ジェイミー・リー・カーティス、ハリウッドの未来を語る「成功の方程式は存在しない」
俳優でプロデューサーのジェイミー・リー・カーティスが、SXSW映画祭でプレミア上映されたスリラー映画『Sender(原題)』をきっかけに、現在のハリウッドの制作環境や映画業界の未来について語った。近年、俳優としての活躍に加えプロデューサーとしても存在感を高めているカーティスは、「何が成功するかを本当に分かっている人はいない」と語り、映画制作の在り方に独自の視点を示している。
『ハロウィン』が転機となったプロデューサーとしてのキャリア
ジェイミー・リー・カーティスにとって大きな転機となったのは、2018年に公開された『ハロウィン』シリーズのリブート版だった。作品の成功を受け、カーティスは映画プロデューサーのジェイソン・ブラムと制作契約を結んだ。
カーティスは冗談交じりに、「きっと彼は私に残りの『ハロウィン』2作に出演してほしかったから契約したのよ」と振り返る。
同作の制作体験も、彼女の創作意欲を強く刺激したという。低予算ながらスピーディーで協力的な制作現場に触れ、「とても楽しく、創作意欲が一気に高まった」と語る。
撮影終了からわずか2週間後、カーティスは19歳の頃から温めていた映画企画『Mother Nature(原題)』の構想を、40ページ分に及ぶ音声メモとして記録した。現在も映画化は実現していないものの、後にグラフィックノベルとして発表されている。
俳優としてもキャリア絶頂期へ
近年のカーティスは俳優としても再評価が進んでいる。映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ではアカデミー賞助演女優賞を受賞。さらにドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』ではエミー賞も獲得した。
プロデューサーとしても活動の幅を広げており、ニコール・キッドマン主演のドラマ『スカーペッタ』や、続編映画『シャッフル・フライデー』、さらにはアカデミー賞候補となった『ロスト・バス』などの制作に関わっている。
SXSWで注目のスリラー『Sender』
最新のプロデュース作となるのが、SXSW映画祭で初上映されたスリラー映画『Sender』だ。監督は本作が長編デビューとなるラッセル・ゴールドマン。主演はドラマ『Severance』で知られるエミー賞受賞俳優ブリット・ロウワーが務める。
カーティスとゴールドマンの関係は8年前に始まった。当時、大学を卒業したばかりだったゴールドマンは、カーティスの脚本執筆を手伝うために雇われたという。
現在、彼はカーティスの制作会社コメット・ピクチャーズで開発部門の仕事も担っているが、カーティスは「彼は開発担当ではなく、映画監督」と強調する。
『Sender』は、身に覚えのない荷物が届き続ける女性の恐怖を描いたサスペンスで、リーヤ・シーホーンやデヴィッド・ダストマルチャンらも出演している。
映画業界の停滞に懸念
プロデューサーとして活動する中で、カーティスはハリウッドの厳しい現状も目の当たりにしているという。
「仕事を探している俳優のリストを見ると、映画の主演やテレビシリーズの主役を務めていた人たちが、小さな役でもオーディションを受けようとしている。今は本当に厳しい時代です」
映画会社の統合や制作本数の減少にも懸念を示しつつ、映画産業そのものには楽観的な見方を示す。
「映画業界は生き残ると思います。今はむしろ移行期にあるだけ」
さらに、大手スタジオに対しては次のような提案を語る。
「年間予算のうち5,000万ドルを使って、10人の映画監督にそれぞれ500万ドルの映画を作らせてみてはどうでしょう。巨大なテントポール映画への投資と同時に、そうした挑戦も必要です」
そして最後に、映画制作の本質をこう語った。
「何が成功するかを本当に分かっている人なんていない。だからこそ、芸術を信じるしかないのです」
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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