【第98回アカデミー賞】3部門のノミネート候補が発表|日本からは『国宝』『鬼滅の刃』などが候補に

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』『Prime Minister(原題)』『Belén(原題)』 写真:Koyoharu Gotoge SHUEISHA Aniplex ufotable/Sony Pictures; Magnolia Pictures/Courtesy Everett Collection; Amazon
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』『Prime Minister(原題)』『Belén(原題)』 写真:Koyoharu Gotoge SHUEISHA Aniplex ufotable/Sony Pictures; Magnolia Pictures/Courtesy Everett Collection; Amazon
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現地時間11月21日(金)、映画芸術科学アカデミーは第98回アカデミー賞における国際長編映画賞(86本)、長編アニメーション賞(35本)、長編ドキュメンタリー賞(201本)のノミネート候補となる作品を発表した。

日本からは、国際長編映画賞で『国宝』、長編アニメーション賞で『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が候補に入った。

国際長編映画賞候補作品

国際長編映画賞は、「アメリカ以外で製作された40分超の長編映画、かつ英語以外の言語のセリフが50%以上を占める作品」が対象となる。今回は86の国と地域から応募があり、候補資格を得た。最終候補となる15作品は現地時間12月16日(火)に発表される。

候補作品には、『パラサイト 半地下の家族』(2019年、第92回アカデミー賞で作品賞など4部門で受賞)をアメリカで配給したNeonが手がける以下の5作品が含まれ、いずれもノミネートの可能性がある。ジャファル・パナヒ監督の『Un simple accident(英題:It Was Just an Accident)』は、第78回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した。

『It Was Just an Accident(英題)』より 写真:Courtesy of Neon
『Un simple accident(英題:It Was Just an Accident)』より 写真:Courtesy of Neon

日本からは、邦画実写映画として歴代2位(11月18日現在)の興行収入を記録した『国宝』が候補に入っている。

『国宝』写真:GKIDS
『国宝』写真:GKIDS

その他の注目作品として、以下の作品がある。

  • 『The President’s Cake(英題)』(イラク):第78回カンヌ国際映画祭で2つの賞を受賞
  • Young Mothers(英題)』(ベルギー):ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が制作
  • Left-Handed Girl(英題)』(台湾):『ANORA アノーラ』でオスカーを獲ったショーン・ベイカーが共同脚本として参加

また、すでに高く評価されているドキュメンタリー映画が3カ国以上から提出された。

  • 2000 Meters to Andriivka(英題)』(ウクライナ)
  • 『The Tale of Silyan(英題)』(北マケドニア)
  • 『Mr. Nobody Against Putin(原題)』(デンマーク)

『2000 Meters to Andriivka』は、ロシアの侵攻から街を奪還しようと奔走するウクライナ小隊を追った作品で、第96回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞でオスカーを獲得したムスティスラフ・チェルノフ監督の最新作だ。一方、『Mr. Nobody Against Putin』はロシアのプーチン大統領によるプロパガンダ活動を映し出している。

ナショナルジオグラフィックの『The Tale of Silyan』は、『ハニーランド 永遠の谷』(2019年)でアカデミー賞国際長編映画賞と長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたタマラ・コテフスカが監督を務めている。

長編アニメーション賞候補作品

長編アニメーション賞の最注目作品は、日本の『鬼滅の刃 無限城編』だ。全世界興行収入は1,000億円を突破し、邦画史上最高記録を現在も更新中である。アメリカでは、国外の映画として史上最高の興行収入を達成し、今年の全世界興収ランキングで5位にランクインしている。

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』 写真:Koyoharu Gotoge SHUEISHA Aniplex ufotable/Sony Pictures
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』 写真:Koyoharu Gotoge SHUEISHA Aniplex ufotable/Sony Pictures

日本からは、快進撃を続ける『チェンソーマン レゼ篇』、細田守監督の『果てしなきスカーレット』、青木康浩監督の『ChaO』、人気アプリゲームの映画化作品『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』、松坂桃李染谷将太が声優を務めた『ひゃくえむ。』も候補に入った。

その他の注目作品として、以下が挙げられる。

一方で、高い評価を集めながらもノミネート候補とならなかった作品に、A24配給の『ナタ 魔童の大暴れ』、ソニーの『パディントン 消えた黄金郷の秘密』、パラマウントの『劇場版スマーフ/おどるキノコ村の時空大冒険(パラレルアドベンチャー)』などがある。これらの作品は応募がなかったか、資格要件を満たさなかったため、候補から外れている。

長編アニメーション賞にノミネートされる5作品は、現地時間2026年1月22日(木)に発表される。

長編ドキュメンタリー賞候補作品

長編ドキュメンタリー賞では、史上2番目に多い201作品がノミネート候補となった。最終候補となる15作品は現地時間12月16日(火)に発表される。

以下の作品群は今年のドキュメンタリー映画界ですでに高く評価されており、ノミネートが期待されている。

  • 『パーフェクト・ネイバー:正当防衛法はどこへ向かうのか』
  • 『熱帯の黙示録』
  • 『あかるい光の中で』
  • 『Orwell: 2+2=5(原題)』

その他の話題作として、著名人が監督を務めた以下の映画が挙げられる。

『My Mom Jayne(原題)』より 写真:Courtesy of HBO
『My Mom Jayne(原題)』 写真:Courtesy of HBO

以下の作品群は、昨今の中東情勢を追った作品として注目を集めている。

  • 『TORN: The Israel-Palestine Poster War on NYC Streets(原題)』
  • 『Coexistence, My Ass!(原題)』
  • 『Holding Liat(原題)』
  • 『手に魂を込め、歩いてみれば』

アカデミー賞ノミネートが期待されながらも候補とならなかった作品には、アカデミー賞を2度受賞したベン・プラウドフット監督の『The Eyes of Ghana(原題)』などがある。米『ハリウッド・リポーター』の取材によれば、同作の賞レースへのノミネートは次シーズンに延期された。

また、A24制作でソフィア・コッポラ監督がマーク・ジェイコブスを追った『Marc by Sofia(原題)』、ドラマーのクエスト・ラヴが監督を務めた『スライ・リヴズ!』などもノミネート候補から漏れている。これらの作品は応募がなかったか、資格要件を満たしていなかった。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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