XGは次のフェーズへ ―― プロデューサー・JAKOPSが明かす、アルバム『THE CORE – 核』後に見据える未来とは
グローバルポップグループが次々と誕生するなか、日本発のヒップホップ/R&Bグループ・XGは、その潮流をいち早く切り拓いてきた。そんな彼女たちの世界観をゼロから構築し、現在の成功へと導いてきたのが、プロダクション・XGALXのCEOであり、リードプロデューサーを務めるJAKOPSだ。
本記事では、JAKOPSの人物像から、最年少メンバー・COCONAの公表がもたらした意味、そしてXGが次に見据える未来までを紐解く。
▼XGとは何者か ── 日本発・英語表現で世界へ

XGは、JURIN、CHISA、HINATA、HARVEY、JURIA、MAYA、COCONA の7人からなるグループ。全員が日本出身で、韓国のK-POPシステムを活用しつつ、すべて英語で楽曲とパフォーマンスを展開するという、当時としては極めて異例のスタイルで2022年に世界デビューを果たした。
この設計思想こそが、XGを単なる「日本のガールズグループ」ではなく、最初からグローバル市場を想定した存在へと押し上げた最大の要因だ。
▼JAKOPSというプロデューサー ── 複数の文化が生んだ構想力

JAKOPSの本名は、サイモン・ジュノ・パク(Simon Junho Park)。日本人の母と韓国人の父を持ち、米国シアトルで生まれ、韓国で育ったという多文化的バックグラウンドを持つ。
K-POPボーイズグループ・DMTNとしてのデビュー経験を経て、ソロ活動、そしてプロデューサーへと転身。「異なる文化圏の音楽システムそのものへの関心」が、XGという前例のないプロジェクトの原点となった。
▼『THE CORE – 核』と5年間の鍛錬 ── 最初から“世界基準”で
XG初のフルアルバム 『THE CORE – 核』 は、JAKOPSが新たに立ち上げた合弁会社のもとで制作された、記念碑的作品だ。
メンバーは約5年間にわたり、JAKOPS率いるチームのもとでトレーニングを重ね、その過程はYouTubeドキュメンタリー 『XTRA XTRA』 として公開されている。
【動画】XGドキュメンタリーシリーズ『XTRA XTRA』EP X∞
当初から「英語で世界へ」を前提に育成されたXGは、セカンドシングル「MASCARA」を皮切りに、2023年に同時リリースされた 「SHOOTING STAR」「LEFT RIGHT」 によって、一気に世界的な注目を集めた。
■“グローバルガールズグループ”という概念の先駆者
現在では、2026年グラミー賞の最優秀新人候補に名を連ねたKATSEYEをはじめ、GIRLSETなど「グローバルガールズグループ」という文脈が一般化しつつある。
しかし、その土台を築いた存在こそがXGだろう。JAKOPS自身も「最初から、世界中の人々の深い理解と共感を得ることを目指していました」と語っている。
▼COCONAの公表が示した、新しいアイドル像

XGは、2000年代初頭のポップカルチャーを思わせる個性的なビジュアルに、R&Bやポップのガールズグループらしい音楽性を融合させた、他にはないスタイルを築いてきた。
その文脈の中で、大きな転換点となったのが、COCONAの公表である。20歳の誕生日に、彼女は自身がトランスマスキュリン/ノンバイナリーであることを公表し、胸の切除手術を受けたことも明かした。
これは個人としての勇気ある選択であると同時に、J-POP/K-POPアイドル文化における大きな前進でもあった。長年、彼女たちの成長を見守ってきたJAKOPSは、「7人のメンバーとは、DNAを共有しているような感覚があります。本当に家族のようですね」と語る。
▼XGの名称再定義と“自由”への移行
XGはいま、大きな転換期にある。かつて「Xtraordinary Girls」の略だったXGは、現在では「Xtraordinary Genes」という意味を持ち、常識に縛られない世界観そのものを象徴する名称へと再定義された。
【動画】XG「GALA」ミュージックビデオ
また、JAKOPSは「アイドルに課されてきたルール」そのものを見直している。メンバー全員が成人した現在、以前必要だった制限は撤廃され、「自分たちの人生を生きてほしい」と伝えたという。
■アメリカ進出と、その先にある未来
XGALXは、アメリカをXGにとって重要な活動拠点の一つと位置づけている。2025年12月中旬、JAKOPSはXGとともにロサンゼルスを訪れ、音楽番組『The Voice』で米国テレビ初出演を果たした。番組では、ファッションの祭典メット・ガラに着想を得たシングル「GALA」を披露している。

JAKOPS自身も、2026年春から最大6か月ほどアメリカに滞在予定だ。「今がそのタイミングだと思っています。まるで大学に戻ったような気分です」―― 現時点でXGメンバーの同行予定はないものの、その一歩は確かな手応えを伴っているという。
JAKOPSが語る「今がそのタイミング」という言葉は、決して誇張ではない。XGは、次のフェーズへと静かに、しかし確実に歩みを進めている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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