジャパンは、同作の監督を務めたスコット・チェンバーズにメールでインタビューを実施。ピーター・パンをスラッシャーとして描こうと思った理由や原作への新たな解釈、そして、演出のこだわりについてたっぷりと語ってもらった。

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ーーー児童文学作品であるピーター・パンを、スラッシャーホラーとして再解釈するというアイデアはどこから生まれたのですか。

スコット・チェンバーズ監督:パッとコンセプトを思いついたんです。原作自体がすでに不気味でしょう?窓から忍び込んで子どもをどこかへ連れ去る少年って、もうそれだけで怖いでしょう。そして、ネバーランドへ連れ去られた子どもたちは、ロスト・ボーイズになる。年老いた男が子どもを死へと誘い込もうとする、いかにもありそうな物語に思えたんです。

ーーー原作のどんな要素に着目されたのでしょうか?

スコット・チェンバーズ監督:物語の要素を、現実に落とし込むことに注力しました。「成長したくない少年」、「影」、「ピーターに執着するティンカー・ベル」(本作ではピーターが彼女を支配する力として描いています)、「フックのピーター・パンへの怒りと理由」、「ネバーランドが“何を意味するのか”」を再構築しました。

ーーーダークな世界観を構築する上で、美術や演出面で特にこだわったポイントはありますか?

スコット・チェンバーズ監督:マイケルが誘拐された部屋には、人魚の装飾などネバーランドを示唆する小物が多くあります。映画全体を通して、影の使い方も象徴的になっていて、その状況やキャラクターの感情の比喩として、用いられています。例えば、ピーター・パンから「マイケルは自分がさらった」と電話を受ける場面。その瞬間、ウェンディと母親の顔に、まるで牢の格子のような影が落ちます。それは、ピーターという存在が二人を“檻”に閉じ込めたことの暗喩であり、マイケルを取り戻すまでは、その支配から逃れられないという意味を込めています。

映画『ネバーランド・ナイトメア』
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ーーー闇落ちピーター・パンの恐ろしいビジュアルはどのようにして作り上げたのでしょうか?

スコット・チェンバーズ監督:ピーターという人物の造形には、三つの段階を設けました。まず、サーカスで働く“表の顔”。マイムとしての仮装の下で、次の獲物を狙っています。次に、“子どもの顔”のマスクを被り、子どものような声で話す姿。そして最後に、“仮面”を外した際に現れる、恐ろしく邪悪な“本当の姿”です。その変化を通じて、立体的に描きたいと思っていました。

映画『ネバーランド・ナイトメア』
映画『ネバーランド・ナイトメア』

ーーースラッシャーというジャンルの中で、今作ならではの新しさや差別化を意識された部分はありますか?過去の名作ホラーからの影響や、それをどう現代的にアップデートしたかもお聞かせください。

スコット・チェンバーズ監督:フレンチホラーの要素を多く取り入れています。僕は、生々しく、リアルに感じられるホラーが好きなんです。単なる“楽しい”映画ではなく、ウェンディと一緒にいるような臨場感を味わってほしいと思っていましたし、もし彼女が生き延びるにしろ、それは命を懸けた本気の闘いの末であると感じてもらいたいと思っていました。

映画『ネバーランド・ナイトメア』
映画『ネバーランド・ナイトメア』

ーーー『ネバーランド・ナイトメア』を観る観客には、どんな感情や体験を持ち帰ってもらいたいと考えていますか?

スコット・チェンバーズ監督:スリル満点の体験をしてほしいです!ハラハラする緊張の瞬間や、いくつかのジャンプスケアを楽しんでもらいつつ、映画に込めた気持ちを感じていただけたら嬉しいです。キャラクターたちを好きになっていただきたいです。

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『ネバーランド・ナイトメア』は、11月7日(金)より新宿ピカデリー他にて全国公開ロードショー中。

スコット・チェンバース監督のプロフィール

スコット・チェンバーズ監督
スコット・チェンバーズ監督

俳優としてキャリアをスタート。『Chicken(原題)』やNetflix『Malevolent(原題)』、エディ・イザードと共演した『Doctor Jekyll』などに出演してきた。別名義では、過去8年間で114本の長編映画をプロデュースしており、そのすべてが世界中で配給されている。近年では、主演、プロデューサーを務めた『プー あくまのくまさん』が話題となり、アメリカでは1,500館以上の劇場で公開された。現在、著名なキャラクターたちを集結させた“プーニバース”構想を進行中。

関連リンク

HP:https://neverland-nightmare.com

公式 X: https://x.com/UnclePeterPan

CAST&STAFF

監督・脚本:スコット・チェンバース プロデューサー:リース・フレイク=ウォーターフィールド

出演:ミーガン・プラシート マーティン・ポートロック

2025 年/イギリス/英語/89 分/シネスコ/5.1ch/原題:PETER PAN’S NEVERLAND NIGHTMARE/R15+/

日本語字幕:宮崎香奈子/配給:ライツキューブ

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