【英国アカデミー賞(BAFTA)2026】『ワン・バトル・アフター・アナザー』が6冠!『罪人たち』は黒人監督初の快挙
現地時間2月22日(日)、ロンドンで第79回英国アカデミー賞(BAFTA)授賞式が行われ、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー』が6冠を制した。ライアン・クーグラー監督の『罪人たち』は3部門で受賞を果たし、黒人映画監督作品として最多受賞記録を打ち立てた。
『ワン・バトル・アフター・アナザー』が接戦制す、『罪人たち』も歴史的快挙
今年のBAFTAは、14部門ノミネートの『ワン・バトル・アフター・アナザー』と、13部門ノミネートの『罪人たち』による接戦が繰り広げられた。さらに、クロエ・ジャオ監督の『ハムネット』とジョシュ・サフディ監督の『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』がそれぞれ11部門にノミネートされた。
この激戦を制したのは『ワン・バトル・アフター・アナザー』だ。同作は最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀助演男優賞(ショーン・ペン)、最優秀脚色賞、最優秀撮影賞、最優秀編集賞の6部門で受賞を果たした。

最優秀助演女優賞は、『罪人たち』のウンミ・モサクが獲得した。同作は最優秀脚本賞と最優秀オリジナル楽曲賞を加え、計3部門で受賞した。クーグラー監督は、黒人監督として初めてBAFTA最優秀脚本賞を獲得した。また、黒人監督として最多ノミネート記録と最多受賞記録も更新した。

カーク・ジョーンズ監督の『I Swear(原題)』は最優秀キャスティング賞を受賞したほか、主演のロバート・アラマヨが最優秀主演男優賞とライジングスター賞(新人賞)を受賞し、会場を沸かせた。
『ハムネット』は最優秀英国映画賞に加え、主演のジェシー・バックリーが最優秀主演女優賞を手にした。ギレルモ・デル・トロ監督の『フランケンシュタイン』は、最優秀美術賞、最優秀衣裳デザイン賞、最優秀メイクアップ&ヘア賞の3部門で受賞した。

世界情勢への懸念が相次いだ授賞式
今年のBAFTA授賞式では、世界情勢に触れる場面が多々あった。司会のアラン・カミングは、開会のコメントで「現実世界で起こっている出来事が、映画制作者たちに影響を与えていると感じます。アメリカ人は特にそうでしょう」と客席に語りかけた。
『名もなき反逆者 ロシア 愛国教育の現場で』で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞したデヴィッド・ボレンスタイン監督は、「ロシアであろうとミネアポリスの街であろうと、どんなに状況が暗くなっても、私たちは常に道徳的な選択を迫られます」と語った。
『My Father’s Shadow(原題)』でデビュー作品賞(英国人の脚本家/監督/プロデューサー)を受賞したアキノラ・デイヴィス・ジュニア監督は、同作の脚本を執筆した兄弟のウェイル・デイヴィスとともに登壇し、「フリー・パレスチナ!」と言う言葉でスピーチを締めくくった。
クレア・ビンズ氏は英国における映画配給をけん引し、英国映画貢献賞を受賞した。ビンズ氏は故ロバート・レッドフォードがサンダンス・インスティテュートとサンダンス映画祭を創設したことを挙げ、「世界ではもっと地域密着型の映画館が求められています。何よりもまずリスクを取る覚悟が必要です」と述べた。
▼第79回英国アカデミー賞(BAFTA 2026) 主要な受賞結果一覧
受賞結果は★太字で示す。
最優秀作品賞
- 『ハムネット』
- 『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
- 『ワン・バトル・アフター・アナザー』★
- 『センチメンタル・バリュー』
- 『罪人たち』
最優秀主演女優賞
- ジェシー・バックリー『ハムネット』★
- ローズ・バーン『If I Had Legs I’d Kick You』
- ケイト・ハドソン『ソング・サング・ブルー/Song Sung Blue』
- チェイス・インフィニティ『ワン・バトル・アフター・アナザー』
- レナーテ・レインスヴェ『センチメンタル・バリュー』
- エマ・ストーン『ブゴニア』
最優秀主演男優賞
- ロバート・アラマヨ『I Swear(原題)』★
- ティモシー・シャラメ『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
- レオナルド・ディカプリオ『ワン・バトル・アフター・アナザー』
- イーサン・ホーク『ブルームーン』
- マイケル・B・ジョーダン『罪人たち』
- ジェシー・プレモンス『ブゴニア』
最優秀監督賞
- ヨルゴス・ランティモス『ブゴニア』
- クロエ・ジャオ『ハムネット』
- ジョシュ・サフディ『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
- ポール・トーマス・アンダーソン『ワン・バトル・アフター・アナザー』★
- ヨアキム・トリアー『センチメンタル・バリュー』
- ライアン・クーグラー『罪人たち』
ライジングスター賞(一般投票)
- ロバート・アラマヨ★
- マイルズ・ケイトン
- チェイス・インフィニティ
- アーチー・マデクウィ
- ポジー・スターリング
最優秀英国映画賞
- 『28年後…』
- 『The Ballad of Wallis Island(原題)』
- 『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』
- 『Die My Love(原題)』
- 『H Is for Hawk(原題)』
- 『ハムネット』★
- 『I Swear』
- 『Mr Burton(原題)』
- 『Pillion(原題)』
- 『スティーヴ』
非英語作品賞
- 『シンプル・アクシデント/偶然』
- 『シークレット・エージェント』
- 『センチメンタル・バリュー』
- 『Sirāt(原題)』
- 『ヒンド・ラジャブの声』★
最優秀アニメーション映画賞
最優秀ドキュメンタリー賞
- 『2000 Meters to Andriivka(原題)』
- 『熱帯の黙示録』
- 『シーモア・ハーシュ:権力の闇に挑む男』
- 『名もなき反逆者 ロシア 愛国教育の現場で』★
- 『パーフェクト・ネイバー:正当防衛法はどこへ向かうのか』
最優秀助演男優賞
- ベニチオ・デル・トロ『ワン・バトル・アフター・アナザー』
- ジェイコブ・エロルディ『フランケンシュタイン』
- ポール・メスカル『ハムネット』
- ピーター・ミュラン『I Swear』
- ショーン・ペン『ワン・バトル・アフター・アナザー』★
- ステラン・スカルスガルド『センチメンタル・バリュー』
最優秀助演女優賞
- オデッサ・A・ジオン『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
- インガ・イブスドッテル・リッレオース『センチメンタル・バリュー』
- ウンミ・モサク『罪人たち』★
- キャリー・マリガン『The Ballad of Wallis Island』
- テヤナ・テイラー『ワン・バトル・アフター・アナザー』
- エミリー・ワトソン『ハムネット』
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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