『スーパーマン』ニコラス・ホルトが登場！「悪役を演じるのは大好き」さらに過酷すぎた『マッド・マックス』撮影裏話を告白【東京コミコン2025】

12月5日（金）～12月7日（日）、幕張メッセにて「東京コミックコンベンション2025」（以下、「東京コミコン2025」）が開催。2日目のステージに、DC映画『スーパーマン』や『マッド・マックス怒りのデス・ロード』で知られる俳優のニコラス・ホルトが登場。作品の撮影秘話から“あの伝説的映画”の壮絶な現場体験まで、興味深いエピソードをたっぷり語ってくれた。

初来日の心境「圧倒されるほど美しい一日だった」

観客で埋め尽くされた会場を見渡したニコラスは、「本当にすごい光景です。圧倒されるほどたくさんの方が来てくれて、今日はとても美しい一日になりました。たくさんの素敵な人たちに会えて、舞台裏ではおいしいお寿司もいただきました。東京に来られて本当に幸せです。ありがとうございます」と驚きと感動を語った。

ニコラス・ホルト　写真：The Hollywood Reporter Japan

『スーパーマン』撮影裏話「ワイヤーで逆さ吊りにされ、レックスらしい“ひどい目”に遭いました」

DCファンからの期待も高まる中、今年公開されたDC映画『スーパーマン』のレックス・ルーサーとしての撮影で忘れられない経験について聞かれると、「（スーパードッグの）クリプトに襲われるシーンがあったんですが、あれは本当に大変でした。スタントダブルが大部分を受けてくれたとはいえ、僕もワイヤーで逆さ吊りにされて、文字どおり振り回されました。まさにレックスが報われる（？）瞬間でしたね（笑）」と、笑い交じりに明かすと、「でも本当に、撮影チームはすばらしかったです。ジェームズ（・ガン）を中心に、キャストもスタッフもとても才能があって優しい人ばかりで、最高の環境でした」と語った。

『マッド・マックス怒りのデス・ロード』は人生で最も狂った撮影だった

ニコラスが出演した代表作のひとつ『マッド・マックス怒りのデス・ロード』（2015年）。その過酷さは映画ファンの間でも語り草だが、本人の口から改めてその壮絶さが語られた。

「あれは僕が経験した中で、最も狂った撮影でした。数百台もの車両、700～800名のスタッフと一緒にナミビアの砂漠へ出て、全員がエンジンをかけて一斉に走り出す。轟音で何も聞こえないし、腕の毛が逆立つほどの緊張感でした」

「20分以上の長回しで砂漠を走り続けることもあり、カメラカーが猛スピードで横を走り抜けていく。僕たちは常に芝居を続け、その環境そのものがキャラクター作りに直結していました。ジョージ・ミラー監督の世界にいられたことは、本当に幸運でした」

「悪役は好きです！」レックス・ルーサーを演じる醍醐味

司会から「悪役を演じるのは楽しいか？」と問われると、ニコラスは「悪役を演じるのは大好きです」と即答。「特にレックスは。ジェームズ（・ガン監督）が描くレックスの思想や位置づけはとても面白くて、彼は確かに“悪役”ではあるけれど、自分の行動を悪だとは思っていないんです。神のような力を持つスーパーマンが人類の運命を左右することに彼は納得できない。それに、誰よりも賢いのに人々から愛されず認められない…そんな彼の挫折が彼を狂わせていく」と明かした。

さらにニコラスは、日本文化との意外な共通点に触れた。「『カイゼン（改善）』毎日1％でも良くなることで偉大さに近づくという日本の概念がありますよね。レックスの思想はどこかそれに近いんです。常に自分を高め、テクノロジーを進化させ、人類の未来をより良くしようとする。それは僕自身、俳優として日々意識していることでもあります」

最新出演作も続々「次はトム・フォード監督作に出演します」

今後の出演作について聞かれたニコラスは、「来年初めから、トム・フォード監督の新作の撮影が始まります。今年はデヴィッド・リーチ監督の『How to Rob a Bank（原題）』を撮影しました。社会的なテーマも盛り込んだ、とても楽しいクライム作品です。そしてまた『スーパーマン』シリーズ次回作『Man of Tomorrow（原題）』の撮影も控えています」と明かした。